望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

舞台の裏のウラ話・その3

2011-11-03 00:53:33 | 舞台・ウラ話

死ぬ演技っていうと、
「ぐったり」ってイメージがありますよね。
ところが、それだと意外にうまくいかないんです。

死んでるからって、
完全に脱力しちゃダメなんですね。
というか、
少なくとも私は、完全脱力はダメなんです。


実際にやって頂くとわかるんですが、
(って、そんなこと勧めてよいのか??)

体全体を脱力してしまうと、
息を吸うとき、
どうしても深く吸いこんじゃうんですね。

そうすると、死体の胸がフワーッと浮き上がって、
死体ウォッチャーさんを喜ばせてしまう。

なもので、両手両足だけを脱力して、
呼吸は半呼吸と呼ばれる浅ーい呼吸にします。
これがたぶん一番、体が動かないと思っています。


・・・って、こんな話、面白いかなぁ。

書いてて不安になってきた・・・。


でも書き始めちゃったので、
とりあえずお付き合いくださいまし



で、話を続けますと、

半呼吸はいいんですが、これは長くもたないんです。
せいぜいもって10分くらい。

やってみて頂くとわかりますが、
(何でもやらせていいのか!)

だんだん息苦しくなってくるんです。


だから死んでて一番ありがたいのが、
すがりついて泣いてくれたり、
抱き上げてくれたり、

・・・つまり、動かしてくれること!

その間に、どさくさまぎれに「ぶっふぁー」と深呼吸して、
「あ~~、生き返ったぁ~」とほ~っとします(笑)



でもねぇ、1時間も死んでいると、
そうそう動かしてもくれないわけで、

まぁ、さすがの死体ウォッチャーさんも、
そうずっとは見てられなくなるので(当たり前!)
体の負担も楽にはなるのですが、


じーーっとしているうちに、
なんとなく記憶がとんで・・・、

なんてことも・・・ないことは・・・なかった。

だって、寝不足と疲労のピークで、
ゴロンと横になってるんですからねぇ、

そりゃぁ、だんだん、
ぼーーーっと、気持ちよくもなりますよ。

でも、大丈夫!
さすがに、完全に寝入ることはありませんでした。


まぁ本番中ですから、当然といえば当然。

でも、その芝居には、もうひとつ、
寝るに寝られぬワケがあったんです。


        (つづく)
コメント (2)
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