ネコとイタチ

 その姿を確認することなしに、天井裏で騒いでいるのがネズミどもだと思っているけど、ときどき、どすんとか、めりめりとか、ネズミとは思えないような大きな音がする。家の外壁に、どこか中へ入れるところがあって、イタチとか、アオダイショウとか、ネズミの捕食動物が入ってくるのかもしれない。そのときの恐ろしい状況をネズミの目線で想像してみたら、天井裏のネズミたちが気の毒になってしまった。
 イタチといえば、京都の北のほうの、日本海の見える町に住んでいる伯母の家にイタチが忍び込んで、伯母の飼っている黒白猫と、けんかになったことがあるという話を聞いた。詳しくは聞かないけれど、猫ともみあいになったイタチが、いわゆる「イタチの最後っ屁」を放って逃走したらしい。イタチは、おならの臭いことで有名なスカンクと同じ仲間である。スカンクは、直接そのガスを浴びると失明の危険があるほどで、衣服についた匂いは4ヶ月は抜けないらしいが、さすがにそれほどまでではないにしても、イタチがおならを放って逃げた伯母の家のお座敷は、その後、数日に渡って、匂いが抜けなかったという。それをまともに受けた黒白猫の鼻は、いったい大丈夫だったのだろうかと心配である。
 子供の頃は、実家の周囲で、よく薄茶色のイタチが道を走って横切るのを見た。今では、その細長い姿もとんと見かけない。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )