『ゾロアスターの神秘思想』(岡田明憲 講談社新書 1988) を日付が変わる前に読み終えた。
ゾロアスター教の成立や、他の宗教への影響、果てはオカルト的解釈まで、いろいろと扱っている本書。
神秘思想というタイトルからイスラムのスーフィズム的な内容を想像していたが、
神秘主義について語られるのは最後の一章「秘教の伝統」。
読んでみると、錬金術やら何やらオカルティックな内容で、肩透かしを食らった。
一番興味が引かれたのは、第二章の「光と闇の二元論」だった。
「ズルワーン」 (時間) という概念が、イスラームのスーフィズムで出てくる「二種類の無」に
通ずるものがあるように思われた。
人間がその中で生き唯一感じることが出来るのが「長い自律的な時間」で、
それに対し、世界の創造に先立ち、また世界が無くなった後も続くのが「限界なき時間」であって、
アフラ・マズダはこの無限の時間から有限の時間を切り取って万物を創造したとされる。
時間が存在に先立つというテーマは『存在と時間』が思い起こされる。あれも今年は読みたい。
読むものがありすぎてどこから手をつけたらいいか迷う。
読書も手当たり次第だと無駄が多い。今年は計画的に進めるよう努めてみる。