ボールの前ではトラも子ネコ

 雨があがったので、動物園へ行った。
 家が近いので月に一度くらい行く。しょっちゅう行っているが飽きることはない。相手が生き物だから、毎回違った側面が見え、何かしら新しい発見がある。
園内を一回りし、アムールトラの檻の前へ行くと、飼育係の人が檻に向かって何かをしている。そばへ行って見てみると、トラが大きなオレンジ色のボールで遊んでいた。一抱えほどもある大きなボールは、檻の天井を支点にロープで飼育係とつながっている。係りの人がロープを引いたり緩めたりしてボールを動かすと、トラはボールにじゃれかかるのだ。
やはり、ネコ科である。トラの動きは、猫の遊びそのままだ。
 だがその迫力は当然比べ物にならない。重量感が凄い。120キロの体で華麗に跳びかかる。なめらかに波打つ美しい毛並み。強靭な筋肉。しぐさそのものは猫と同じで可愛いが、恐ろしい。
 係りの人も真剣勝負だ。トラがボールをつなぐロープをくわえて引っ張った。係りの人も全体重をかけて引っ張り返すが、微動だにしない。綱引きのこう着状態が続く。
 係りの人がロープを背に掛け引っ張りながら、トラの頭の骨を箱から取り出し見せてくれた。どうぞ、さわってみて下さいと言ってくれたので、おそるおそる太くて長い牙に指を触れた。あごを全開にすると大人の頭だって入ってしまいそうである。
 ロープを引いたり緩めたりしてトラの口からはずそうとするが、トラはくわえて離さない。しまいにトラの側でロープが切れてしまった。
 トラはメスで2歳の「アオイ」ちゃん。人間の年齢にすると中学生くらいだそうだ。
「次はライオンと遊びますよ」
もちろん飼育係の人について行った。(つづく)



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