福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

残すことろあと3日!ブルックナー8番CD特別セール

2016-10-29 00:44:35 | レコード、オーディオ

というわけで、ご好評頂いているブルックナー8番CDの特別セールも残すことろあと3日となりました。

当方としても、これまでご縁のなかった方から、ご感想やご声援を頂くことができて、何よりの励みとなっております。

また、この録音を久しぶりに聴き返したことで、いくつかの反省とともに、大きな自信と新たな演奏意欲が沸き上がってきました。

「Nightショーの無い夜」の彼もお気に入りのようですし、この機会をお見逃しなきよう!

 

(以下、再掲。なお、送料無料サービスは、発送方法を「ゆうメール」と変更致しました。ご了承ください。)

間もなく、愛知祝祭管とのブルックナー8演奏会から2年が経ちます。

それを記念し、そのコンサートの全貌を録音した2枚組CDを期間限定で2,200円(通常定価3,000円・税込)にてお分け致します。
送料はゆうメールに限り無料とさせて頂きます。

ご希望の方は、当blogのコメント欄にて、メールアドレスを添えて、お申込みください(もちろん、公開は致しません)。

締切は今月31日23時59分とさせて頂きます。

ワオンレコード小伏氏による驚愕のワンポイント録音。残念ながらYouTubeではその真価は伝わりません。より良い音質のCDにて、この演奏を受け止めて頂きたいと願います。

【収録曲目】
1. ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
中村 詩穂(オルガン)、愛知祝祭合唱団
2. バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV.1043
(第3楽章のカデンツァはJoseph Hellmesberger版を基にしたもの)
古井 麻美子(ヴァイオリン)Mamiko Furui
清水 里佳子(ヴァイオリン) Rikako Shimizu

3.ブルックナー 交響曲第8番ハ短調(ハース版)
第1楽章 Allegro moderato (アレグロ・モデラート)
第2楽章 Scherzo: Allegro moderato(スケルツォ :アレグロ・モデラート)
第3楽章 Feierlich langsam, doch nicht schleppend(荘重にゆっくりと、しかし引きずらないように)
第4楽章 Finale: Feierlich, nicht schnell (フィナーレ:荘厳に、速くなく)

指揮:福島章恭
愛知祝祭管弦楽団
(コンサートマスター:高橋広、団長:佐藤悦雄)

2014年10月26日(日) 愛知県芸術劇場コンサートホール

かもっくすレーベル
CD番号:OAF-1410(2枚組)

 

 


凄絶極まりないラスト3音を聴け!

2016-10-26 00:52:07 | レコード、オーディオ

Bruckner Sym. No.8 4th mov. AKIYASU FUKUSHIMA cond. Orchester der Aichi Festspiele

10月26日。いよいよ、愛知祝祭管弦楽団とのブルックナー「8番」演奏会から2年という記念日を迎えた。

この度、新規にCDをお買い上げ頂いた方より、「フィナーレの最後の3音に痺れた」という声をいくつか頂戴した。悠久の第3楽章とともに思い入れある場面に感動して頂けたことは、本当に嬉しく、ありがたい。

この3つの音に限っては、過去のいかなる巨匠のものよりも凄絶と呼んでも許されるであろう。ブルックナーがスコアに記したリテヌートの指示を最大限に拡大解釈した確信犯的所業。それを歓びをもって表現してくれた愛知祝祭管弦楽団メンバーは共犯者であるとともに、勝者なのだ。

ブルックナーには、作品の規模の割に終結部のあっさりしていることが多く、「第8」の終結もシューリヒトがしたように畳みかけるように終わるのが本来の姿なのかも知れない。しかし、この94分にも及ぶ長大にして幸せな旅を締めくくるには、こうするほかなかった。でないと積み上げてきたものを受け止めきれないし、少しでも永く幸せを味わっていたかったのだ。

まさに一期一会の凄絶極まりないラスト3音。

是非とも、動画の27:00頃から最後までを体験して頂きたい。


マヒューラ&ローター/ベルリン響のドヴォルザーク

2016-10-22 08:10:03 | レコード、オーディオ

ティボール・デ・マヒューラ(vc)、アルトゥール・ローター(指揮)/ベルリン響

 

