思いつくままに書いています

間口は広くても、極めて浅い趣味の世界です。
御用とお急ぎでない方は、ごゆっくりどうぞ。

激遅Vistaノートパソコンの更生、頼まれました

2013年09月24日 | パソコンあれこれ

メールで知らせてきたパソコンの品番はPST4021CWS81R。OSVistaとのことです。
とにかく動きが遅く、しかも使っているうちにさらに遅くなるといっていました。

Vistaなら遅いのも当然と思いながら品番をググってみたら、東芝サテライトT40という機種でした。
当時の定価で19万円前後!という高いパソコンでした。CPUはセレロンながらクロック周波数は高く、USBも2.0、オフィスアプリとインターネット程度という使用パターンなら十分現役。
ハードディスクが80GBというのは心もとないですが、これはいつでも交換できるので今回はパス。
しかし問題はメモリです。
なんと極貧の512MB!。
これでVistaを動かそうとは、なんとも暴挙というか無謀というか。東芝さん、この商品を実際に動かしてみたのでしょうか。今時512MBとは、Vistaに比べたらはるかに軽いXpですら、最初期の素・Xpならいざ知らず、SP3の現在ではとても快適とは言えません。

とりあえず友人には、Windows7とメモリを購入するように伝えました。メモリはチップセットの制約で1スロットに1GBがリミットなので、2スロットに各1GBで計2GBとなります。ほどなくして両方ゲット!との報告が入ったので、翌週の月曜日に予定のボランティア先での作業となりました。

当日、メモリ交換のためのドライバーセットを持参して作業する事務所に行きました。私が着いてからしばらくして友人も到着。

まずは現状把握と、スイッチオン。

ところが、久しぶりにVistaのロゴが拝めるかと少し期待していたら、画面に出てきたのはフツーのXpのロゴ
「えっ、これVistaじゃないの?」と聞くと、「いえ、パソコンの底面にVistaと書いてあったので」(殴)。
いわゆるダウングレードサービスというやつですね。
はじめからこうなっていたとのことで、さすがに東芝さんもVistaで出荷するのは気が咎めたのでしょう。

で、一応Xpはサービスパック3が適用されていました。これが命取りでもあったのですね。
先に書いたように、XpでもSP3となるとメモリ512MBでは無理です。メモリ不足でハードディスクスワップが発生し、もたつくのは当然。ただ、使っているうちにさらに遅くなるというのは別問題ですね。

というわけで、パソコンをひっくり返して底を見ると、案の定CPU冷却ファン周辺のメッシュ部に埃がびっしり。ファンにも綿ボコリが詰まっています。これでは冷えません。

それで、パソコンを起動してしばらくたったら排熱不良で熱がこもり、システム保護のためにCPUのクロックが自動的に下げられてしまっていたのでしょう。彼も見て驚いていました。購入してから一度も掃除したことがないとのことです。
早速事務所の古い掃除機で、ヒートシンク・ファンと冷却空気吸入口付近の綿ぼこりをきれいに吸い取りました。
この作業で注意するのは、冷却ファンに掃除機のノズルを直接当てないことです。直にノズルを当てるとファンが過回転してモーターを痛める恐れがあります。少し離してファンの回転を上げすぎないように、そして手早く作業を終えることが大事です。

次にメモリを増設するため、パソコン底のメモリ・ベイの蓋を外しました。スロットの両サイドのストッパーを外して既存の512MBのメモリを外し、1GB×2枚を装着。この作業は静電気に要注意です。使っていなかった方のスロットは同じく掃除機で埃をとってきれいにしました。

友人はメモリ(バッファローの製品)を3,420円で購入したそうです。安いですね。


私が調べたノーブランド品と同じぐらいでした。ちなみに発売時の標準搭載メモリはやはり512MBのDDR2 667 SD-RAMで、1GBは追加21,000円也のオプションでした。それから幾星霜、いまや同じものが10分の1!以下で買えるようになりました。

蓋を閉めてXpのコントロールパネルのシステムでメモリ量が増えていることを確認してからWindows7のインストールです。


前に書きましたが、Windows7のインストールは超簡単ですが、今回はクリーンインストールするのでマイドキュメントのデータは事前にUSBメモリに退避。といっても、デジカメのデータはその都度CDに焼いていたとのことで、ハードディスクに保存されていたのは文書ファイル程度。ハードディスクの全体の使用量も数GBでした。

