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農業の現場の おはなしなどなど。

『インド農民の危機・2007年4月11日分』

2018-08-29 17:59:21 | Weblog
『インド農民の危機・2007年4月11日分』
2018年現在において、正直なところ 日本では​遺伝子組換えワタの話題
などで、しょうじき状況がよくわからないといった状態になってしまって
いるインドの農業と農民。そんなインド農業に関する当ブログの2007年
4月分の再掲載ですが、参考までによろしかったら。

 ↓

『インド農民の危機・2007年4月11日分』

富士通は2000人・日立は540人・NECは400人を採用予定・・・
こうきくと、「さすがに団塊の世代の退職はもうまぢか、企業も人材確保
に懸命なんだな」とおもいます。

ただ問題は採用される場所。いったいどこのはなしだとおもわれますか。

じつはこれインドのシリコンバレーと言われるインド南部バンガロールで
のお話。2032年には米国・中国についで世界第三位の経済大国になる
と予想する米国証券会社もあるインドですから、なるほど日本のIT企業
にとって技術者の確保も含めたインド進出は一石二鳥のおいしい話である
なのでしょうね。

さて、そんなインドに関する上記の経済に関するニュースはご存知の方も
多いとおもわれますが、そんな成長するインド国内の別のニュースで

ジェノサイド」といわれている事態も同時進行でおこっている現実

をご存知の方はおられるでしょうか。ジェノサイド・・・それは大量殺戮
と訳される事態だといいますから穏やかではない。

このインドのジェノサイドに関する2006年9月ニューヨークタイムズ
の記事では、2003年の犠牲となった被害者は1万7107人。 
また別の統計でインド・科学技術エコロジー財団のヴァンダナ・シヴァ女
史の調査によると1997年以来の犠牲者は4万を越えるものと予測され
ているといいますからただごとではありません〔さらに10万人との説も
あるとのこと〕。

そしてこのニュースの最大の問題は、このジェノサイドの犠牲者が農民で
あるということ。これは農業経営で生じた借金がもとになって自ら生命を
絶つしかなかった農民の自殺による死者数だといわれているのです・・・。

当地でこのジェノサイドの起こった原因とされているのは、1996年以
降の経済政策の転換。工業立国をめざそうというインド政府の経済政策の
もとで、インド農業を大規模な工業的企業農業に変えようとする試みに
インドの小農民が犠牲になったものといわれています。

農業政策的にいえば ・・・国内の農業補助金を政府がカットした結果、
インドの小農民のつくる生産物が国際価格に太刀打ちできなかったがゆえ
の悲劇・・・だといえるでしょう。
さらに加えて政府の施策として、場所によっては 農地をつぶしてその土
地を工業開発計画特別経済地区/SEZに変えるという強引とも思えるニ
ュースもつたわってきています。

農民らによる反対運動にもかかわらず、安い価格で強引に農地を接取して
いるというSEZ関連の最新ニュースはつぎのとおり。

 SEZ開発をめぐり武力衝突 2007年3月19日
 西ベンガル州のナンディグラムで3月14日、特別経済区(SEZ)開発
 をめぐって農民と警官隊の間で武力衝突が起き、12人の死者が出た。
 SEZ反対派は抗議のゼネストにはいった。今後、政府のSEZ開発計画に
 さらに遅れが出るほか、外資進出への影響も懸念される。

 SEZ用地買収が最大の障害に 2007年3月26日
 特別経済区(SEZ)政策が大きな課題に直面している。すでに数百もの
 SEZ開発プロジェクトが認可を受けているにもかかわらず、州レベルで
 の用地確保が進まず、多くの案件が暗礁に乗り上げている。政府は1月
 以降、新規案件に対する認可付与を一時的に停止している。

というものです。

そしてこれからです。「特別経済区政策の推進が、州・地域レベルでの
インフラ開発や、農村地域からの雇用拡大に重要な役割を果たしていく
に違いない」とするインド政府。対して「農地のSEZ転用は許されない」
としあくまで土地摂取に反対していくというインド農民の今後に注目が
集まっています。


晴れ ジェノサイドのおこった事態を重く見たシン首相は、農家の
  自殺が相次ぐ地帯を訪問〔昨年9月〕し、利子滞納分の減免
  や返済猶予など、日本円で100億円近い緊急救済策を発表
  したというニュースもあったのですけれど、ね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