グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

0157による食中毒の発生を減らすには。

2017-08-23 17:12:40 | Weblog
0157による食中毒の発生を減らすには。H

前回にひきつづいて2008年分の再掲載です。

 ↓

 ■ 0157は動物が保菌している確率が高い

ということ、そして 

 ■ まずはじめには糞便にあり

という事実を、〔農家も含めた〕日本国民が しっかりと認識する
ことです。

これにつきるとおもいます。 

そうすれば、困難を極める二次感染の感染ルートの解明を実施する
こともなく、さらには進行していく0157の二次感染をも防ぐこ
とが より容易になります。

たとえば農業の場面においては、牛⇔ふん⇔牛 のサイクルの中に、
0157の生物としての生活圏がある
ことを知る必要がある。
研究が進んでいる欧米で推定されている0-157の感染ルートは
つぎのように。

  1. 牧草地・畜舎 →  → 河川

  2. 牧草地・畜舎 →  → 池・湖沼

  3. 牧草地・畜舎 → 浸透 → 地下

と、このように考えられていますよ。

したがって、O157に代表される腸管出血性大腸菌が生息場所と
している牧草地・畜舎からの汚水の流失を止め、汚水が浸透しない
ように、畜ふん置き場や畜舎の床をコンクリートで固めます。
さらに、定期的に酢酸などでこれらの施設を消毒すれば、0157
の増殖をかなりの確率で食い止めることになるでしょう。

疫病対策は、予防からです。

そしてもちろん、家畜ふんを多様する農業についても、注意が
必要
です。生ふん尿や未熟なきゅう肥を多使用する〔繁殖を助
長します〕のではなく、散布する場所の選定や使用する種類
と量に留意し、そして充分に発酵させた有機を使用すべき
である
ことは、いうまでもありません。


晴れ 0157に汚染された牛肉の、米国での回収例は こちら  。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜




O157による食中毒について。

2017-08-23 12:16:00 | Weblog
発生中のO157による食中毒について。Hすみ

『清潔にしすぎたことが、O157の発生を助長している』 とか
『O157は生命力は弱い。が、腸の中に敵となる菌がいないと暴
 れだす』などといった記述をときどきみかけますが・・・とくに
幼い子どもさんや高齢者がおられるご家庭では、こういった間違っ
た風説に惑わされないように注意いたしましょう。
ということで、以下は、2006年のブログですが、今回のO157
による食中毒発生に関連として三本ほど再掲載してみます。
よろしかったら、ご参考に。



0157による食中毒について

食中毒の集団発生はさまざまな要因が複雑に絡みあって起きるもの
です。そのため、発生後から状況を再現することは、非常に難しい。
なかでも特に大変なのが O157に代表される腸管出血性大腸菌
が原因する場合なのです。

それはこの菌に、

 ■ 感染してから発症までの潜伏期間が4~9日間と長い
 ■ 調理用具や水などを介した二次感染の危険性を常に伴う


といった特徴があるからです。

長い潜伏期間のもとで汚染食品が流通し、その間にも強い感染力
 により、つぎつぎと二次感染による被害を拡大していく
』・・・
これがO157による食中毒事故の恐ろしさです。これでは、感染
源の特定がなかなかすすまないのもうなづける話ですね。

そのO157の強い感染力について説明しましょう。

たとえば サルモネラ菌などは100万個以上が体内に入らないと
感染しないとされています。0157では、わずか100個足らず
で感染
するとされています。
この感染力の強さであれば、食品にごくわずかについている場合で
も感染してしまいますし、タオルの共用や入浴やプールなどでも感
染の危険がつきまとうという話にもおもわず納得してしまいます。

この強力な感染力のために、過去のO157発生時には多種多様な
感染源が指摘されてきた経緯があります。

有名となっ たカイワレ大根はもとより、仕出し弁当・輸入アメリカ
産牛肉・メロン・そば・イクラに製麺所のうどん・和菓子・生レバ
ー・牛ホルモンなどなど。なかには、おかかサラダやかぼちゃサラ
ダの例、なんてこともありました。
この広範囲にわたる感染源というものこそが、潜伏期間の長さと強
い感染力を持つというO157の特徴を端的にあらわした実例だと
いえるでしょう。 

この原因究明された感染源の多さをみて、『これはとても防ぎきれ
ない
』・・との感想をもたれた方も多いとおもいます。が、実際に
は、O157が原因の食中毒ってそうそう起こるものではない。

その理由は上記のいろいろな感染源が、じつは二次感染による感染
源であることにほかなりません。そもそもの感染源は、別にある。

そう・・・O157のいる場所は、はじめからわかっているからです。

O157は、「家畜や動物のふん尿を介して生殖・増殖する微生物」
なのです。実際のところ、O157は、牛のふん便中の2-3割に
おいて普通に検出されるという事実もあります。

動物には害がなく人間に害をおよぼすというO157という大腸
菌のもつ性質が、問題となって発生する食中毒というわけですね。

したがって、上記の多岐にわたる感染源としてあげられた食品は 
あくまで「従犯」。「主犯」である動物のふん便中のO157を
おさえこむことで、O157は予防できる
ことになります。

以上、再掲載でした。


晴れ そのような内容の、 農水省のページ や、こんな新聞記事 
  いいなと思いました。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