はーい、げんきです。

遠くにいる友達に私的トピックスの紹介。話題はその時その時いろいろ。

ハッピー・バースディ

2006-02-10 08:18:25 | book
 おはようございます。
 今日は早出。
 皆さん忙しくなると、ブログは文章が短くなり、更新が滞りがちになるが、私は加えて書きためておいたネタが登場するので、ちょっと前の話題になるね。
 なわけで、先週読み終えた本の話で更新しておく。

 ハッピー・バースディ/新井素子

 先月、本を整理してて発見。
 買った記憶がないが、買ったんだろうね。発行は昨年9月、しかも初版。

 読み始めて、おそらく十年以上ぶりの彼女の作品だったせいか、ひじょーにうっとーしく感じた。
 どのくらいうっとーしーかというと、とにかく一分でも一秒でも早くこの本から離れたいがために、とっとと読み終えてしまいたい、と思う程。
 主人公?の、あきら、裕司両名の気持が痛いほど分かってしまうので、読むのが苦痛である程。
 半分までは。
 後半は、普通に読めた。
 自分の背中から50cm離れた後方に、自分に向けられた確かな危険があるという感じの恐さがあるので、そういう話が好きな方は、ぜひ。

 まあ本編はともかく?巻末の解説で、「私たちはみんな”素ちゃん”になりたかった」という一文があって、そういや自分もそうだったなと思い出した次第。
 最初に読んだ彼女の本は、たぶん「絶句」か「二分割幽霊綺譚」か「扉を開けて」あたり。
 中高生時代に彼女の作品を読みあさり、彼女の独特な一人称を真似て文章を書き散らし、彼女(+菊地秀行氏)を真似て大学では○○研に足を踏み入れたのだった。
 彼女が結婚してから作風が変わった(様に感じた)のと、結婚てこうも人を変えるのか、というダブルショックで読まなくなった気がする。
 当時、私にとって作家というのは不変的な職業で、学生だったのが卒業したり、結婚したり、ましてや主婦になったりはしないと思っていたので、彼女の変化に自分は付いていけなかったのだと思われる。

 久しぶりに読んでどうだったかというと、まあ、書かれる舞台は異なるものの、作風は変わらないな、と。自分も大人になったってことかね。
 相変わらず、読み終えた後、えー、みたいなわだかまりが残る。
 すっきりとは終わらせてくれない、ちょっとした、悪意のない、いじわるみたいな感じがあって、だから彼女の作品は、内容より印象が記憶に残るんだろうと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする