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グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

鳥インフルも、こんなかんじで広がったり。

2013-04-18 19:11:22 | Weblog
鳥インフルも、こんなかんじで広がったり。

鳥インフルエンザや口蹄疫などに代表される家畜伝染病の感染拡大につい
ての資料となります。よろしかったら、ご参考に。

 ↓

たとえば日本では、2010年の3月頃に発生し7月4日に終息が確認さ
れ宮崎県で発生した牛、豚、水牛の口蹄疫〔28万8643頭が犠牲にな
った〕の流行がありますが・・・
この口蹄疫のまん延に関しての農水省口蹄疫疫学調査チームの報告として
次のような見解が発表されいます。

『口蹄疫に感染した牛やブタは呼気中やふん尿中に大量のウイルスを排出
するため、周辺環境がウイルスで汚染される。川南町を中心とする多発生
地域では、多くの発生農場で感染動物を殺処分するまでに長い時間を要し
たことや、牛の百倍~二千倍程度のウイルスを排出する豚にまで感染が拡
大したことで、発生農場の周辺までが大量のウイルスによって汚染されて
いたと考えられる。
また、一部の発生農場においては、近隣に設けられたたい肥置き場への別
の発生農場からのふん尿が搬入されていたことが確認されており、ウイル
スに汚染されたふん尿を介して伝播した可能性がある。
これらのウイルスが飛沫核として飛散し、また共通の道路の使用、野鳥や
昆虫などの小動物などによる機械的伝播など不特定の経路を介して周辺農
場に広がった可能性がある。』

いっぽう、2010年11月に発生し翌年の4月3日に終息が確認された
韓国における口蹄疫〔被害家畜数約348万頭〕では、そのまん延の原因
として、中央日報が発生中の2011年1月につぎのような見解を報じて
います。

『隣接する台湾と中国、モンゴル、ロシアなどでも昨年に口蹄疫が発生し
ているが、韓国ほど激しくはなかった。日本も昨年4月に宮崎県で口蹄疫
が確認されたが、他の地域には拡散しなかった。それならば韓国だけ“統
制不能”が懸念されるほど口蹄疫が広がった理由は何だろうか。
専門家らは全国的に移動する糞尿回収車と飼料供給車を挙げる。これらの
車両が全国を回りながらウイルスを伝播しているということだ。実際、安
東で初めて発生してから10日以上慶尚北道外に出なかった口蹄疫は12
月中旬から京畿道(キョンギド)北部を中心に急速に広まった理由は糞尿
回収車のせいだというのが国立獣医科学検疫院の暫定疫学調査の結果だ。
検疫院のキム・ビョンハン疫学調査課長は、「安東で口蹄疫は初めて発生
したこと、ある糞尿処理装備開発会社が安東の養豚団地の糞尿2トンを京
畿道坡州(パジュ)に持ち込み糞尿乾燥試験を行ったことが確認された。
この会社の近くの農家で口蹄疫が発生した」と明らかにした。その後、坡
州、漣川(ヨンチョン)、抱川(ポチョン)、江華(カンファ)など養豚
農家密集地域で相次ぎ口蹄疫が拡散した。建国大学獣医学科のイ・ジュン
ボク教授も、「口蹄疫が韓半島で広まったのは、畜産農家が全国に広がっ
ている上、媒介となる糞尿処理車や飼料供給車などが隅々まで走り回って
いるため」と指摘している。』

