基本、日本髪は自分では結えないので、
ペアを決めて結い合います。
人の髪だからこそ、責任があるので、
いろいろと研究して、結っていくのですが、
そのために、思いもかけなかった、
<意外な落とし穴>がありました。
私は、女郎おみつ役の三嶋祐里ちゃんとペアを組んで、
いつもお互いに結いあって、
別に、何事もなく、本番の日が過ぎていったのですが、
あるとき、
舞台上でおみつの髪を見た、私の顔がこわばりました。
(う・・・、髷がふくらんでる・・・)

この写真は、OKの髷。
上部の大きな髷を、きっちりピンで固定しているんですが、
昼と夜の公演を続けるうち、
少し緩んできたんですね。
で、なんとなく、髷がふんわりしてきてる

もちろん、夜の回も、
出の前にチェックするんですが、
それでも緩んできちゃったんだ・・・

髪を見ていて、
あぶなく、台詞のタイミングを忘れるところでした。
今、冷静になって考えれば、
ほんっとに微々たる緩みで、
たぶん、誰も気づかない程度のものなんですが、
それでも、結った人間には、すぐわかります。
(やばい・・・

となったら、
芝居しながらも、おみつの髪が気になって仕方がない。
そんなときに限って、
シーンが長いときてる

それも、ずっとおみつと絡んでるから、
どうしても髪に目が行ってしまう

それも悪いことに、
そのシーンが終わって、ソデに入っても、
彼女は、次の用意や早替えで、
頭をさわれる時間がない!
そして、やっと、
彼女に時間ができたときには、
こっちが出番で時間がない!
(あああああ)
もう~~~、気になって気になって

芝居も後半にさしかかったころ、
やっとお互いに時間ができて、
直すことができました。
そりゃぁね、誰もわからないだろうから、
気にしなきゃよかったんです。
でも、気になるんです!!!
私だけじゃなく、
相棒の祐里ちゃんだって、
楽屋ですれ違いざまに、
「あっ、ちょっと、すみません!」
なんて、髪を直してくれたりしてましたから。
そういえば・・・、
その昔、日本髪ではないのですが、こうやって、
髪を結い合ったことがありました。
ところが、ペアになった子が、無責任で、
舞台で、私の髷が取れたことがあるんです。
それも、有名な大きい劇場で!
コメディだったから、なんとかなったけど、
でも、どれほど動揺したか。
楽屋に戻って、
「取れちゃったわよ!」
と言ったら、
「あ、じゃぁ、つけます」
・・・それだけかいっ!

まぁ、それよりはずっといい、
そう思っておきましょう。
・・・・・・・・・・・
ということで、
長々と続けてまいりました、「武士の影」公演のウラ話、
これで最終回となりました。
お付き合い頂いた皆さま、
本当にありがとうございました。
しかし、最近、公演のウラ話が長くなっていますねぇ

何でもかんでも書きすぎなのか、
それとも、それだけ「やっちまった」ネタが増えているのか

気がつけば、次の稽古も始まっています。
ということで、
今度は、ライブで稽古場ネタですね。
ま、書く余裕ができたら、ですが(笑)

ありがとうございました


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