グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

大型機械を使った農業は、日本農業の主流にはなりえない。

2011-10-20 16:19:06 | Weblog
大型機械を使った農業は、日本農業の主流にはなりえない。み
ずらっと並んだ大型コンバインが見渡す限りの黄金色に染まった小麦、
あるいは見渡す限りの熟れた大豆を収穫する風景
を、テレビなどでご
覧になったことはありませんか。農業問題を取り扱った番組で流され
ることの多いお馴染みの光景ともいえます。

この映像イメージは、主として米国の平原地帯での農業の姿です。い
わゆる大平原での、大型機械を使った単一作物を栽培する農業におけ
る収穫風景ですね。
そしてこの画面で想像されるこういった農業のイメージが、いまや多
くの日本人の頭の中で想像される理想の農業にあたるのでは
ないでし
ょうか〔これは、米国の平原地帯の農業しか流さないNHKさんによる
ある意味マインドコントロールだと思いますよ。平原地帯以外のほか
の米国の農業地帯も流さなくっちゃ
〕。

しかし実際のところは、こういった農業を、そのまま日本にあては
めるわけにはまいりません。なんといっても地形の問題があるからです。

日本は、その国土に占める平野の面積といえばわずかに約25%、残
りの70%近くが山間部という地形
です。そう、日本は島国であると
同時に、なんといっても山国
であるために農地面積が少ないとい特徴
があるのです。ただでさえ少ない平野では、人口増加や都市化にとも
なう開発が行われ、結果として、日本の国土のうちの農地面積は国土
面積38万平方キロメートルのうちのわずか13・5%にしかなりません。
米国の39・4%やオーストラリアの59・3%とは、比べるべくもなさそ
うです。

では広大すぎる米国やオーストラリアではなく、山国であるスイスや、
スイスほどではないにしても山がありそうなドイツやフランスを含む
EUと比較
ではどうでしょう。

EU全体の農地面積の割合は、日本と同じく30%程度ではないかと
思ってしまいそうになりますが、じつはEU全体の国土面積に占める
耕地の割合は65・5%
もあります。
では同じ島国である英国はどうでしょう。しかしです。英国にいたっ
ては、国土面積に占める耕地の割合は69・6%もある。こちらも日本
よりもはるかに広いのです。
具体的に耕地面積を比較してみると、ドイツは日本の3・6倍の17
01万ヘクタール、フランスは6・3倍の2943万ヘクタール、前
述の島国にであるはずのイギリスでは、3・6倍の1696万へクタ
ールにもなります。

・・・・。

ここまで各国と比較して日本の農業のおかれている地形の特殊事情を
ご説明しました。
そのうえで思うのですが・・・このような地形の日本では、大型機械
農業を柱とした〔一般的に強い農業だと考えられている〕農業政策を主流
として推し進めるのは現実的に無理がある
・・・と、そう思われてならないの
です。 前回分は こちら 。


▼ 明治期のお雇い外国人技術者の多くが日本の河川を見て、『これは滝だっ
  いった話は、有名ですよね。

夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染