明鏡   

鏡のごとく

「沈丁花」

2018-03-26 22:39:15 | 茅葺
沈丁花がもうすぐ咲くでしょう。

といわれた。

屋根に登って茅をふいていたら、ふく風が甘いことに気づいた。

いつの間にか沈丁花が咲いていた。

この時期に咲くのですね。

あの地が揺れた時期に。

そうして、時が過ぎていくにつれ、そろそろと散ってしまうのですね。

風が記憶の土筆を掘り起こすような匂いを孕んできたのです。

そろそろと、生まれ変わる季節のようです。