庭師の人が
きの薬をぬっていた
太い枝を切り落とされた紅葉の木に
傷はことのほか大きく
薬の色もいよいよ濃くなって
樹血の滲んだようなどすぐろさ
きのかさぶたの下にある
傷をのみでほじくり返して
きの幹に穴を穿つ
その穴を年輪を作る速度で
なんか月もなんねんもかけて
塞いでいくのだ
最初から何も
なかったような
あったような
きのせいだと
幻肢痛を撫でさすりながら
口をすぼめてみせるような
きの薬をぬっていた
太い枝を切り落とされた紅葉の木に
傷はことのほか大きく
薬の色もいよいよ濃くなって
樹血の滲んだようなどすぐろさ
きのかさぶたの下にある
傷をのみでほじくり返して
きの幹に穴を穿つ
その穴を年輪を作る速度で
なんか月もなんねんもかけて
塞いでいくのだ
最初から何も
なかったような
あったような
きのせいだと
幻肢痛を撫でさすりながら
口をすぼめてみせるような