走り抜け、とか、走り込み、とか言われる動きがあります。
これは表には絶対に現れない、ウラの動きです。
上手に入った役者が、すぐに下手から現れたり、
もっと効果的なのが、
舞台のそでに引っこんだ役者が、客席から入ってきたり、
こういうの、よくありますよね。
人を追いかけて、
客席の階段を、つきあたりまで駆けあがって、消えて、
次には、そのままの勢いで舞台に登場、とか。
これね、観ている方はなんとも思わないでしょうが、
劇場によっては、
ものすごい運動を強いられることがあるんです。
なにせ移動するのは生身の人間。
手段は「走る」以外にありません。
裏がシンプルな作りだったりすれば、
直線ダッシュで済むのですが、
裏が複雑な劇場では、
これが相当なプレッシャーになったりもします。
そして、小さいながらも、
「劇」小さんが、なかなかにダイナミックなんですね。
階段を下りて上がって、
あたかもクロスカントリーの如く!
(ちとオーバー)
前にも、やはりパラノイアさんの芝居で、
ものすごい走り抜けがありました。
追っ手に追われた男女2人が、
舞台の左側(下手)に引っ込み、
次に右側(上手)の花道から登場する、と言うシーン、
客席から見ていれば、
別になんてこともないシーンなのですが、
裏では・・・、
下手に引っ込んだ役者は、
まず階段を、どどっと降りて楽屋へ入ります。
そして小さな楽屋を走り抜け、
今度はロビーの階段をががっと駆け上がり、
花道から舞台へ出て行くのです。
その間、許される時間は十数秒。
この走り抜けの時間が近づくと、
楽屋にいる人間は、まず、
その近辺の邪魔なものをどけます。
もう、疾風の如くに駆け抜けるので、
衣裳でも散らかっていたら、
大ケガにつながりかねません。
少しでも邪魔にならぬよう、
人間も楽屋の壁にへばりついて、
「来るぞ来るぞ~~」
「もらほら、もうすぐ~~」
と、なぜか喜んで待つのです。
なぜ喜ぶのかわからないのですが、
その迫力と、必死の走りを見ていると、
沿道で日の丸振ってるノリになっちゃうんですね~、これが。
「がんばれ~~」
なーんちゃって。
ということで、
明日はこれを写真でお見せいたします。
(つづく)
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