ねこ絵描き岡田千夏のねこまんが、ねこイラスト、時々エッセイ
猫と千夏とエトセトラ
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庭の蚊柱
2007年08月07日 / 虫
そうやって、毎日大量に蚊を取っても、次の日にはやっぱり同じかそれ以上ほどの蚊が湧いている。家にボウフラの湧きそうな場所といえば金魚鉢とメダカの鉢だが、どちらも蚊が卵を産みつけてもすぐに魚たちが食べてしまうだろうから、おそらく近所の庭に小さな池でもあって、そこでボウフラが湧き、うちにやってくるのだろう、迷惑な話だと思っていたら、ある日、いつのまにか親メダカがいなくなっていて、子メダカだけではとても食べられそうもない大きなボウフラがうようよと泳いでいるのを見つけた。
結局のところ、近所迷惑は我が家であったわけで、少しでも他家へ蚊の害が及ばぬよう、ますますラケットを振っている。
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ちょっと疑問な教育番組
NHK教育では、10分から15分くらいの枠で、毎日さまざまな教育番組が放送されている。大人が見ても面白いものもあるし、なるほどと思うものや、うまく作っているなあと感心するものも少なくない。
しかし、これは教育として正しいのだろうかと少し疑問に感じるものも、たまにある。
「わたしのきもち」という番組があって、「相槌を打つと相手が話しやすい」とか、「わからないことはもじもじせずにはっきり聞こう」とか、人とコミュニケーションする力を養うような内容になっているのだけれど、ある回の放送で、「仲間に入れないときには潔くあきらめよう」というようなものがあった。
3人の子供たちがロープを輪にして電車ごっこをしているところへ、緑色の毛むくじゃらな人形「もっさん」が寄せてほしいと言うのだけれど、子供たちは定員オーバーだからと断る。だだをこねるもっさんに、子供たちは不思議な泉を見せる。これは番組のパターンなのだけれど、泉の水面が光って、そこに「うえだくん」と「しただくん」のコントが映し出される。
うえだくんがヒーロー戦隊「信号マン」ごっこをしていると、しただくんが仲間に入れてとやってくる。「信号マンは赤、青、黄色の三人だけで、もう人数が足りているから入れられない」と言ううえだくんに、しただくんは「信号マン・パープル」になって遊びに入ろうとするが、信号に紫はないと、うえだくんに無下に断られる…。
じゃあみんなで交代で遊ぼうとか、そういうオチが来るのだろうと思って見ていたのだけれど、結局番組は、ときには仲間に入れないときもあって、そういうときはあきらめなければならない、という結論で終わってしまい、私はなんとなく納得がいかなかった。
学校ではいじめが問題になっているのに、この番組構成では、仲間はずれの大義名分を与えてしまいかねないのではないかしらと思う。電車ごっこに定員があるなら、駅を作って乗り降りしたりして、交代で遊べばいいし、信号マンごっこだって、いろんな色を自由につくってみんなで遊んだほうが楽しい。またそうやって、どうすればみんなで遊べるようになるのかを考え、工夫をして、子供たちは創造する力を伸ばしていくのだろうと思う。
大人の社会では、定員オーバーの場合はあきらめるしかないのだろうけど、子供の遊びの世界というのは、大人の常識では割り切れない。子供たちの可能性を枠にはめてしまうのではなく、伸ばしてくれるような、そんな番組作りを期待している。
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ネコロジーはエコロジー?
