グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

ミネラルをやっても効かない時は。

2016-12-16 00:38:38 | Weblog
ミネラルをやっても効かない時は。K

ひつづきミネラルのはなしです。微量要素欠乏がでやすい今の時期の
参考としていただければ幸いです。

 ↓

「作物の栽培中に マグネシウム欠乏や石灰欠乏、ホウ素欠乏がおこ
 ったので、それらのミネラルを補給してみたのだが事態が改善しな
 かった。そこで翌年の作付けでは、ミネラル欠乏の起こる前にあら
 かじめ予防的にミネラルを補給してみた。しかし、それでもミネラ
 ル欠乏がおこってしまった」

などという、ご相談をうけることがあります。

こういった場合に考えられるのは、このシリーズですでにご紹介した
ミネラルの間の派閥争いのためと考えられます。そしてそれに加えて
もうひとつ。

 土のPHの影響

があげられます。じつはいくつかのミネラルは土のPHが中性である
7以上になると不溶化[水に溶けにくくなる]してしまうことで、結
果的に作物にされにくくなることがわかっています。そういう状況で
あれば当然のことながら

 予防的に使用しても作物に吸収されにくいために欠乏症状を示す

という状態になってしまうこともある。ちなみに下の図は、そのよう
な土のPHの影響下におけるミネラルの溶け具合をしめしたものとな
ります。

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ミネラルとPH

とはいっても、なかなかわかりにくい図だと思われますので簡単に
いえば

 ● 作物に必要なミネラルの多くは PH6.5で よく効く
 ● 土がPH7.0以上で、不溶化してくるミネラルが増える

といったかんじでしょうか。

実際のところ、ハウスの土の検査をいろいろな場所やいろいろな時
期に こなしてみれば、個人的には

 ● ミネラル不足は土がPH7.0以上の状態でおこりやすい
 ● むしろ成績の良いのは、PH5.5からPH6.5くらい
 ● 作物が小さいうちは、土のPHは、5.5くらいがよい

という見方・とらえ方を しております。

ということで今回は、ミネラル欠乏がおこる原因には[ミネラルの
あいだの派閥争い
だけではなく]作物の植えられている土のPHも
影響しているものだという、おはなしでした。

といことで次回は、その対策を。


◎ヒトの手にもやさしいのは微酸性・・・みたいな、そんな
  せっけん類のCMがあります。
  今回のはなしも、そんなかんじでかんがえるのもよきかもし
  れませんね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