実は、昨夜の夜更かしの原因はアンダ&フリッチャイだけではなかった。

その直前、ティボール・デ・マヒューラの独奏によるドヴォルザーク:チェロ協奏曲をYouTubeで見つけて、まったく魅了されてしまったのだ。オーケストラはアルトゥール・ローター指揮によるベルリン響。

この演奏。調べてみるとレコードでは、独OPERAレーベルで出ていたようで録音年などは今のところ不詳。ステレオよりはモノーラル・プレスが多いようだが、コンディションの良いステレオ盤を見つけるのは困難かもしれない。

アップしてくださったYouTubeは、板起こし、つまり再生したレコード音を録音したものだ。若干のハム・ノイズや針音なども入っているが、おおむね良好な音でこの名演を愉しむことが出来る。HSさんのご苦労を労うとともに、このような感動を与えてくださったことに感謝したい(なお、マヒューラによるドヴォルザークには、モラルト指揮によるフィリップス録音もある模様。このレコードも探したい)。

マヒューラは、フルトヴェングラー時代のベルリン・フィルの首席、のちにコンセルトヘボウ管の首席を務めたハンガリー生まれの名手。

フルトヴェングラーとのシューマンの協奏曲が有名だが、わたしは、下記のライヴ・レコーディングを集めた2枚組レコードを愛聴している。

もともとは、一緒に収められているナップ・デ・クリーンのヴァイオリン目当てで入手したのだが、マヒューラの音を一聴して魅せられてしまったことをよく憶えている。

Side 1
・Johannes Brahms, Cello sonata No.2 in F, Op.99. Tibor de Machula,vc. Accompanist: Tan Crone, pf (NCRV; stereo 1970)
・Fritz Kreisler, Zigeuner Capricchio. Nap de Klijn,vn accompanied by Rudolf Jansen, pf (AVRO; stereo 1978)
・Daniel van Goens (1858-1904), Scherzo brillant. Nap de Klijn & Rudolf Jansen (NCRV; stereo 1979)

Side 2
・Johann Sebastian Bach, Suite for unaccompanied Cello No.1 in G, BWV 1007. Tibor de Machula (VPRO; stereo 1976; live recorded at the Amsterdam Concertgebouw)
・Ernest Bloch, Baal Shem - three Pictures of chassidic life. Nap de Klijn & Rudolf Jansen (KRO; stereo 1973)

Side 3
・Serge Prokofiev, Cello sonata in C, Op.119. Tibor de Machula accompanied by Cor de Groot, pf (Stockholm mono 1959 *)
・Francois Couperin/ Fritz Kreisler, La Precieuse. Nap de Klijn & Rudolf Jansen (AVRO; stereo 1978)
・Maria Theresia von Paradies/ Samuel Dushkin, Sicilienne. Nap de Klijn & Rudolf Jansen (AVRO; stereo 1978)
・Christoph W. von Gluck/ Fritz Kreisler, Melodie from Orphee et Eurydice. Nap de Klijn & Rudolf Jansen (AVRO stereo 1978)

Side 4
・Johannes Brahms, Violin sonata No.2 in A, Op.100. Nap de Klijn accompanied by Liesbeth Rumke-Hoppe, pf (NCRV; mono 1962)
・Claude Debussy, from Images Book I: Reflets dans l'eau - Homage to Rameau - Mouvement. Cor de Groot, pf (Stockholm mono 1959*)

*) by courtesy of Hans Goddijn (Cor de Groot Foundation)

 

 


ゲザ・アンダ&フリッチャイによるブラームス第2協奏曲に感動

2016-10-22 01:01:23 | レコード、オーディオ

ヨハネス・ブラームス: ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83

ゲザ・アンダ(ピアノ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
【録音】1960年5月 ベルリン

レコード番号:DG SLPM 138 683

夜も更けたので手短に・・・。

この録音の存在は知っていたが、これまで何故かご縁がないままに過ごしてきた。

なんと勿体ないことだろう。しかも、これをたまたま見掛けたのがニコニコ動画なんて・・・。

我が貧しいPC環境で聴いても、破格に素晴らしい演奏であることは分かる。

これまでの同曲のマイベストは、天下の名盤バックハウス&ベームをおさえての、カーゾン&クナッパーツブッシュ盤であったが、アンダ&フリッチャイ盤は同率、あるいは僅差で上に置かなければならない。