Windows7のインストールで今回わかったのはインストール作業時にLAN経由で最新データをチェックしたあと、そのネットワークの設定がそのままインストール完了後も保存されているのが驚きでした。なので完了後即インターネットOK。便利になっていますね。

あとはパソコン添付のオフィス2007のディスクからアプリを入れて、カスタマイズ用のユーティリティ類をマイドキュメントにコピーして終了。インターネットエクスプローラーは10を入れました。

作業が終わって、見違えるようにキビキビサクサクと動くようになりました。友人も喜んでくれたのでこちらもプチ満足。

今秋公開される新Windows8はマイナーチェンジ程度なので、今もWindows7の価値は十分あります。大体、Windows8はなんちゃってタブレット機能を付けたWindows7みたいなもので、スタートメニューがなくなった分かえって不便になっていますからね。

来年強行される(怒)という消費税増税と、マイクロソフトのXpサポート打切りが時期的に重なるので、マイクロソフトやインテル、各パソコンメーカーは買替え需要を当て込んでいるようですが、Xpがすぐ使えなくなるわけではありません
現用のパソコンにメモリが増設可能であれば、Windows7への切り替えで十分パソコン自体の延命は可能です。

現に私がこのブログ記事更新に使用しているMS-1057は2006年製ですが、メモリ増設とCPU交換でWindows7がサクサク使えています。

日本経済のためにはパソコンの買い替えも少しは意味があるかも知れませんが(笑)、やはり使えるものは使い倒すのが吉です。メモリが安くなっている今、ぜひ検討してください。

昔の高価だった名残で、パソコンというとつい金銭感覚がマヒしてしまいがちですが、洗濯機や掃除機、冷蔵庫などの家電製品と比べたら、その有用性では今でも法外な高価格商品ですね(お前がそれを言うか!)。

というわけで、少しはエコに貢献できたかなという自己満足な話でした。



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朗読劇 「藤沢周平『蝉しぐれ』より-永遠の初恋、ふく-」を観て

2013年09月15日 | 観劇メモ

8月の「頭痛肩こり樋口一葉」から約3週間ぶりの兵庫県立芸術文化センターで、岸恵子の朗読劇を観てきました。(聞いてきましたという方が正確かも)
当日買ったパンフレットです↓


この公演、関西では一回きりの公演です。
開演が午後2時なので、昼食は自宅で済ませてから出発。ほぼ1時間で到着、劇場前のホールへ。開演まで時間があるのに、ホールは岸恵子のファンなのか、敬老の日のイベント会場(殴)みたいになっていました。お年寄りは集まるのが早いです。もちろん私たちもその一員(笑)。
前回の「頭痛肩こり樋口一葉」より確実に年齢層は高く、女性の比率も高かったです。

さて朗読劇ですが、演者は岸恵子。そして題材は「蝉しぐれ」。ただ私はあまり気が進まなかったのですが、ヨメさんは演者と題材が気に入ってチケットを買うことにしたようです。
なぜ私があまり気が進まなかったというと、「蝉しぐれ」のような長い話をどう台本にするのかということと、岸恵子の年齢。なにしろ1932年にこの世にデビューですから、滑舌の黒柳徹子化(殴)は避けられないだろうし。

ホームページから↓


でも幕が上がって、すっきりと立った岸恵子の姿を見て、年齢の不安はかき消されました(と思った)。
和服を連想させる衣装で、60歳代でも通るほどの、衰えを見せない(ように見えた?)容姿(ウィッグ提供:アートネーチャーだそうです)と、(マイクがいいので?)思ったより聞きやすい台詞。
舞台のセットは彼女のパリの自宅をイメージしたというカーテンのついた窓枠のセットと、大きな帆立貝のような背もたれのついた籐椅子など。シンプルですが効果的でした。

岸恵子は最近小説を書いたとのことで、始まる前の挨拶でも自著の小説(老いらくの恋な感じ)と今回の朗読劇と結びつけた内容のことを話していました。彼女、結構この小説には自信があるのか、当日買ったパンフレットでも触れていますね。

パンフレットより

 
さて脚本です。
演題通り、ふくと文四郎が絡む場面を中心に、要領よくまとめられていました。ヤマカガシの話、文四郎の父の非業の死と荷車の話、藩内の陰謀に巻き込まれてふくとその子を助け出す話、そして最後の密会へと、まあ常道とはいえよくできた台本になっていました。
ちょっと話はそれますが、私的には、「蝉しぐれ」の劇化ベストはNHKのドラマです。
でも、宝塚の「若き日の‥」もよくできていますね。なんといっても、上記ドラマ化のはるか前に、「蝉しぐれ」に着目してミュージカル化した先見性とまとまりの良さには脱帽です。ワーストは映画。NHKのドラマを手掛けた人物が監督を務めたとは思えない出来の悪さにがっかりしました。

それはさておき、岸恵子の朗読劇ですが、結論としてはガッカリでした
最初のうちはそうでもなかったのですが、お疲れなのか後半はセリフをカミまくり。台本を前にして、それを読みながらなんで言い間違う?と思うほど頻発。前半はいい感じだっただけに、後半のダメージは大きかったです。

これまでの他の役者の観劇でも、一度や二度はありますが、まあ許容範囲、ご愛嬌という程度ですが、今回はとにかく多かった。
それも、単純な単語の言い損ない→すぐ訂正というレベルならまだしも、例えば主人公の「ふく」を別の名前と間違えたり(それは間違わないだろう?普通)、何度も訂正しようとしてさらに間違ってしまうなど、ちょっと見たことがないミスが続きました。

はじめは、聞いているこちらも興が削がれても、なんとか集中しようとしましたが、持ち直しつつあるところで再発するとだんだんシラケてきますね。

一番ダメだったのは、最後の逢瀬の場面。ふくと文四郎のそれぞれの長い想いを確かめ合うクライマックスですね。
そこでかんでしまったらダメでしょう。それも主語+述語のフレーズで間違って言い直すという(私的には)致命的なレベル。なんとかこちらとしても、いろいろあったけど、まあいい朗読劇だったねと言い聞かせて帰途に就きたいところでダメ押しされてしまったので、最後の拍手もお付き合い気分。

舞台俳優として本格的にトレーニングされていない彼女の限界(年齢的?)を見てしまった観劇でした。こういう舞台としては最近でも毬谷友子の「弥々」とか、麻実れいの「停電の夜に」とかを観ましたが、噛んだりすべったりとかは全くありませんでした。
大体セリフの量としてはもっと多い芝居がたくさんあります。今回の台本は覚えられない量ではないと思いますね。台本を観ながら何度も間違うのが不思議でした(裸眼のように見えましたが、ひょっとして遠近両用コンタクト?)。

よかった点を挙げると(今頃言う?)、やはり台本の中でセリフになるとちゃんと演技していましたね。情感を込めたセリフは大したものでした。舞台の経験は少ないですが、演技は確かでした。
それだけに余計、残念感が強かったです。

全くネガティブな感想になってしまいましたが、これを書いている時点でまだこの公演は各地で行われますから、なんとか汚名返上してほしいと思いました。みなさん期待して観劇されることと思いますから、それにこたえてほしいですね。

付け足しですが、藤沢周平が全作品を読むほど好んでいた作家が私のお気に入りのカロッサシュトルムであったことをパンフレットで知ったのは、うれしかったですね。今回の観劇のせめてもの収穫でした。



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ヤケド、治りました。湿潤療法、大したものです♪  改訂追補版(笑)

2013年09月11日 | 日記

今回は以前に書いた、スパーダのオイル交換後の試乗の際、排気管に素足が触れてヤケドしてしまったドジな話、の後日談です。
(といっても、前半はバイクのエンジンオイル交換の話なので、手間を省くため、以下火傷の顛末だけ藍色で再掲することにしました)

オイル添加剤を入れてから、エンジンオイルをマニュアル通りの量入れて、しばらく家の周辺を走って暖機してから再度オイル量をチェック。
普通ならこれで作業完了!となりますが、悲劇(喜劇ともいう)はこのあとでした!

