帰路について、もうこれで何もないだろう、
と思ったところで、
「ピンピロピンピロピンピロリン~」
今度は着メロかいっ!
「あ、ごめんなー。
今なぁ、1泊2日で奈良に来てんねん。
言わんと来てしもたな。
いや、ちゃうねんて、ぎゃぎゃぎゃぎゃ」
(しつこいようですが、
この「ぎゃぎゃぎゃぎゃ」は笑い声です)
この、冒頭のフレーズだけは聞き取れたのですが、
そのあとの言葉が・・・、
私、最初、日本語だと思いませんでした。
関西弁に慣れている私が、
何を言ってるんだか、まったくわからず。
なんて言ったらいいのか・・・、
ありえない言葉の汚さなんです
とても再現できない、すさまじい大阪弁。
このオバチャンたち、
地元ではこんな言葉で喋ってんねんなぁ。
おっとっと、こっちも関西弁になってきた。
携帯の会話は、生のお喋りに輪をかけて、
また一段とボリュームが上がって・・・、
いつになったら切るんだろう、
と待っているのに、
終わりかけては・・・また始まる、
・・・という、先の見えない堂々巡り
あ、でも、これは、
いずこも同じオバサントークの常道だっけ
しかし、彼女の話が、
「ぎゃぎゃぎゃぎゃ、ぎゃんぎゃん」
という音にしか聞こえなくなったとき、
「ならな(それじゃな)切るで。
今、バスの中やねん。
え? 観光バスやて!
お寺、行ってきてんや。
え? どこのお寺て?
そんなん知るかいな」
車内が<ザワッ>と動きました。
やっぱりそうなんかい!
なんとなくお寺に行った、というだけで、
どこのお寺に行ったのかも、
わかってなかったんだ。
いや、
そんなことはどうでもよかったんだ。
せっかくだから、奈良でお寺見よやないか。
ちょうど、このバスが時間がぴったりや。
そういうことだったんだな・・・。
それに、たまたま乗り合わせたのが、
運の悪い我々だった、ってことなのか。
いくつかの降車場で、少しずつ乗客が降りて行き、
オバチャンたちは、我々が降りる終点より、
ひとつ前の場所で降りて行きました。
オバチャンたちを降ろして発車した、
バスの車内に、
一気に広がる・・・静寂。
静かすぎて、頭がしびれてくるほどの、
今までに味わったことのない静けさ。
ほ~~~~~。
ただそれだけ。
残った全員が、その静けさを、
心ゆくまで味わっているようでした。
終点まで、ほんの10分ほどでしたが、
この安堵感。
とても言葉では尽くせません。
降りて時計を見ると、12時20分。
遅れましたが、予定は9時から12時までの、
3時間コースの観光でした。
たかが3時間あまりの観光で、
ここまでのことをやらかしてくれる、
大阪のオバチャン。
ある意味、今回の旅行で一番、
インパクトのある思い出でした。
が・・・、
もう観光バスには、一生乗らないかも
(おわり)
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