マンドリルのマンマル君

 京都市動物園で、23日にマンドリルの赤ちゃんが生まれたというので、生後6日目の日に見に行った。生まれたのは、マンドリル夫婦の第三子となるオスの赤ちゃんである。
 息子の手を引き、入ってすぐのキリンから順に見てまわって、マンドリル舎にたどりつくと、お母さんマンドリルはガラス張りの飼育舎の一番奥で、こちらに背中を向けていた。横にはお父さんマンドリルが付き添っており、見えないけれど、お母さんの胸には赤ちゃんが抱かれているようである。飼育舎の周りを回って、いろいろ角度を変えて見ると、なんとなくお母さんの膝の上に赤ちゃんらしきものが見えて、お母さんは赤ちゃんの毛繕いをしているようであった。
 しばらく待ってもこっちへ来る様子はないので、先に息子の好きなゾウを見に行った。
 再びマンドリル舎へ戻ってみると、ちょうどお母さんが飼育舎の真ん中にある木の台の上に移動してくるところであった。つねに赤ちゃんを大事に胸に抱いているお母さんマンドリルの姿は、同じように赤ちゃんを抱く人間の母親の姿に重なって見えるけれど、人間の赤ちゃんが首も据わらず一人では何も出来ない無力な存在であるのに対し、マンドリルの赤ちゃんは、生まれながらにしてすでに強い腕力を持っている。その証拠に、お母さんマンドリルが両手足を使って移動する際には、落とされまいと、自力でしっかりと母親の胸にしがみついている。
 木の台の上でごろんと仰向けになった母親のお腹の上に、赤ちゃんが乗っている。やはりお父さんは見守るようにそばにいる。二頭いる上の子供のうち一頭も近くにやってきて、マンドリル家族水入らずの様子であった。
 新しく生まれた赤ちゃんは、みんなに親しまれるよう「マンマル(まん丸)君」と名づけられたそうである。
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