エンジンを止めて、バイクにまたがったまま、バックで(出やすくするためです)ガレージに入れていた際に、横のアドレスにあたりそうになったので避けようと車体を傾けたら、ふくらはぎがエキパイに接触!
横着して半パンで作業していたので、モロに素肌に高温のエキパイが触れて「アチッ」。あわててふくらはぎを見たら時すでに遅し。ほんの一瞬の接触でしたが、見るも無残に横6センチ縦3センチぐらい皮がきれいにベロリとめくれて、下のピンクの皮膚が完全露出。パニックです。

あわててガレージ内の工具などを片付けてから、家に戻って必死で皮膚科を探しました。
でも以前行ったことのある皮膚科はお盆で13~15日休診。市立病院ならやっているだろうとホームページで確かめたら、無情にも「完全予約制」と表示。

でもこちらも非常事態です。
前日テレビのニュース番組で、猛暑で熱くなった遊具で「低温火傷」した幼児が皮膚移植手術が必要となったという悲惨な映像と、私の足の傷の形がそっくり (笑) だったので、何が何でも診てもらおうと、必死の思いで市立病院に電話しました。

受付嬢が出たので状況を言うと、「本来は診られないのですが、先生に聞いてみます」とのこと。
祈るような気持ちで保冷剤を当てながら待っていたら、「本来ならできませんが、今回は診ますと先生が仰っていますので、今すぐ来てください。何分ぐらいかかりますか?」とありがたいお言葉。
「10分で行きます」と返事して、アドレスを飛ばして直行しました。
でもけっこう受付手続きがかかり、皮膚科でもちょっと待ちました。その間の長いこと。保冷剤を置いてきたことを後悔し続けていました。

ようやく名前を呼ばれたので診察室へ。
中に女性スタッフ4人ぐらいいましたが、その中の一番若く見える人がお医者さんでした。
「どうされました?」と聞かれたので、バイクのマフラーで火傷したと言ったら、3人の看護師さん、口々に「ヤッター!」とか「マフラー、キター!」とか「熱いよねー、マフラー!」とか、仰天のレスポンス。なぜこんなにウケる?と戸惑いましたが、おかげでこちらもそれまでの悲愴な緊張感から完全に解放されました(笑)。
これ、パニック患者には最適の対応策かも(笑)

女医さんもまったく気さくに、「コケたんですか?」とか「マフラーって熱いですからね」とか。言われなくてもわかってますってと内心思いながらも、「いえ、オイル交換作業していて」と答えたら、ああそうですかと笑っていました。
処置は消毒液をかけてからリンデロンVGとかいう軟膏を塗ってガーゼを貼り付け、包帯を巻いて完了。
「大したことはないと思うが、また明日来てください」と言われたので翌14日の午前10時を予約。この日は薬はなく、診察だけでした。でも本当に大したことなさそうなのでホッと安心しましたね。

デイケアから帰ってきたヨメさんは足の包帯を見てびっくりしていました。
今日は患部を濡らさないようにとのことで、この日は包帯の上にラップをぐるぐる巻きつけてからヨメさんの入浴介助と私のシャワー。

そして翌14日、予約通り病院へ。

30分前に2階の皮膚科に行くと、もう10人ぐらい診察待ちの人。それで長丁場を覚悟して、パソコンを取り出してこれをブログネタにしようと書き始めたら、2行も書かないうちに名前を呼ばれました(笑)。
昨日診てくれた女医さん、今日は診察の当番ではないので、順番を待たなくてよかったようです。昨日と違って診察室ではなく処置室に案内されて入ったら、先生がお待ちでした。

そして患部を診ながら「どうですか、痛みますか?」と聞かれたので、「いえ全然痛みませんね~♪」というと「それは心配です」とキッパリ。
何でも、火傷が深いと神経まで損傷を受けて痛まないことがあるとのこと(怖)。

でも、消毒液がかけられたとき刺激を感じて「痛い!」と言ったら、それなら大丈夫かもといいながら、熱でめくれて傷の端によじれていた皮膚を鋏で切りはじめました。
切りながら私に「切っているのを見れますか」と聞くのでせっかくだから「いやとても見れません」と答えたら、横に付いていた看護師さん、真顔で「それなら私の顔を見ていてください。」 すごい自信です(笑)。
お言葉どおりマジマジと彼女の顔を見ていたら、向こうから笑い出しましたが。

