アレルギーニモ負ケズ

 このしばらくでずいぶん季節が前進したけれど、アレルギーらしく、春も秋も季節の変わり目は、少々調子が悪い。鼻がむずむずする、大きなくしゃみが出る、目や顔、口の中までが痒い。
 アレルギーといえば、常に猫と暮らしている分にはなんともないのだけれど、長期間猫と離れていると、次に接触したときに、上と同じような症状が出るから、猫アレルギーの気があるようである。症状が出ても、猫と一緒に居続けると、また数日で治ってしまう。
 同じように猫療法で猫アレルギーが治った知り合いがいる。何年か前の秋の、台風が通り過ぎた次の日、Yさんの家の庭に一匹の子猫が迷い込んできた。それまで猫には縁のなかったYさんで、今回も彼女の母親が「かわいそうだけど、いつかれると困るから、ごはんあげちゃだめよ」と言うので、その日はと大丈夫かしらと思いながらも遠くからみているだけだった。それが次の日になると、誰かにちゃんとミルクを与えられているので、おかしいなと思ったら、前の日にだめだと言った当の母親であった。「かわいいからついあげちゃった」らしい。
 かくして子猫はYさん家に入り込んだのだけど、問題は彼女がネコアレルギーだということであった。Yさんは職場の同僚で、この子猫の話を私はリアルタイムで聞いていたのだけれど、はじめの頃Yさんは、あんまりアレルギーがひどいようだと、里子に出すかもしれないと言っていた。それが数日後には、もうすっかり子猫の虜になってしまって、子猫を飼うことにしたのだと言うので、猫アレルギーはどうなのと聞くと、可愛い子猫のためなのだからアレルギーくらい我慢する、と彼女は痒い目をこすりながらきっぱりと断言したので、私は感銘を覚えた。
 それからさらに数日後、Yさんが嬉しそうな顔をして、子猫と一緒に暮らしていたら猫アレルギーが治ったと教えてくれて、私も嬉しかった。
 子猫はYさんの家で、お姫様のように大事にされている。
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