「クラシックCDの名盤」に加筆できるものならしたい気持ちだ。

カーゾン&クナ盤がモノーラルでしか残されていない(年代的にはステレオがあってもおかしくないのだが・・・)という恨みを、晴らしてくれる名演であると。

アンダの明晰なタッチとフリッチャイの情熱が見事なバランスをみせている。そして1960年のベルリン・フィルの何とも剛毅で陰影深いパフォーマンス。

上にレコード番号を記したが、もちろん未入手。なんとしてもDGオリジナル(赤ステレオ)を探さなくては。

週末のドイツ・レクイエム合宿(富士ベートーヴェン・コーラス&東京ジングフェライン合同)に備えて早く休まなくてはいけないというのに、感動に打ち震えて眠れないでいる。

 


御礼ならびに業務連絡

2016-10-20 13:23:40 | レコード、オーディオ

このたびは、福島章恭&愛知祝祭管ブルックナー8番CDに多数のお申し込み有り難うございます。

本日午前11時までにご入金済みの分までは、発送を完了致しました。お届けまで今暫くお待ちください。

それ以降にお申し込み、ご入金の分も、順次発送準備に入ります。

 

なお、当ブログのコメント欄に、「メール・アドレスを入力するとはじかれて投稿できない」との声が届いております。

はじめてのケースで戸惑っておりますが、当方では原因を特定しかねますので、その場合には、ご面倒様ですが下記のいずれかをお試しください。

1.FacebookまたはTwitterのメッセージ欄からのお申し込み

2.上記を利用されていない方は、期間限定にて、下記のアドレスを開設致しますので、こちらよりお申し込みください。

今月いっぱい期間限定アドレス akiyasu_f@yahoo.co.jp

いずれの場合も、お届け先のご住所をお書き添えください。

では、引きつづきのご声援、よろしくお願いします。

 

 


ブル8本番1週間前 コンマスの手記

2016-10-19 22:34:44 | レコード、オーディオ

Bruckner: Symphony No.8 (Haas) AKIYASU FUKUSHIMA cond. Orchester der Aichi Festspiele

「福島先生のブルックナー演奏、もともと素晴らしいとは思っていましたが、この二日間の最終練習にて、さらに次元の違う境地に達しました。

兎に角呼吸が深く雄大にして深遠。実演でこれだけ悠然たるスケールのブルックナーが鳴り響いたことは、晩年のチェリの演奏においてだけだと思います。しかも、チェリビダーケは非常に独特、唯一無二のブルックナーへのアプローチであって、僕は尊敬もしまた愛聴もしていますが、所謂通常のブルックナー様式とは異なるタイプの演奏です。

そういう意味では、ブルックナー様式に基づく最大最深のスケールとなる福島先生のブルックナー演奏に、奏者として(それもコンマスとして)参加出来るのは本当に本当に幸せなことです。たとえば第三楽章125小節目においては、まさに「弾く」、「聴く」という感覚を超えてブルックナーに「浸る」という形容がしっくりくる、至高の体験を味わい、寝落ちとは全く違った意味で気が遠くなりそうになった程でした。

通常80分前後で演奏されるブル8が、今日の通し練では93分にまで到達したのですが、何より嬉しいのが「長くするために長くなった演奏」ではまったくないということです。ブル8演奏としては度外れな93分という時間が、深い意味で満たされ、福島先生のブルックナー宇宙を提示するためには、どうしてもこの長さでなければならない必然的なスケールの大きさだったことがしみじみと、そして強く伝わってくるのです。実際、帰宅後、勉強にと思ってさる大家のブル8(演奏時間は82分)を聴いてみたのですが、想いの「濃さ」と「雄弁さ」において、今日の演奏に比べあまりにも薄く淡泊だったのでガッカリしてしまいました。

僕が強い印象を受けたバーンスタインの言葉に「ウィーンフィルは、ナチス時代に長らくマーラー演奏が禁止され、マーラーの音楽は自分たちのものではないという感覚を戦後もずっと持っていた。しかし自分がウィーンフィルの演奏会で繰り返しマーラーを取り上げることによって、次第に『マーラーの音楽は、自分たちウィーンフィルという最上の盃で満たすにふさわしい美酒である』という感覚を持つに至ったのだ」というものがあります。うろ覚えなので細部は結構違っているかもしれませんが、大意はこんなものだったと思います。

