グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

施設野菜、シーズン最終コーナーへ。

2021-05-18 22:35:25 | Weblog
施設野菜、シーズン最終コーナーへ。
5月中旬に郵便ダイレクトメールで発送した農事メモですが、土の
クリーンアップを図る意味でも、よろしかったらご参考に。

 ↓

『施設野菜、シーズン最終コーナーへ。』




晴れ   → 春先3月の管理は ​こちら​。
   → 乾燥で起こりやすい石灰不足については ​こちら​。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜」





早期水稲、生育状況とこれからの管理。

2021-05-17 11:32:32 | Weblog
​早期水稲、生育状況とこれからの管理。
平年よりも20日ほども早くに梅雨入りした南九州地方。そんな
気象のもとでの早期水稲の管理についての当店ダイレトメールは
つぎのようになっております。よろしかったらご参考に。




参考としての回 → イネつくりは水見半作の回は ​こちら​。
        → 田水の出し入れスムーズにの回は ​こちら​。


晴れ 1株あたり20本程度の茎数を確保した時点でおこなう
  「中干し」。無効分けつの抑制や地下部の健全化、倒伏
  防止などの効果がありますよ。

  51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜



SDGsの6「安全な水」について、その3。

2021-05-13 16:00:12 | Weblog
SDGsの6「安全な水」について、その3。
政治家なら いまやみんなつけている・・・みたいな バッジ
で有名になった感のある SDGs(エス・ディー・ジーズ)。

これこれ このピンバッジ →   
そんな SDGs/Sustainable Development Goals(持続可能な開
発目標)」の 六番目、「安全な水とトイレを世界中に」の目標
関連として、これまで当ブログでご紹介してきたいわゆる現場目
線での水についてのあれこれをひとくくりのカテゴリーにしてご紹
介していくシリーズの3回目[2回目は​こちら​]。 今回は 
6.6 山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼を含む水に関する
生態系の保護・回復を行う。
についての参考記事となります。日本でいちばん栽培されている
作物であろう イネと水田の栽培方法に関する記事となりますが 
わかりやすくするために関連記事2本ぶんとなりましたが、よろ
しかったらご参考に。

 ↓


2013年5月分/ イネつくりといえば みすみはんさくさん。』

田植えから約60日が経過するころ、この時期は身体づくりにお
われていたイネの生長が、 実をつくる生長に切り変わっていく
時期となるんですよ。→ 田植してひと月後の話しは こちら

4月1日前後に田植したイネでは〕そんな季節のはじまりです。

この時期に、“ためっぱなし”であることも多かった水田の水を、
いちど抜いてしっかり田を干します。これを田んぼづくりでは
「中干し」といいます。

このような水を落とす管理をするのには、もちろん次のような
理由があります。

 ■ 土中の有機物の分解に伴い発生する硫化水素やメタンガス を抜く
 ■ 遅れて発生しようとする、イネの生長〔分けつ〕をおさえる
 ■ 田の表面を硬くしていくことで、来るべきイネ刈りをやりやすくなる
 ■ 溝切りなどおこなえば除草効果も期待できる

といったところ。

そうそう田んぼが見られる環境にお住まいで田を見る機会があ
る・・・といわれる方は、就農希望者でなくとも、ぜひぜひ田
んぼの水のあるなしを観察されてください。面白いものですよ。

あ、そして タイトルの “みすみはんさく” さんです。

 三角半作さん? 水見範作さん?

じつはこの方、日本のイネつくりコンクールで長年にわたって
優勝してこられた方なんです・・・なんていったら信用してい
ただけるかもしれませんが〔無理か/笑〕、ほんとはイネつくり
に関する格言
です。

正確には 「水見半作」となります。これは

水の管理は稲つくりの半分を占めるほど大切な作業である

という意味なんですね。。頼りになるんですよね、みずみはん
さく/笑。

ということで今回はイネ作りにおいての土の栄養状態や病害虫
のことばかり、あるいは大型機械での大規模農業が注目されが
ちな日本のイネつくりですが、じつはイネつくりには 田んぼ
という生育環境をコントロールするための〔ある意味ローテク
ともいえる
水管理技術も必要不可欠です・・・ということの
おはなしでした。


