新型コロナで階級格差がさらに拡大した
14日に投稿した「格差社会から階級社会への変貌」の中で新型コロナ
感染拡大で階級格差がさらに広がったこと、について今回考察してみた。
現代は「資本家階級」「新中間階級」「旧中間階級」「正規労働者」「
アンダークラス」の5階級に分類されてると書いたが、コロナショック
を境に、「資本家階級」から「アンダークラス」までの全5階級において
年収が激減するという結果となり、その衝撃度には階級によって大きなバ
ラツキがでた。
特に、二つの階級「旧中間階級」と「アンダークラス」に集中した。とり
わけ打撃が大きかったのは「旧中間階級」で、世帯の平均年収が19年には
805万円あったが20年には678万円。わずか1年で年収が127万円も激減した。
「アンダークラス」の惨状も厳しく、もともと低賃金労働者が多い階級では
あるが、20年の世帯の平均年収は393万円と400万円を切る結果となった。世
帯収入の減少率12.0%と「旧中間階級」の15.8%に次いで落ち込みが激しい。
緊急事態宣言などコロナ対策では、説得力のある根拠もないのに飲食店、中
でも酒類を提供する飲食店が狙い撃ちされた。その上、十分な補償も行われ
ず「旧中間階級」が経営難に陥り、また、装飾品や衣服、家具など不要不急
のものを扱う自営業者も多く、やはり経営難に陥った。そして、これらの飲
食店や小売店には、非正規労働者が多く働いているため、この二つの階級が
打撃を受けた。
一方、コロナ感染症が「新中間階級」と「資本家階級」へ与えた負のインパ
クトは世帯の平均年収が下がったが比較的軽微のようだ。結局は新型コロナ
感染症の影響で、「資本家階級」・「新中間階級」と、「旧中間階級」・「
アンダークラス」との「階級格差」が益々拡大した結果となったことは、元
々の「階級社会」に変貌した構図が原因であることは言うまでもない。