バーンスタインの形容を借りるならば、福島先生は今週末の練習において「愛知祝祭管は、自分が演奏したい極大スケールのブルックナー宇宙を受け止め得る器である」という感覚に到達されたのではないかと思います。非力な我々は、福島先生の提示するブルックナー宇宙を受け止めきれるサイズであるとはまだまだ言えませんが、それでも先生がその可能性と手ごたえを感じて下さったということは確かだと思います。

先生の期待を、実際に至高のブルックナー演奏として結実させるべく、あと一週間さらに精進を重ねます!!」(愛知祝祭管コンサートマスター 高橋広)

以下、ご案内の再掲です。

間もなく、愛知祝祭管とのブルックナー8演奏会から2年が経ちます。

それを記念し、そのコンサートの全貌を録音した2枚組CDを期間限定で2,200円(通常定価3,000円・税込)にてお分け致します。
送料は定形外郵便に限り無料とさせて頂きます。

ご希望の方は、当blogのコメント欄にて、メールアドレスを添えて、お申込みください(もちろん、公開は致しません)。

締切は今月31日23時59分とさせて頂きます。

ワオンレコード小伏氏による驚愕のワンポイント録音。残念ながらYouTubeではその真価は伝わりません。より良い音質のCDにて、この演奏を受け止めて頂きたいと願います。

 

【収録曲目】
1. ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
中村 詩穂(オルガン)、愛知祝祭合唱団
2. バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV.1043
(第3楽章のカデンツァはJoseph Hellmesberger版を基にしたもの)
古井 麻美子(ヴァイオリン)Mamiko Furui
清水 里佳子(ヴァイオリン) Rikako Shimizu

 

3.ブルックナー 交響曲第8番ハ短調(ハース版)
第1楽章 Allegro moderato (アレグロ・モデラート)
第2楽章 Scherzo: Allegro moderato(スケルツォ :アレグロ・モデラート)
第3楽章 Feierlich langsam, doch nicht schleppend(荘重にゆっくりと、しかし引きずらないように)
第4楽章 Finale: Feierlich, nicht schnell (フィナーレ:荘厳に、速くなく)

 

指揮:福島章恭
愛知祝祭管弦楽団
(コンサートマスター:高橋広、団長:佐藤悦雄)

 

2014年10月26日(日) 愛知県芸術劇場コンサートホール

 

かもっくすレーベル
CD番号:OAF-1410(2枚組)

どうぞ、宜しくお願いします。


2周年記念 ブルックナー8番CD 特別セールのお知らせ(期間限定・送料無料)

2016-10-18 22:50:02 | レコード、オーディオ

間もなく、愛知祝祭管とのブルックナー8演奏会から2年が経ちます。

それを記念し、そのコンサートの全貌を録音した2枚組CDを期間限定で2,200円(通常定価3,000円・税込)にてお分け致します。
送料は定形外郵便に限り無料とさせて頂きます。

ご希望の方は、当blogのコメント欄にて、メールアドレスを添えて、お申込みください(もちろん、公開は致しません)。

締切は今月31日23時59分とさせて頂きます。

ワオンレコード小伏氏による驚愕のワンポイント録音。残念ながらYouTubeではその真価は伝わりません。より良い音質のCDにて、この演奏を受け止めて頂きたいと願います。

【収録曲目】
1. ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
中村 詩穂(オルガン)、愛知祝祭合唱団
2. バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV.1043
(第3楽章のカデンツァはJoseph Hellmesberger版を基にしたもの)
古井 麻美子(ヴァイオリン)Mamiko Furui
清水 里佳子(ヴァイオリン) Rikako Shimizu

3.ブルックナー 交響曲第8番ハ短調(ハース版)
第1楽章 Allegro moderato (アレグロ・モデラート)
第2楽章 Scherzo: Allegro moderato(スケルツォ :アレグロ・モデラート)
第3楽章 Feierlich langsam, doch nicht schleppend(荘重にゆっくりと、しかし引きずらないように)
第4楽章 Finale: Feierlich, nicht schnell (フィナーレ:荘厳に、速くなく)