ここの皮膚科、かな~り♪面白いです(笑)。

また軟膏を塗ってくれて、貼り付き防止フィルム付のガーゼを貼って包帯。患部はフィルムのおかげでガーゼがまったく貼りつかずラッキーでした。
でも昨日もそうだったのですが、この先生の包帯、やさしい性格なのか緩すぎ!で、今日も帰途にバイクで走行中緩んできて困りました(笑)。

治療後に半分フィルム付きガーゼが余ったのですが、「これは持って帰って家で使ってください」と手渡してくれました。そして「軟膏を出しておきますので、家でガーゼに塗って使ってください。次は金曜日16日に来てください」とのこと。

その後、皮膚科の受付で予約表を受け取り、1階の会計で精算したのですが、なんと領収書には「薬なし」の表示。

もう一度皮膚科の受付で「薬が出ているはずだが」というと、すぐ確認に行ってくれました。
やはり先生が忘れていたとのことで、再度会計に行き、処方箋を受け取りました。
病院横の薬局で軟膏を受け取って、病院の駐輪場に戻ってきたら当の女医さんとばったり
向こうから「ごめんなさい、うっかり忘れていました。すみませんでした」と謝られ、こちらも「いえいえ、どうもありがとうございました」と昨日無理に診てもらったことについてお礼をいいました。
本当に市立病院の皮膚科、とても公立病院とは思えない人間味があって楽しいです。

今回の火傷騒動のそもそもの原因が、猛暑とはいえ半パンでバイク整備をするという私の不注意から起きたことです。エキパイ部を見たら皮膚の痕跡らしいものがこびりついていました(殴)。

幸い火傷はそれほど酷くないようですが、けっこう完治までは時間がかかりそうです。


ここから後が、今回の話になります。

3cm×6cmぐらいの火傷で、皮膚がベロリとはがれてしまっているので、これまでの経験からかなり長引くだろうと覚悟していました。
ところが、8月13日から治療を開始して、まさに日にち薬、日ごとに良くなっていきました。そして2週間たたずに新しい皮膚が火傷部位全面を覆ってきました。まだ柔らかそうですがほぼ完治。あの楽しい女医さん(笑)から「これで終了ですね」と言われました。思ったより早く、しかもきれいに治ってラッキーでした。

これまでの私の知識では、やけどは出来るだけ傷口を乾燥させるのがいいと思い込んでいました。ジュクジュクと患部にしみだしてくる体液は出来るだけ早く乾燥させるのがいいと思っていました。
ただ、今回のように広くベロッと皮膚が剥がれてしまった場合は、傷口に当てたガーゼが体液などでくっついて、それを交換するたびにせっかく出来てきた新しい皮膚が一緒にはがれるという繰り返しになるので、相当時間がかかるだろうと思っていたわけです。
実際これまでの火傷では、新しい皮膚が傷を覆うまでかなり時間がかかっていました。付着したガーゼをはがすのも痛かったし。(^^;

でも今はそういう治療法は過去のものですね。今は患部を乾燥させるのではなく、できるだけ湿潤に保つ療法が主流だそうです。

Wikipediaの定義では、
「傷口の内部に消毒薬を入れることを避け、再生組織を殺さないように創部を湿潤状態に保ち、なおかつ感染症の誘因となる壊死組織や異物を十分除去(デブリードマン)し、皮膚常在菌による細菌叢を保持し有害な病原菌の侵入を阻害することで創部の再生を促すものである。」
となっています。
↑なにやら難しい表現ですが、具体的には簡単で、
1.患部は水道水で洗い流して清潔にする
2.皮膚の再生を妨げる消毒・殺菌薬は使わない
3.患部を樹脂フィルム等で覆って常に湿潤状態を保つ
ということです。

で、私の治療の場合は、いきなり上記2と反してしまいますが、まずは悪性の菌が付着しているかもしれないとのことで、先生が傷口を消毒。
次に何やら液体をかけて消毒薬ごと傷口を洗い流してから、「くっつかないガーゼを当てますからね」とプラスチックフィルム付きのガーゼに軟膏を塗って傷に当ててから、包帯をまいてくれました。ほんの少し刺激がありましたが、ガーゼが傷についたら嫌だなと思っていたので、先生の言葉にちょっと安心しました。