・・・ということになっています。

この2つの考察から、家畜伝染病の感染がひろがる大きな原因として、感
染した家畜から排泄されるふん尿の管理不足があるようにかんがえられる
のです。

そして、いま中国で感染が広がっているH7N9型の鳥インフルエンザに
関しても、4月14日につぎのようなニュースが配信されていますよ。

『インフルエンザ(H7N9型)ウイルスの感染者が増えていることを受
け、中国家禽業協会の常務理事兼副秘書長を務める李朝国研究員は、洗浄、
消毒がされていない状態で市場に出回る「汚い卵」は調理の前によく洗う
よう呼びかけた。
「汚い卵」の表面には鳥インフルエンザウイルスやサルモネラ菌、大腸菌
などの病気の温床になる鶏の糞や羽、飼料などが付着している可能性があ
る。低温または常温の状況で、こうした病原は卵に付着した汚物の中で長
く生存できるという。
海外では「汚い卵」の市場管理が早くから始まっている。1970年12
月29日に米議会はこうした卵の流通を禁止する「卵製品検査法」を採択
した。日本、カナダ、オーストラリアなどの先進国ではほとんどが洗浄・
消毒を経た「きれいな卵」だ。
李氏は、洗浄、消毒が行われない卵を買ったら、まずきれいに洗って乾燥
させてから、食料の相互汚染を避けるため、袋に入れて冷蔵庫で保管する
必要があると話した。冷凍室は殻が割れたり卵黄が硬くなったりするので
避ける。生のまま、または半熟では食べず、よく加熱する必要がある。さ
らに、洗浄すると品質保持期間が短くなるため、1週間ほどで食べきるこ
とが好ましいと説明した。
李氏は「卵を割る際に鍋や碗にあてると、不衛生な部分が食べ物に混ざる
可能性があるため、卵は必ず洗ってから調理する必要がある」と強調した』

というものです。

ということで今回は次回の資料として、鳥インフルエンザや口蹄疫などの
家畜伝染病の感染がひろがる原因についての考察をお伝えしてみました。


◎ 上記の中国の卵のはなし。これは、家畜の排せつ物を利用した
  農法や、その農法で生産される農産物に置き換えることも可能
  ・・・と思うんですよね。
 
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜




マダニ被害は、とくに春先に注意が必要なのかも。

2013-04-17 16:43:53 | Weblog
マダニ被害は、とくに春先に注意が必要なのかも。


顔面神経症と関連した「マダニには注意したほうがいいな、と思った日。」
をアップしたあと、8日の鹿児島県につづいて 昨日16日には山口県で
2例目となるマダニが原因の重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイ
ルスによる死亡事故が発表されました。 ニュースは こちら 。

越冬していた個体による被害と思われますが・・・マダニはとにかく
空腹でしょうから、冬眠明けの季節には とくに活発に動くのかもし
れません。

農作業なども本格的にはじめられる時期ですから、マダニがいるとさ
れている地方では、対策のしっかりとした服装で行動するのが無難だ
ろうと考えられます。


◎ 治療の甲斐もなく亡くなられた被害者さまには、謹んで
  お悔やみ申しあげます。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」 「里地里山複合大汚染



中国の鳥インフルの怖いところは。

2013-04-16 16:15:46 | Weblog
中国の鳥インフルの怖いところは。

今回、中国で発生し、ヒトに感染することで問題となっているH7N9型
鳥インフルエンザウイルスですが・・・

  ヒトが感染すると死亡することがある
  家禽が感染しても、ほぼ無症状

という点が怖いですね。

これまでのトリにとって激しい症状を示す強毒型のH5N1型なら、トリ
が死亡することで〔すぐにトリの感染の有無がわかって〕、ヒトが予防措
置をとることができた。
しかし、今回のH7N9型では、肝心のトリが感染しているのかどうか、
その判断がつきにくい
。そのために予防措置がまにあわない場面が増
えるということになにがちですものね。

そして気になる今後の展開ですが・・・

鶏やアヒルなどの生きた鳥を扱う市場関係者とその家族などのあいだでの
感染者だけではなく、市場関係者以外の感染者が見つかりはじめたときが
次のステップへの要注意段階のはじまりだといえるでしょう。


◎ それにしても、今回の“健康保菌トリ”です。まるで “チフスのメリー
  のようですね。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜




怖いのは、メアリー・マローン〔健康保菌者〕型の感染症。

2013-04-15 17:11:02 | Weblog
怖いのは、メアリー・マローン〔健康保菌者〕型の感染症。

重症ともなると、“38℃以上の発熱と1日に10回以上の水様性の
下痢や血便を伴う腹痛
”などをおこさせる食中毒にサルモネラ感染症
があります。この細菌の引き起こす症状を聞いただけでも、サルモネ
ラ感染症にかかると大変だと誰しも思うにちがいありません。