2013年5月分/ 生き物にもやさしい“溝切り”。 』

タズリさまにて草をとられ、土中のメタンガスや硫化ガスをだ
された田
は大きく育ってきます。そして充分に育ったところで
「中干し 」で、イネに気合を入れたその後の管理です。

そんな田んぼに関する作業で、最後の仕上げの作業があります。
それが 「溝切り」 です。

これは 田の中に

 5~10m間隔に深さ約10~15センチ・幅約20センチの

溝を掘ること 、なんですよ。


ののののの 溝切り溝.jpg 


タズリさまと同じで、いまはエンジン付きがありとても楽と
なりましたが・・・そうですね、今年もやってみたのですが、
田の中の周囲と、田の中に3本の溝を掘って、10アール当
たりでだいたい小一時間というところ。思案するよりもやっ
てみれば早いものだなといったところ。

機械は こんなかんじ  ですが、最近はトンネルを掘るよう
な仕事をするものもあるんですねぇ。

さてそれで「そんな溝を田の中に掘ることで、いったいどん
なメリットがあるというのだろう・・なんておもいますでし
ょう?けれど、これがもうまったく・たいしたものなんです。

中干しで水を抜きたいときにはこの溝を使ってササッと排水、
逆に田が乾きすぎてそうそうに水を入れたいときは、この溝
を伝ってスムーズに水がはいる

という、排水と給水をスムーズにおこなえるという、それは
もう感激もの・・・というすばらしい技術なんです。

そしてこの技術には、もうひとつ、とても感心するところが
あるんです。 なんだとおもわれます?

それは、田の水が干されるときに威力を発揮しますよ。
水の出し入れのために掘ったはずの、その溝が、水田で暮ら
しているメダカやオタマジャクシなどなどの田に生きる水棲
生物のための〔用水路への〕避難路になる。。


ののの 溝切り・全体.jpg

というわけなんです。

ということで今回は「中干しというイネつくりの技術に付属
している溝切りという作業」は、田に棲む生き物に対するや
さしさを持っていますよ・・というおはなしでした。


晴れ 中干しの時期の。田のライムグリーン色のなかにたたずむ
  のは、凄く気持ちがいいんです。そう、これすなわちアマ
  ガエル気分/笑。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染




あこがれの剪定。。

2021-05-11 11:56:49 | Weblog
​​あこがれの剪定。。
鬼太郎ファミリーの捕手役みたいな 妖怪ぬりかべ とか、
NHKの BS番組によくでている ドーモくん とか、なぜ
だか あのような四角いかたちに仕立てられている樹木ズ 
に 心惹かれて幾歳月・・・。

そんな直方体というか、立方体というか、全ての面が平面
に仕立てられているモチ[だと思っている]の樹が これ。

   

通りがかるたびに、いつもかわらず目を楽しませてもらえ
る葉緑樹です。写真からも わかるように けっこう大柄。
これなら ドーモくんといっても ぬりかべさんといつて
も差し支えなさそうな ルックスですよね。

・・・憧れている身としては、近くに寄って、そのみごと
に仕立てられた緑の平面や、平面と平面のまじわる直角の
ヘリなどを 両の手で触って確かめたいのもやまやまなの
ですが・・・この樹のある場所が問題。

家からでて、ちょっと歩いていけるのらよいのですけれど、
じつはこの樹の植えられている場所は 20キロほどメイ
ンの国道を南下したところの交通量の多い片道2車線の中
央分離帯部分に植栽されているいわゆる街路樹なんですね。

だからなかなか近寄りがたい。

だけれどもたまたま交通量が少なくて、しかも青空がひろ
がっているときなどの、この道路の景観や素晴らし。まる
で大相撲の東西幕内力士の土俵入りみたいに、分離帯にズ
ラーッと居並ぶ[ドーモくんやぬりかべさんに見える]モチ
の樹の様子が こちら↓。


  

ということで今回は、国道を通行するドライバーに安らぎ
をあたえ、車の排気ガスを浄化する働きもしてくれている
街路樹、しかも四角く仕立てられている宮崎市の街路樹の
ご紹介でした。

・・・でこのモチの樹たちなのですが、もう何十年もずー
っと不思議におんなじ大きさ・形なんですよ、同じく植栽
されることの多いワシントンパームなどのヤシの樹が大き
くなりすぎて困ることも多いのに、この樹形のままでいる
のって、ひょっとしてほんとうに妖怪だったり?