そして、家で薬を塗る際は、まず風呂で傷口にシャワーの湯を当ててきれいにしてくださいと指示されました。
「えっ、今の段階で直接シャワーを当てる?」とビビリましたが、「ソフトな水流なら大丈夫です。」とのこと。シャワーの水で表面の古い軟膏や表面の浸出液の塊みたいなものを流してから、新しい保湿ガーゼに軟膏を塗って固定してくださいとの指示でした。この治療で使用したガーゼの残りは「家で使ってください」といいながら滅菌バッグごと手渡してくれました。

そのガーゼ、これまで見たことがない特殊な製品みたいなので、薬局でもらえるよう処方箋に書いてほしいと頼みましたが、包帯やガーゼは保険の対象外といわれました。ただ、薬局で注文したら手に入りますよと教えてくれて、パンフレットもくれました。
早速帰りに病院近くの薬局で薬を受け取る際に注文しました。ラッキーなことにそのガーゼは薬の卸会社?に在庫があり、その日の午後には薬局に入荷した旨、自宅に電話連絡がありました。

これです↓。メロリンという商品名で各サイズがあるようですが、私は10cm×10cmのサイズを購入しました。10枚入りです。値段は忘れましたが、1箱700円ぐらいだったと思います。念のため2箱買いましたが、1箱余りました。(^^;)


で、最初のうちは化膿防止のために、この軟膏↓を処方されました。リンデロンVG軟膏といいます。


でも3度目の診察の時からこれに変わりました↓。プロスタンディン軟膏で褥瘡などの治療薬ですね。


自宅での治療は、入浴後、たっぷりプロスタンディン軟膏を塗ったメロリンを傷に当てて固定するだけ。簡単です。
ただ、今年の異常な酷暑で包帯の下にアセモが出来始めたので、早いうちに包帯の使用はやめ、ドラッグストアで購入したネットに切り替えました。これです↓。


一週間ぐらいでガーゼに付着した体液の滲出跡がほぼなくなってきて、きれいな薄皮が出来てきました。ガードするフィルムのおかげでガーゼは傷に全く付着せず、毎回きれいにはがれてくれます。これだけで感動モノ!
ただ、私が「ラップではだめですか?」と聞いたら、皮膚科の看護師さんと先生は即座に「ラップはダメです!」と否定しました。ある程度の通気性が必要なのでしょうね。

傷はサラミかイチジクの実の切断面みたいな赤い色(笑)ですが、表面はツルツルとしてきれいです。とはいえ、他人が見るとかなり気持ちが悪いと思うので、画像のアップは自粛します。(笑)

そして13日目の診察で、「もう大丈夫ですが、念のためもう一回来られますか?」と女医さんに聞かれました。楽しく明るい皮膚科の雰囲気にはかなり惹かれるものがありましたが、それで通院するのは本末転倒というものなので、「いえ、できればもうこれで」とお断りすることにしました。(笑)

診察を終えて先生は「治ったように見えてもまだ皮膚は薄いので、できたら市販の保護パッドなどを貼ってガードしてくださいね」と言ってくれましたが、どうもそんなひ弱な表皮に何かを貼るのは気が進まなくて、その後はむき出しのまま。(殴)
ただ傷はふくらはぎの下部でせいぜい掃除機のホースが当たるぐらいなので、用心深く注意すればなしでもOKでした。

結局、メロリンは1箱も使い切らず、軟膏も残りました。伸縮ネットのおかげでアセモもすぐに消えてなくなりました。そしてなぜか、受傷時から今まで火傷の痛みは一切なし。ただ消毒薬をかけられた時などはヒリヒリしたので神経は大丈夫です。

本当に一時はどうなることかと落ち込みましたが、この湿潤療法のおかげできわめて順調に治りました。

火傷の治療、進歩してますね。この治療法、擦過傷などでも有効とのことでした。

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花組公演『愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ-/Mr. Swing!』を観て

2013年09月02日 | 宝塚

もう初日から約2週間近くたってからの観劇です(以下、いつものとおり敬称略です)。

劇場までの道は途中少々渋滞があったものの基本的に順調に予定時間どおり到着。
しかし、劇場に向かう歩道が工事で通行不可能なので何かと見たら、以前チケット売り場だった建物が解体されて更地に。あとは何が出来るんでしょうか。

