青春時代に夢中になって聴いたレコードが、装いを新たに再発された。オリジナル・マスターテープに遡ってのリマスタリング、さらに重量盤へのプレスされたというので、懐かしさから思わず入手した。
ようやく時間のとれた今宵、胸の高鳴りを抑えつつ針を降ろしたものだが、意外にも酔うことができない。そんな自分に戸惑ってしまった。
音楽の大きさや情熱は、十二分に伝わるのだが、弦楽器の音の薄さ、全体のピッチの甘さがどうにも気になって音楽に没入できないのである。
新しいマスタリングによって、かつて聴こえなかった技術的な粗が見えるようになったのか? 否、そうではあるまい。音楽を生業として四半世紀を過ごすうちに、自分の耳や感性が変わったのだと思われる。このレコードを昔のように楽しめないという一抹の寂しさはあるが、それを喜ぶべきものとして受け入れたい。
自分がこれから創り上げる音楽は、遥か先にあるのだ。
ようやく時間のとれた今宵、胸の高鳴りを抑えつつ針を降ろしたものだが、意外にも酔うことができない。そんな自分に戸惑ってしまった。
音楽の大きさや情熱は、十二分に伝わるのだが、弦楽器の音の薄さ、全体のピッチの甘さがどうにも気になって音楽に没入できないのである。
新しいマスタリングによって、かつて聴こえなかった技術的な粗が見えるようになったのか? 否、そうではあるまい。音楽を生業として四半世紀を過ごすうちに、自分の耳や感性が変わったのだと思われる。このレコードを昔のように楽しめないという一抹の寂しさはあるが、それを喜ぶべきものとして受け入れたい。
自分がこれから創り上げる音楽は、遥か先にあるのだ。