本来であれば、大阪フィル第503回定期に於けるシモーネ・ヤングさんの素晴らしさについて書くところであるが、久しぶりに帰宅したもので野暮用山積。
午後からの町田市合唱祭を控え、いまは手を休めて、わたしの中で評価が急上昇している若き日のサヴァリッシュのレコードを聴き、心をリフレッシュさせているところ。
30代から40代にかけてのサヴァリッシュは、学生時代にN響アワーで観た模範的なサヴァリッシュとは別人のような冴えと鋭さがあって、その狂気を孕んだ頭脳明晰さから産まれる音楽のアブノーマルさが溜まらない魅力となっているのだ。
今朝聴いた2枚は、当時の手兵ウィーン響とのものではなく、コンセルトヘボウ管を振ったものだが、これがまた良いのだ。未だメンゲルベルクの魂を宿しベイヌムの息吹を感じさせるコンセルトヘボウ管の鉄壁のアンサンブル能力と無限大の表現力によってサヴァリッシュの才能が伸びやかに羽ばたいているのだ。
曲は、ベートーヴェン「田園」とチャイコフスキー「5番」。
いずれも届いて間もないオランダ・フィリップスによるHI-Fi STEREOレーベル(オリジナル)によって聴いたが、この演奏の底力と奥行きの深さは、韓国プレスのCDからでは知ることのできないものである。
特にチャイコフスキー5番については、モントゥー、ムラヴィンスキー、マタチッチ、カラヤンと並ぶ愛聴盤の列に加わることになりそうだ。
では、そろそろ町田市民ホールへと出掛けるとするか。
福島様
サヴァリッシュの若き日のフィリップスの録音は
素晴らしいものが多いという点で同感です。
特に田園は、ベイヌム時代の美音とサヴァリッシュの
かっちりした解釈が見事にマッチして何度も聞きたくなる
演奏だと思います。
10年ほど前、、この835067AYの
田園の素晴らしさに気が付き、
初期盤を探しまくりましたが、MINT盤を
探してもほとんど出て来ませんでした。
素晴らしい演奏のため状態がいいものが
残っていないのではないでしょうか。
ユニヴァーサルの復刻CDもLPの輝かしさを
再現できているとは思えず、是非SACD化して
欲しいと願っています。
バイロイトの「タンホイザー」「オランダ人」「ローエングリン」、ウィーン響とのブラームス交響曲全集など、いま聴いても新鮮で素晴らしいですね。
CDボックスとはなっていますが、音質的には不満足なのが惜しまれます。