晴れ 見れるけれども近寄れない、触りたいのに触れない
  ことって、なんだか 心惹かれますよねー。
  閑話休題・・言っているつもりでもなかなか言えて
  ない公園と樹のおはなしは こちら

  51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜



​​

SDGsの6「安全な水」について、その2。

2021-05-07 16:40:07 | Weblog
SDGsの6「安全な水」について、その2。
飛ぶ鳥を落とす勢いというか、泣く子も黙るというか、黄門さまの
印籠というか、最近 巷で見ない日は無いといった趣となっている
SDGs(エス・ディー・ジーズ)。
このバッジ/文様で 有名ですよね → 
そんな SDGs/Sustainable Development Goals(持続可能な開
発目標)」の 六番目、「安全な水とトイレを世界中に」の目標
関連として、これまで当ブログでご紹介してきたいわゆる現場目
線での水についてのあれこれをひとくくりのカテゴリーにしてご紹
介していくシリーズの2回目[1回目は​こちら​]。 今回は 
6.b 水と衛生の管理向上における地域コミュニティの支援・強化
についての参考記事となります。よろしかったら。

 ↓

『2011年12月分/ 春の小川は用水路。』

なにげなく見過ごしてしまいがちなのですが、冬の時期に枯れていた
田畑地帯にある小川が春になると流れていることに気づかれたことは
ありませんか。
じつはこれ、自然な小川ではなく農家の手によって人為的に流されてい
る用排水路
の場合が多いんですよ。農家を主体にした水利組合の管理
のもと、計画的にながされている農業用水
なんです。

田の水を管理する水利組合は、農業生産を行う上で欠かせない用排水
施設の整備・管理や農地の整備いわゆる土地改良を目的として設立さ
れた農家の人たちの組織です。この土地改良区は全国に約7,000・
関係する農家は約300万人・関係する農地は約300万haといわれ
ています。

そんな日本の農業用用排水路の総延長は なんと 約22万km

この距離は、ほぼ地球5.5周にも達っするのだそうです。現場にい
るわたくしなども、この話しを聞いたときにはさすがにびっくりしま
した。いや、すごいものですね。
そんな、網の目のように張り巡らされた日本の用排水路についてのお
はなしです。

田植えに先立つ2ケ月前、水稲農家の苗づくりと並行してこなわれる
のが、集落ごと・水の流れる系統ごとの用水路の清掃です。
イネの栽培がおわってからおよそ半年、繁茂した草や、その後の増水
などで埋まった土砂などが用水路から除去されます。もちろん投げ込
まれたゴミの処理も、当然あります。。

この用水路清掃には、その水利を利用する方たちが参加するわけです
が、かなりな時間と労力がかかります。自分の経験では、ひとつの水
利系統で半日くらいの出役となります。

規模を拡大したり・高齢化の農家の農地を借りたりして田畑を耕作す
る方は、この共同清掃に何らかの形での参加が義務付け
されますので、
これがなかなかに大変。耕作規模が大きくなるほど、水路を多く利用
するほど、出役は増えるわけですから、その負担も大きくなっていく
わけです。
これもまた、日本の耕地面積の土地集積が行なわれにくい大きな
原因
 の ひとつにあげられますね。

余談ですが・・・農外から農業に進出しようとする企業や、現場を知
らない農業評論家の方には、農業を行うに当たってどうしても必要
なる、このような作業に関する認識が欠けている
ようにおもえてなり
ません。
そうそう、新規就農された方などは、こういった就農前には分からな
かった地域の共同作業の多さに驚かれる場合も・・・多々あるんです
よね。

したがって農家の絶対数が減ると・・・水害はまちがいなく増加する
・・わたくしはそうみています〔経営効率を重視する“先進的農家”が、
管理を喜んで肩代わりしてくれるとは思えない気がするものですから
〕。

といったことで今回は 農家が主体となった水利組合が日本の農業用
用排水路を管理しているというお話のご紹介でした。


晴れ 用排水路にかんする身近な例といえば、たとえば火事など
  が発生した場合に、その火事の鎮火用の水を 水利組合が
  その網目のように張り巡らされた用排水路を駆使して水を
  回して提供した・・なんて話も けっこうあります。すご
  いなぁと感心せずにはおられません。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染