指揮:福島章恭
愛知祝祭管弦楽団
(コンサートマスター:高橋広、団長:佐藤悦雄)

2014年10月26日(日) 愛知県芸術劇場コンサートホール

かもっくすレーベル
CD番号:OAF-1410(2枚組)

『これは、とてつもないブルックナー演奏だ。21世紀に入ってすぐに朝比奈隆とヴァントが相次いで亡くなったとき、「巨匠の時代」は完全に終焉を迎えたと思っていた。その断絶を打ち破る動きがアマ・オケから出てきたのは大変興味深い。名古屋でワーグナーやマーラーの演奏会を開いて注目を集める愛知祝祭管弦楽団が、往年の名指揮者を愛し、指揮に、批評に活躍する福島章恭を招いて実現したブルックナーは、巨大なスケールと荘厳な深みを持ち、熱い生命力に満ちた演奏となった。オケの技術的な限界も感じられるが、細部を丹念に積み上げて仰ぎ見る様に構築された音による大伽藍は、巨匠の時代の再来を思わせる。
intoxicate (C)板倉重雄
タワーレコード (vol.114(2015年2月10日発行号)掲載)』

『実測値としては常識はずれの(深い呼吸に支えられたゆったりとした)テンポに、オーケストラは嬉々として従い、観衆も水を打ったかのように静まり返り、特に第三楽章などは観衆の呼吸が我々と同化していることさえ肌で感じられました。いつしか奏者・観衆は一体と成り、「愛」に溢れたブルックナー宇宙の本質が会場に満ち満ちていたものでした。』(愛知祝祭管弦楽団コンサート・マスター高橋 広)

提供 : 愛知祝祭管弦楽団
録音:ワオンレコード 小伏和宏
映像:KANON

♪ブルックナー:交響曲第8番の全曲演奏の模様は、下記にてご覧ください。

 

Bruckner: Symphony No.8 (Haas) AKIYASU FUKUSHIMA cond. Orchester der Aichi Festspiele

 


必見は24分11秒頃 ~ ブルックナー「8番」演奏会から間もなく2年

2016-10-18 01:26:31 | レコード、オーディオ

Bruckner Sym. No.8 3rd mov. AKIYASU FUKUSHIMA cond. Orchester der Aichi Festspiele

間もなく、愛知祝祭管とのブルックナー8番コンサートから2年ということで、その第3楽章の映像はを貼っておきます。同じハース版を用いた朝比奈先生より遅いテンポということになりますが、その遅いテンポを支えてくれた愛知祝祭管のメンバーには賞賛と感謝の言葉しかありません。

実は、この第3楽章あってこそ、福島章恭という音楽家の今があります。この演奏の前と後では、自分の呼吸法がまったく変わってしまったからです。ブルックナーの音楽が思いも寄らない境地に導いてくれたのです。もちろん、いまのわたしは、このときよりも少しは進化(深化)しているので、さらに別の次元のブルックナーを振ることが出来るでしょう。その機会の与えられることはある、と信じているところです。

全編30分を超す長尺ですので、お時間のない方は、24分11秒ころより24分30秒くらいまでをご覧にください。

 

 

 


アーノンクールを聴いてベームを懐かしむ

2016-10-13 18:07:01 | レコード、オーディオ


これまた、購入したまま未開封だったアーノンクール&ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのモーツァルト「三大交響曲」のLPセットより「ジュピター」に針を下ろした。

なんというか、物凄い残響である。どこか教会か石造りの広間での録音だろうか? そんな筈はあるまい。と訝ってクレジットをみると、案の定ムジークフェラインザールとある。

あのホールでは様々な座席でオーケストラの公演を聴き、また勿体なくも指揮台に立たせて頂いたこともあるので断言するが、このようなライヴな響きのする空間ではない。とすると、電気的なエコーであろうか? ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの音がもともと薄っぺらなところに、こんなにエコーを付加してしまっては、音の実態がなくなってしまう。



アーノンクールの音楽づくり自体も、恣意的なアーティキュレーションや癖のある装飾音、極端なレガートや唐突な強打などによって、素直に心に入ってこない。それがアーノンクールだと言われればそれまでなのだが、トスカニーニの録音並とは言わずとも、もう少し残響のないサウンドなら、もう少し楽しめたかもしれない。

