グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

植物の根っこをのびのびと伸ばすために。

2014-07-30 14:48:31 | Weblog
植物の根っこをのびのびと伸ばすために。


長年にわたってのハウス栽培を続けてきた結果、ハウスの土の状態が

 ● 水はけが悪くなった
 ● 土が固い
 ● PH値が高い
 ● 土壌検査してみるとカリやナトリウム・塩素が多い
 

というケースは、けっこう多くあるものです。そのような場合の改善策の
一例をご紹介してみました。よろしかったらご参考に。

 ↓

土の物理性や生物性、そして化学性に問題がある圃場の土壌の改良に
は、まずは 家畜ふんが原料のたい肥の使用を控え、ヨシやカヤ、ススキ
などのケイサン分に富んだ植物を材料としたたい肥による土の改良を数年
にわたって続けていくというのが、なによりの対策です。

しかし、問題があります。

それは、こういった植物を材料としたたい肥が、最近では手にいれること
が難しくなっていることです。

そこで、そのような圃場の改良方法として、植物質のたい肥の代用として
ピートモスと腐植酸を使った土壌改良 をお薦めする場合があるんですよ。


  ピートモスをつかった土づくり.jpg


以下の写真は、そのような土壌改良作業の実際例となります。ちなみにこ
ちらのハウスでは肥料濃度が高かったためにイナワラも併用することにい
たしました。

作業はつぎのようになります〔写真の左列は作業工程、右列は各作業工程
時の土の状態です
〕。

 ワラを土の上にばらまき
 ↓
 そのうえにピートモスを散布
 ↓
 家畜ふんたい肥ではなく、腐植酸を散布

 わら・ピート・腐植酸.jpg


その後、このようにトラクターをつかって土中に鋤きこんでいきます。


 トラクター 耕す 完成.jpg


いじょう、塩素やナトリウムやカリが過多になっているために水はけが悪
くなり、そのために病害も多くなってしまったハウス土壌の改良の一例で
した。

このようなハウス栽培の土づくりは、通常夏場の炎天下の時期におこなわ
れます。そんなきびしい条件のなかで〔重い〕家畜ふんが原料のたい肥を、
圃場全体に均一に撒くのは大変な重労働になること も多いものです。

しかし、今回ご紹介した土づくりにおけるピートモスは、散布するのは
けっこう簡単・・・こういった施用にかかる労力も少なく、時間がかからない
点からいっても魅力的な土づくりといえそうですね。

ちなみにピートモスの施用量ですが、3ほろで10アールの圃場であれば
・・・そうですね、圧縮240リットルのピートモスであれば、基準量として
ひとつのほろに5袋くらい・全体で15袋 を使えば けっこうフワフワ感が
でてきますよ。


ののののののののの対策.jpg


心当りのある土壌条件のハウスをお持ちのみなさま、まずはそんなハウス
の、最も水はけがわるい部分だけでも試されててみるのはいかがですか。



◎ 土の状態を知るためにも、土の採取場所や深さをきちんと記録した
  正確な土壌診断は必要ですね。


  51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「本当は危ない有機野菜




状態をみて、入れるものを変えるのが農業。

2014-07-30 07:07:32 | Weblog
状態をみて、入れるものを変えるのが農業。K

たとえば施設園芸作などでは、7月8月のこの夏の季節は収穫が終わっ
て・次作までの準備の段階。経営者にとって、この時期に気をつけねば
ならないのは、『まずは土づくり』というスローガンのもとにおこなわ
れることの多い無茶な土づくりをやってしまうことです。
ということで、今回はこの時期の土づくりの考え方の回の再録です。ご
参考までによろしかったら。

 ↓

前回・前々回などでみてきたように、土の状態や作物の生育の情況を
認識せずに、土の改良資材や肥料をただ入れさえすれば良い・または
やみくもにいれない というやり方は、非効率です。

これでは、農業経営がうまくいかない。そこで土の検査をしたり、植物
の生育状態を見たうえで・・・

 ミネラル分の少ない土には
 過剰にならないように、適量のミネラル分を入れる。


ことが大事になるわけです。同じように 

 隙間が詰まって硬い土には、軟らかい資材をいれる。
 水を加えるとドロドロになってしまう土には、
 粒子の大きいものをいれる。
 すぐに乾燥してしまう土には、粒子の細かいものをいれる。

 酸性が強すぎる土には、アルカリの資材をいれる。
 アルカリが強すぎるの土には、酸性の資材をいれる。

 痩せすぎた土地には、肥える資材をいれる。
 肥えすぎた土地には、痩せる資材をいれる。


そして

 病気が多い圃場では ウイルスや病原菌の少ない資材を入れる

といった、それぞれの状況に応じた対処法をとると、作物の生育が
よくなります
〔必然的に経営状態もよくなりますよ〕。

そうなんです、このように土や作物の育つ状態をみて、田畑に入れ
るものを変える工夫
・・・それこそが 農法であり農業ではないのかと
おもうのです。


◎ 農業経営の面からいえば、農産物の生産状況を勘案しながら
  投下する労力や財力を変化させいく
というのもまたアリです
  よね〔作物/商品が売れに売れるといった場合には、とくに〕。

  51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「本当は危ない有機野菜