日々、あんのん。

からだの育ちの凸凹、学習のスタートラインにつけない人のもっと学びたい、発達したいを応援します。

びっくりは前進の素。

2017-02-26 07:36:12 | 算数
 うっすらと寒い朝です。
寒さが行きつ、戻りつしながら、春は来るんですよね。

 この季節は、風が強い中、満開を迎えていた、
以前住んでいた種子島の桜を思い出します。

 風が強く、さとうきびの葉音が聞こえ、柑橘類がたくさん実る家に住んでいたなぁ〜。

 昨日の教室で、まるいカラーシールを使ってお子さんと学習していました。

 まず、まるいシールが1シートに何個あるか聞くと、
はしっこから、12345…と数えて、「20!」と教えてくれました。

 次に、A4の紙にそのシールをバラバラに貼ってもらいました。
貼り終わってから、「この紙に貼った、まるいシール、いくつあるかな?」と聞くと、
再び、数えて、「20!」と教えてくれました。

 おお、そうか。
「さっき、1シート20だったから、紙に貼っても20だよ!」という段階では、まだないようでした。

 もう一度、同じシールの違う色のものを出し、再び、シールの数を聞きました。
再び、12345…と数えて、「20!」と教えてくれました。

 今度は、ここで
「今度は、ちょっと、頭を使うよ〜。このシールの数を覚えておいてくれる?」というと、
自信があるような、ないような、表情をしながらも、うなずいて
「20!」と答えてくれました。
何度か「シールの数は?」「20!」と確認して、さっきと同じでA4の紙にバラバラにシールを貼りました。

 シールを貼り終えてから、バラバラに貼ったシールの数を聞くと、
「数えるね!」と言うので、今度は、シールの横に数字を書かせて、
シールの数が見てわかるようにしました。

 そして、「20!」と最後のシールを数えて書き終わったので、
「さっき、このシートにシール何枚あった?」と聞くと、
「20!」と答えた後で、
「わ!びっくり。これと同じだ!」とシールをバラバラに貼った紙とシートを目で追っていました。

 再々度、また、違う色の同じシートを出して、
「このシートのシール何枚ある?」と聞くと、間髪入れずに「20!」と答えます。

 「本当に?数えなくても大丈夫?」と聞くと、
大きくうなずいて、「さっき、同じでびっくりしたから大丈夫!」と自信満々です。

 そこで、私が数えることにして、12345…、と数えると、もちろん、20です。
すると、その子がもう一度数えようとしたので、
「20じゃないの?」と聞くと、
「縦だったから、横はどうかなって思ったの」と言っていました。

 私の数え方が子どもの数え方と違っていて、違和感があったのでしょう。
数える方向が違っても、数がいっしょかなぁ、と思ったようでした。
数えて、「20!」と自信満々です。

 この子は、自分の数える方向と私が数える方向の違いにも気がついて、
数え直してみる、そんな細かいところにも気がつく目が育っていたんだぁ、と
私の方も内心びっくりしました。

 そして、再々度、A4の紙にシールをバラバラに貼り、
その数を聞くと、もちろん、「20!」と自信満々、にっこりしています。

 「わー!そうなんだ!びっくり!」
子どもの気持ちが動くと学んでいることも沁み込んでいくのだなぁ、と
その日のお子さんを見ていて思うことでした。

 そして、自分の気持ちが動くと、
例えば、今回のようにシールのシート縦に数えることと横に数えることを
自分で思いついてやってみようという好奇心も湧き出てくるのですね。

 こんな経験を積み重ねて、子どもと数との信頼性ができてくると、
だんだんと数の保存性もできて、算数とももっと仲良くできるかなぁ〜、
きっと、算数だけではない、色々なことを理解し、挑戦していくことにも繋がるんじゃないかなぁと
思ったできごとでした。