そんなとき、無性にベームのモーツァルトが聴きたくなった。それも定評あるベルリン・フィル盤ではなく、マニアに人気のコンセルトヘボウ管とのモノーラル盤でもなく、どちらかというと評価の低い晩年のウィーン・フィル盤である。

実はわたしはこの演奏、かなり好きである。どこまでも普通の表現で、聴きながらハッとするようなところはない。その点、宇野功芳先生がこの演奏を凡庸なものとして酷評していた理由はよく分かる。

しかし、普通がどれほど尊いことか。フレーズは歌われるべく歌われ、アクセントはこれ以外ない加減で付され、各楽器のバランスも絶妙、和声の移り変わりにはこうでなければという色合いの変化を見せる。テンポを緩めたり、引き締めたりといった塩梅がまた心憎いばかり。メヌエットこそ、舞踊と呼ぶには異様なテンポの遅さを感じさせるものの、これほどオーソドックスの極みと思われる演奏は少なかろう。

普通のことを普通にやる凄み!

ベームとウィーン・フィルによる「ジュピター」の録音はそのことをわたしに教えてくれる。その高貴な普通を前にして、いまわたしは畏れにも似た感動を味わっている。


カラヤンのシベリウスにアナログ録音の凄みを聴く

2016-10-11 17:06:40 | レコード、オーディオ


久しぶりの在宅に、買ったまま放置されていたレコードを聴く。まずはレオニード・コーガンの1982年シャンゼリゼ劇場ライヴ。未公開録音による新譜である。

シューベルト、ブラームスも文句なしに素晴らしいが、入魂のバッハ:シャコンヌを経た後のパガニーニ、ファリャ、プロコフィエフに於ける突き抜けた世界に魅了された。

アナログ再興初期には色々問題のあった東洋化成プレスも安定してきたような気がする。

LP 1(Side A)
シューベルト:ヴァイオリン・ソナチネ第3番ト短調 D.408
LP 1(Side B)
シューベルト:幻想曲 D.934
LP 2(Side A)
ブラームス:スケルツォ
J.S.バッハ:シャコンヌ(無伴奏パルティータ第2番ニ短調BWV1004より)
LP 2(Side B)
パガニーニ:カンタービレ
ファリャ(コハンスキー編):スペイン民謡組曲、
プロコフィエフ:仮面~『ロメオとジュリエット』より

レオニード・コーガン(ヴァイオリン)
ニーナ・コーガン(ピアノ)

ライヴ録音:1982年10月20日/シャンゼリゼ劇場、パリ(ステレオ)
INA(フランス国立アーカイヴ)からの音源提供

(2LP)180g 重量盤/完全限定プレス/ステレオ/日本語解説付



つづいて、ヤンソンス&VPOの2016ニューイヤーコンサートに針を下ろすが、途中で飽きてしまう。どこまでも音楽的なのだけれど、微温的でどうにも心が震えてこない。

ヤンソンスへの物足りなさ。この春、ベルリン・フィルで聴いたときの初日の印象が蘇る。しかし、アルバムの2枚目、3枚目は未聴のため、結論は保留にする。後半の巻き返しはあるかも知れない。



カラヤン&BPOによるシベリウス「フィンランディア」の快演(怪演?)は、その欲求不満を晴らしてくれた。悪趣味なまでにバリバリと吼える金管群にゴリゴリと鳴りまくる低弦。これでどうだ!と威嚇するようなティンパニの轟き。

いやあ、スカッとした。
しかし、このアルバムの良さは豪快さだけにあらず。「エン・サガ」での精妙なアンサンブルは清涼剤となり、トゥネオラの白鳥のコール・アングレのソロ(ゲルハルト・シュテンプニク)はまさに人生の憂愁の極み。

30年前のボクなら、このフォルティシモを無意味なもの、空虚なものとして、受け入れなかったも知れない。しかし、いまは大歓迎だ。何事もここまで徹底されれば、尊敬に値する。もっとも、これをブルックナーでやられたらひとたまりもないのだが。

音もデジタル最新録音のヤンソンスより、アナログ成熟期のカラヤン(英EMI 白黒切手レーベル)が文句なしに良い。
音質には不利な筈の4チャンネル用プレスにも関わらず、こんなに差がつくとは、アナログ録音の凄さに改めて驚かされた。