望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

ウラ話とウラ写真・走れお鹿!

2013-05-30 00:45:36 | 舞台・ウラ話


走り抜け、とか、走り込み、とか言われる動きがあります。
これは表には絶対に現れない、ウラの動きです。

上手に入った役者が、すぐに下手から現れたり、

もっと効果的なのが、
舞台のそでに引っこんだ役者が、客席から入ってきたり、

こういうの、よくありますよね。


人を追いかけて、
客席の階段を、つきあたりまで駆けあがって、消えて、

次には、そのままの勢いで舞台に登場、とか。



これね、観ている方はなんとも思わないでしょうが、
劇場によっては、
ものすごい運動を強いられることがあるんです。

なにせ移動するのは生身の人間。
手段は「走る」以外にありません。

裏がシンプルな作りだったりすれば、
直線ダッシュで済むのですが、

裏が複雑な劇場では、
これが相当なプレッシャーになったりもします。



そして、小さいながらも、
「劇」小さんが、なかなかにダイナミックなんですね。

階段を下りて上がって、
あたかもクロスカントリーの如く!
(ちとオーバー)


前にも、やはりパラノイアさんの芝居で、
ものすごい走り抜けがありました。

追っ手に追われた男女2人が、
舞台の左側(下手)に引っ込み、

次に右側(上手)の花道から登場する、と言うシーン、
  
客席から見ていれば、
    別になんてこともないシーンなのですが、


裏では・・・、 

下手に引っ込んだ役者は、
まず階段を、どどっと降りて楽屋へ入ります。 

そして小さな楽屋を走り抜け、
今度はロビーの階段をががっと駆け上がり、
 
花道から舞台へ出て行くのです。
 
その間、許される時間は十数秒。


この走り抜けの時間が近づくと、
楽屋にいる人間は、まず、
その近辺の邪魔なものをどけます。

もう、疾風の如くに駆け抜けるので、
衣裳でも散らかっていたら、
大ケガにつながりかねません。


少しでも邪魔にならぬよう、
人間も楽屋の壁にへばりついて、

「来るぞ来るぞ~~
「もらほら、もうすぐ~~

と、なぜか喜んで待つのです。

なぜ喜ぶのかわからないのですが、
その迫力と、必死の走りを見ていると、

沿道で日の丸振ってるノリになっちゃうんですね~、これが。

「がんばれ~~
    なーんちゃって。 



ということで、
明日はこれを写真でお見せいたします。

   (つづく)










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