劇場内はまだ早いのに結構な賑わいでした。当日券を買い求める人の列も長かったです。これって人気があるのかないのか?(笑)

まず売店で例のタカラヅカフィナンシェをお土産も含め3個ゲット。切手を買ってから横で昼食用のサンドイッチと盛合せを買って劇場へ。

今月2回の観劇は、兵庫と大劇場ともに良席での観劇です♪。
この日のチケットはWeb会員で頑張って9列目を確保。上手側の右端ブロックですが、いい席でした。

今回の「アンドレア・シェニエ」(植田景子脚本、演出)はベースとしてイタリアオペラの「アンドレア・シェニェ」があり、ストーリーも最初と最後の回想シーンの挿入以外はほぼそれに忠実に作られています。
 
話としては、「ベルサイユのばら」の続編あるいは後日談というべきフランス革命にまつわる悲劇です。しかしベルばらと違ってよくできた脚本で、これを観たら改めてベルばらの化石化・陳腐さ・型芝居ぶりがよくわかりました。(笑)
歌劇団も早く老害の呪縛(殴)から脱して古くさい演目をリニューアルしないとファンから見放されてしまいますよ。

本題に戻りますが、今回の作品、ベースがあるとはいえよく宝塚化・ミュージカル化されていました。
人物の造形も細部まで丁寧で、キャスティングも現花組メンバーの持ち味がよく生かされるなど、出色の出来ばえ。
なんでも蘭寿とむが「大恋愛物をやりたい」とリクエストし続けていたのに植田センセイが応えてくれたとか。なので、今回の芝居、ほぼあてがきと言ってもいい出来でした
日程さえ合えばまた観たいと思ったほど。今年上演のオリジナル作品としては一番の出来ですね。

舞台の全体の印象としては、セリフは少ないものの群衆シーンでは下級生をよく使っていて迫力がありました。群衆場面の演出はキムシンがうまいですが、植田景子はもっと細やかな感じの演出でいい仕事でした。たまたま最近スカステで放送していた「ハプスブルクの宝剣」を観ましたが、この人は最近とみに安定した力を身につけてきていますね。

写真ではわかりにくいですが、白と黒の天使が描かれています↓


幕が上がると、フランス革命から25年後のパリの文学サロン。

望海風斗扮するパンジュ侯爵が、革命末期ジャコバン党の恐怖政治の犠牲となった詩人アンドレア・シェニエを回想するところから始まります。
ここからフランス革命直前のパリ郊外コワニー伯爵の邸宅での夜会の場面に変わります。今回の場面転換はどれもよく考えられていて洒落た感じでした。

舞台装置も斬新でした。
巨大な天使の羽根が舞台を覆うように現れたときはびっくり。その羽根に当てる照明の変化とか、表裏を場面ごとに使い分けることで変化をもたらしています。舞台装置のデザインを松井るみが担当したと知って納得でした。
 
ストーリーは観てのお楽しみということでこのくらいにして、主な出演者ごとの感想です。

まずはアンドレアの蘭寿とむ
彼女、容貌はますます痩せてきて少し痛々しいくらいですが、演技のほうは変わらずていねいで台詞も明瞭、歌も気になりません(殴)。
しかし舞台の進行とともに「復活」の主人公を思い出しました。実直で人格高潔、誠実を絵にかいたような役柄がそっくりです。「オーシャンズ11」のようないささか不似合いなチョイ悪役よりこういう役のほうがハマっています。
(以下、画像はすべてスカイステージ・「Now on Stage」から)


こういう信念に生きた詩人の詩はさぞやと思いましたが、歌詞やセリフに取り入れられていたものの劇中ではあまり紹介されていないのは物足りないところです。

マッダレーナ・ド・コワニーの蘭乃はな、まず気が付くのは歌。
ファントムではそれほどうまいと思わなかったのですが、「復活」とか「オーシャンズ」を観て歌ウマぶりを認識しました。今回は、のびのある歌にますます磨きがかかっていました。聞き心地のいい歌でした。

