まぁ、そんなこんなで、ヒヤヒヤしながらも、
私は無事に千秋楽まで終わりました。
しかし、順番に死んでいくというストーリー上、
舞台には、死体がどんどん増えていくわけで、
その中には、やはり不運な人もおりまして・・・。
これを書くと、
やたらと説明がくどくなってしまうんですが、
その芝居では、「農薬の袋」がたくさん登場したんですね。
というのも、落盤事故で閉じ込められたトラックが、
農薬を運ぶトラックだった、という設定で。
あ、もちろん、実際に入れたのは、農薬ではなく、
それっぽく色をつけた、猫のおしっこ用の紙砂ですけど、
それをものすごく大きい麻袋にぎっしり詰めて、
5・・・いや、10くらい作ったかなぁ。

とにかく、
ラストシーンでは袋を破いて撒き散らす、
という演出だったため、
みんなで一生懸命作りました。
でも、作ってみて驚いたのが、その重さ!
中身は紙の砂なので、それ自体は軽いんですけど、
大きな袋にぎっしり入れると、あらまびっくり、
私など、持った途端にふらついて落っことしたほど。
それを、芝居の中では、パニックに陥った男が、
高い場所に避難している人たちに投げつけねばならず、
毎回、必死の形相で、
1メートル以上高い場所に放り投げていました。
そんな努力の甲斐あって、このシーン、
なかなか迫力のある、
恐いシーンに出来上がっていたのですが、
・・・あるとき、
投げる若手の手がすべったらしいんです。
で、いつもの決まった場所まで届かず、
少し手前にドーーーン!
避難していた連中が、あわてたのなんの!
重い袋が飛んできて、あわてて逃げる、といっても、
そこは芝居のお約束。
このあたりに落ちて、自分はこっち方向に、この場所まで逃げる、
という段取りは、きちんと決まっています。
(勝手に逃げると照明プランが台無しになる)
ところがどっこい、
飛んできた袋を見たら、
<場所が違うぅぅぅぅぅ!!>
本気で逃げて、さぞやリアルな演技が見られたでしょうが、
・・・そこには1人、
逃げるに逃げられない「死体」が・・・。
(つづく)
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