ヘコまされた被害者&その家族と不登校児童・生徒&その家族を盛り上げる委員会弁護士の日記

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暴力団員によるゴルフ場の利用

2014年09月04日 14時55分24秒 | 相続
毎日新聞によると
 『暴力団組員であることを隠してゴルフをしたとして詐欺罪に問われた指定暴力団道仁会(福岡県久留米市)会長の小林哲治被告(58)ら3人に対し、東京地裁は4日、無罪(求刑・いずれも懲役1年)を言い渡した。斉藤啓昭裁判長は「一般利用客と同様にゴルフ場を利用したに過ぎず、犯罪の証明がない」と述べた。
 ◇「一般利用客と同様」
 ほかに無罪となったのは同会系組長、篠塚太被告(52)と、指定暴力団住吉会幸平一家総長、加藤英幸被告(67)。3人は2012年12月と13年1月に組員の施設利用を禁じている沖縄県内のゴルフ場で、組員であることを隠して施設利用を申し込み、従業員をだましてプレーしたとして起訴された。
 斉藤裁判長は、「ゴルフ場を欺いた」と認定するには、利用を申し込む時に「組員ではない」と、虚偽の意思表示をすることが必要だと指摘。3被告は名前などを偽りなく申告しており、ゴルフ場も組員かどうか確認する措置などを講じなかったとし、「ゴルフ場の組員排除の措置は徹底されていなかった」などと述べた。
 組員のゴルフ場利用を巡っては最高裁が今年3月、2件の詐欺事件に無罪と有罪の異なる判断を示した。無罪とした事件では、利用者が組員かどうかゴルフ場が確認しなかったことなどを挙げた。有罪とした事件では、ゴルフ場が会員に、組員にプレーさせないことを誓約させた点を重視した』とのことです。

 この裁判の判決では,犯罪の証明がないとして,無罪となっています。つまり,詐欺罪が成立するためには,人をだます行為が必要なのですが,それがあったとの証明がないとして,無罪となったのです。
 しかし,普通,ゴルフをする前に,ゴルフ場はお客に「貴方は暴力団員ですか?」とは尋ねません。そうすると,この判決の論法でいくと,この種の事案では暴力団員はすべて無罪となってしまうのです。
 裁判官が被告人を無罪とした本当の理由はわかるのですが,私は,そもそも,この種の事案を詐欺罪で起訴するのではなく,暴力団員であることだけで罪に問えるようにして(犯罪結社罪の制定),暴力団員はゴルフ場に来れないようにすべきだと思います。

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