温暖化の影響のために、南極のペンギンの営巣地が水浸しになっている映像をテレビで見たときには、これは何かしなければと思ったけれど、普通に生活しているぶんには、温暖化といわれても、顕著な現象など身の回りに感じないから、あまりぴんと来ない。ただ、毎日毎日、人間の生活から排出されるゴミの山には危機感を持っている。お弁当を買って昼ごはんを食べると、ただ一食のためだけに、頑丈に作られたお弁当のケースが、あっというまにゴミに変わる。こんなことではだめだろうと思う。
ゴミは減らそうと思う。たとえば、紙のゴミは一緒に捨てずに、まとめておいて、古紙回収へ出す。そういうことはやっているが、実のところ、エコという意識よりも、去年の秋から京都市がゴミの有料化に踏み切ったことが大きい。庶民の感覚とはそんなものだと思う。
ネコロジーな生活は、エコロジーにつながるかもしれない。のんびりとその日を生きて、暑い日には木陰でうたたねをし、寒い日には…ヒーターをつけろと人間に催促する。ちっともエコではない。そういえば、最近のみゆちゃんは、冷房のきいた部屋で、布団で丸くなるのを好んでいる。猫砂も毎日必要だ。猫も昔に比べれば、排出する二酸化炭素の量が増えているかもしれない。
(トラックバック練習板:テーマ「身の回りのエコなこと」)
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清水焼団地の陶器まつり
清水焼が普段の3割引から5割引で買えるとあって、陶器まつりの会場付近は、人も車も一杯で、あきらめて帰ろうかしらと思ったところに、たまたま駐車場の空きが出来たので、車を止めて行ってみることにした。
メイン会場は歩行者天国となった通りの一角で、道路の両側にずらりと張られたテントの下に、それぞれの窯元、工房が店を出している。清水焼がどういう焼き物か、あまりよく知らなかったのだけれど、「何某陶房」などと窯元の名前を掲げた露店を覗いてみるに、その作風は窯元ごとにさまざまで、清水焼とはこうであると、とても一言では説明がつかない。絵巻から飛び出したようなきらびやかな図柄のものから、淡い色合いのシンプルなもの、伝統的なものや、モダンなデザインのものなど、千差万別である。
あとで知ったことなのだけれど、見ただけでそれとわかる九谷焼などと違って、清水焼には一言で説明できるような特徴はない。時代ごとに、貴族の家や、茶道の家元など、いろんな職業からの注文に応じることで、清水焼は多種多様に発展してきた。あえて言うならば、陶工たちの洗練された自由なデザインが、清水焼の特徴というところだろう。
だけど、すべての焼き物に共通して言えることは、一つ一つが手作りであるということだ。店先に並ぶ湯飲み一つを取ってみても、形やそこに描かれた絵は、ひとつとして同じものはない。
茶碗などすぐに見つかると思ったら、あまりの数の多さに、かえってこれだと思うものがなかなか見つからなかった。しかし最終的には、蒸し暑いなか探した努力の甲斐あって、菊の文様をたくさんあしらったやさしい色合いの茶碗を、しかも半額の値段で買うことができたので、とても満足している。
今回は茶碗を買うだけで精一杯で、他のものは見られなかった。清水焼団地の陶器まつりが終わって10日ほどあとに、今度は五条の清水坂で陶器市があるから、できればそちらにも行って、なにか掘り出し物を探し当てたい。
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キリンの赤ちゃん生まれる
母親の未来(みらい)は今回が初産。分娩開始から出産まで約2時間かかった。赤ちゃんは、生まれてから約40分後に立ち上がったという。
生後4日目にあたる今日、動物園を訪ねてみた。
赤ちゃんキリンはすでに1.8メートルの高さがあって、生後40分で立ち上がったくらいだから当たり前だけれど、首を高く伸ばしてしっかり歩いていた。ヒトや、肉食動物である猫の赤ちゃんなら、生まれてすぐは何もできなくたって親が守ってあげられるからかまわないけれど、草食動物は、自然界において常に敵に狙われている。生まれてすぐの赤ちゃんさえ、自らの身を守るために自力で立って、走って逃げなければならない。
赤ちゃんキリンは母親の未来と一緒に、床にわらの敷き詰められた屋内の飼育施設の中で、寄り添ったり離れたり、親子の時間を過ごしていた。が、お父さんは隔離である。父親の清水(きよみず)は、外をぶらぶらして水を飲んだり、ときどき、柵をへだてた向こうの檻から顔を覗かせ、妻子の様子を見たりしていた。
母親の未来は、右後ろ足の網目模様にハートの形があることから、カップルのあいだで「幸せを呼ぶキリン」と人気があるそうだが、新しく生まれた赤ちゃんにも、おなじ右後ろ足にハートの形が見つかった。数え切れないほどの模様の中から、偶然の一個を取り上げて、乗せるほうも乗せるほうなら、乗るほうも乗るほうだとひねた見方をしてしまうけれど、そういう模様の形が遺伝されるという事実は、猫の毛の色が親子でまったくばらばらだったりすることなどを考えると、なかなか興味深いと思う。
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