マッダレーナは、初めて出会った夜会ではアンドレアをからかったりして、ただのかわいいが無知な貴族の令嬢でしたが、革命勃発後の逃避生活のなかで、夜会でアンドレアに指摘された言葉を胸に秘めて生きていくうちに、たまたま目にした彼の作品を読んで次第にアンドレアを慕うようになっていきます。このあたりの苦難の生活ぶりとその下での人間としての成長ぶりをよく演じていました。


トップコンビのダンス、斬新な振り付けできれいです。


明日海りおのカルロ・ジェラールは、「スカピン」のショーヴランの延長のような役で、初めは春風弥里のジュール・モランとカブる厳しい反革命の摘発者役ですが、後半では主人公の人柄に共感して行く変化が観どころでした。



花組に来て最初の大劇場の舞台ですが、すっかり組になじんで安定した2番手ぶりでした。

ジェラールの同志である春風弥里のジュール・モランは厳格なジャコバン党員です。貧しい環境で育った彼は、反革命の摘発にひたすら没頭して片っ端からギロチンにかけています。こちらは最後まで冷酷な人物です。


望海風斗は回想シーンでの老後と劇中のリアルタイムのパンジュ侯爵を演じて安定した演技力を披露していました。この人の歌や演技は、オーシャンズを観てから強く印象づけられましたね。貫録さえ感じられました。


アンドレアの弟マリー=ジョゼフ・シェニエは華形ひかる
彼の役は、おなじ詩人でも理想主義の兄とは好対照の、世間的な利害を優先する計算高い俗物です。でもすべてが欲得ずくかというとそうではなく、心の底では金銭に無頓着にあくまで芸術至上主義を貫く兄に対する敬意があり、それゆえに最後では兄を助け出そうと奔走します。この辺の屈折した人物をよく演じていました。

はじめは何というイヤなやつだと思いましたが。

後、全体の印象として印象的だったのは(男トップは別にして^^;)花組メンバーの歌のうまいこと。みんな演技力もあって、本当に若手からベテランまで層が厚いです。
とくに教会の腐敗を告発する歌を歌ったユディットの朝月希和と、最終の場面でマッダレーナと替わるレグリエ嬢役の乙羽映見が大抜擢されただけあって大した歌唱力でした。

よくできた脚本で、下級生まで役が多かったのですが、欲を言えば上で言ったようにセリフが少ないのが残念なところ。
それと、白い天使黒い天使が善と悪を表現していますが、これは疑問でした。
あまりにも「エリザベート」や「ロミジュリ」と似すぎなので、せっかくのオリジナル作品なのにデジャブ感が強すぎ。両天使の役割もそれほどはっきりしていないので、敢えて入れるまでもないのにと思いました。

ショーのほうは歌場面が多く見応えがある作品でした。

Mr. Swingというだけあって男役が強く押し出された構成でした。最初の黒いスーツ軍団を率いる赤スーツの蘭とむが迫力のあるダンスで出だしから盛り上げます。最後もお約束の黒燕尾軍団で締めて、このショーは男役パワー全開。




フィナーレ↓


プロローグのトロピカルムードから船上ショー(短くて残念)や野球の場面、蘭とむと男役瀬戸かずや(3人の役替わり)の妖しいデュエットダンスの場面などがあったりと、いいショーになっていました。望海風斗の「マスカレード」もしっとり聞かせてくれます。
もっと見たかったセーラーの場面↓


全体的にショーのセットは、芝居の巨大な羽根に予算がとられたのか(笑)やや物足りなく感じましたが、場面ごとのセンスのある色彩の衣装となじみのある選曲で楽しめました。
何より、つまらないショーだとすぐ寝る私が一睡もしなかったのですから、間違いなくいいショーでした。(殴)

あとホッコリ気分になったのは、退団する春風弥里のために出番と歌詞の内容に暖かい配慮が見られたこと。
こういう気配りがタカラヅカらしくてうれしかったですね。




押されがちな娘役を代表して蘭はなも頑張って美声を聞かせてくれました。


そしてこの人が最後をしめくくり


花組は決してひいきな組ではなかったのですが、最近観た公演はみんな予想以上の出来でした。
今回の公演も、日程さえ許せばもう一度観たいと思ういい作品でした。

未見の方はぜひご覧ください。おすすめです。




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