が、しかし、です。

このサルモネラ感染症・・・興味深いことに、まれに“感染しても発
症しない”タイプのヒト
がいるのです。これをサルモネラの健康保菌
者といいます。この健康保菌者は、サルモネラを持っていても元気で
あるために、見た目では分かりません。症状がでないので、本人の自
覚もない。

この自覚がないのが、怖いのです。

なんといっても〔サルモネラ感染症にかかっているために自覚がな
いままに自らの周囲に持続的にサルモネラ菌をばらまいていく
ことに
なるわけですから。

そんなサルモネラの一種であるチフス菌の健康保菌者の代表的な人物
として、20世紀初頭の米国のメアリー・マローンという女性が挙げ
られます。このメアリーさん、〔よりによってというか・・・〕食品
関係の職場を転々とした挙句、多数の感染者を出して大きな問題とな
ったといわれていますよ。詳しくは こちら 。

というわけで今回は次回関連の資料編として、感染を防ぐものにとっ
てはとても厄介な“感染症の健康保菌者”の例をとりあげてみました。


◎ ちなみに鶏が感染すると極めて高い致死率を示すのが H5N1型 
  の鳥インフルエンザウイルスですが・・・このH5N1型のウイルスに
  感染しても、アヒルは発病しないことが、わかっています。
  いうならばアヒルは、H5N1型に対してのメアリー・マローン的な
  健康保菌トリ
であるといえるでしょうね。 こちら 。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜








葉野菜の芽立ちがおもわしくなかったら、ひょっとして。

2013-04-12 05:13:32 | Weblog
葉野菜の芽立ちがおもわしくなかったら、ひょっとして。

植え付けの春。

芽だったころのホウレンソウの葉が、縮れたり、こぶ状の小突起ができ
たり
といった症状になり、ひどいときには芯どまりになって成長しない
・・そんな経験はありませんか。

じつはこれ、新芽部に寄生する体長約0.6mm前後の小さな虫、ホウレン
ソウケナガコナダニ
の仕業であることが多いんですよ。 こちら 。

この虫がホウレンソウの芯の部分に寄生し食害することにより、商品価
値を低下させ、特に春作と秋作では収量低下の大きな原因となります。
またこの虫が土壌中にもっとたくさんいるときは発芽することさえまま
ならない場合もある
ということなので、注意が必要です。

問題になりはじめたのは2005年以降。

2008年には、2度にわたって日本農業新聞が、このホウレンソウケ
ナガコナダニの被害が全国に広がっていることをトップ記事で報じて
話題になりました。記事の内容はつぎのようになります。

2008年6月13日分トップ記事。↓

ホウレンソウを食害するホウレンソウケナガコナダニによる被害が、全
 国39都道府県に広がっていることが12日、本紙の調査で分かった。
 環境保全型農業の拡大とともに、同ダニの餌になる未熟堆肥(たいひ)
 や有機質肥料の利用が進んだことが要因。関係者は「国を挙げて試験
 研究に取り組んでもらいたい」と訴える。


と、いうことでした。

・・・これは環境保全型農業、いわゆる有機栽培における〔生の有機物
使用の〕弊害が出た顕著な例のひとつなんです。

本来土壌中に生息する有機物分解者であったはずのホウレンソウケナガ
コダニが、環境の変化によって害虫とされてしまった。

 ホラーですね。

そして、どれだけたくさんの未熟有機物が全国の耕地で施用されているの
かと、心配
させられる話でもあります〔土壌に保持できなくなった分は
水に乗って環境中に放出されるわけですからヒトにとってもホラーです
〕。

ということですから・・

田畑への有機物の施用に関する、質と量そして回数の規制がない現状とし
ては、「ホウレンソウケナガコダニの被害がでるほ場では、未熟有機物の
使用を控えてもらえませんか
」と、いまのところは農業者の見識と良心に
おねがいするしか方法がないわけです。 タネバエ被害について は こちら 

「キュウリ、スイカ、ピーマン、トマト、ネギ、ニンジン、キャベツ、ト
 ウモロコシにも被害がでますので、よろしくおねがいいたします」

と、お伝えして、人為的に生態が変えられたダニのはなしはおしまいです。


◎ 『現代農業』誌の推奨された農法、「土ごと発酵」が盛んになって
  から確実に被害が増えた
ように思えてしまうのですよね、個人的には。

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