グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

生き物にもやさしい『溝切り』。

2018-06-01 15:22:04 | Weblog
生き物にもやさしい『溝切り』。G

昨年一昨年よりも少し遅れ気味で例年並みの生育をしている早期水稲。
中干し期間の終わり/穂肥施肥前 いうことで、定番の回の再掲載です。

 ↓


タズリさまにて草をとられ、土中のメタンガスや硫化ガスをだされた田
は大きく育ってきます。そして充分に育ったところで 「中干し 」で、
イネに気合を入れたその後の管理です。

そんな田んぼに関する作業で、最後の仕上げの作業があります。
それが 「溝切り」 です。

これは 田の中に

 5~10m間隔に深さ約10~15センチ・幅約20センチの

を掘ること 、なんですよ。


ののののの 溝切り溝.jpg 


タズリさまと同じで、いまはエンジン付きがありとても楽。 そうです
ね、今年もやってみたのですが、田の中の周囲と、田の中に3本の溝を
掘って、10アール当たりで、だいたい30分というところ。

なあにやってみれば 早いものです。

 機械は こんなかんじ  です。
 最近は トンネルを掘る ようなものもあるんです。

そんな溝を、田の中に掘ることで、なにが変わるのだろう・・・なんて
おもいますでしょう?けれど、これがもうまったく・たいしたものなん
です。

中干しで水を抜きたいときには、この溝を使ってササッと排水できます
し、逆に田が乾いて水を入れたいときは、この溝を伝ってスムーズに水
がはいる。

 それはもう感激もの。すばらしい技術なんです。

そしてこの技術には、もうひとつ、とても感心するところがあるんです。

 なんだとおもわれます?

それは、田の水が干されるときに威力を発揮します。
水の出し入れのために掘ったはずの、その溝が、メダカやオタマジャク
シなどなどの田に生きる水棲生物のための〔用水路への〕避難路に
なる


ののののののののの 溝切り・全体.jpg


ことなんです。

昔から伝えられた農法は、生き物に対するやさしさを持っている』と、
かんじる瞬間ですね。


晴れ 『水の管理は、稲つくりの半分を占めるほど大切な作業
  である
』という、 みずみはんさく のお話は こちら 。
  

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染