干潮の時
わかめを取りに行った
腰まで浸からないとわかめは取れない
すぐそこにある黒くないひじきをひきちぎる
先っぽのひじきが柔らかいのだよ
すぐそばでわかめがりをしていたじいちゃんが言う
乾涸びる前のひじきは水で潤んだ草色で
波に飲み込まれては吐き出されていた
軽い砂浜の世界は乾いた世界で
風に吹かれて砂紋を描き
重い海底の砂の世界は湿った世界で
海の流れで砂紋を描き
軽い世界は楽しい
と友は言う
重い世界は苦しい
と人は言う
どこかでファンファーレが鳴っていたのだ
世界のおわりとはじまりのような
砂の重さと海の重さが釣り合った世界の
赤い太陽と黒い津波の10年前
わかめを取りに行った
腰まで浸からないとわかめは取れない
すぐそこにある黒くないひじきをひきちぎる
先っぽのひじきが柔らかいのだよ
すぐそばでわかめがりをしていたじいちゃんが言う
乾涸びる前のひじきは水で潤んだ草色で
波に飲み込まれては吐き出されていた
軽い砂浜の世界は乾いた世界で
風に吹かれて砂紋を描き
重い海底の砂の世界は湿った世界で
海の流れで砂紋を描き
軽い世界は楽しい
と友は言う
重い世界は苦しい
と人は言う
どこかでファンファーレが鳴っていたのだ
世界のおわりとはじまりのような
砂の重さと海の重さが釣り合った世界の
赤い太陽と黒い津波の10年前