いつの時代も、この世の中新陳代謝は常に行われている。鉄道車両についても同様で、新しく生まれて活躍し、そして後継にバトンを渡すことを繰り返す。今人気の国鉄型車両もそうで、第一線での活躍を終えると、わき役へと転じ、そして知らぬ間に両数を減らしながら消えていく。運よく地方に転勤して余生を送る車両たちもみられるが、おおかたこれの繰り返し。しかし、後継に引き継げれば良いほうで、現代ではその引き継ぎさえままならぬ状況のようだ。最近出場したJR東日本の工事用気動車、キヤE195形式。これは現在の機関車けん引による工事列車の置き換えのため生まれたのだろう。これに置き換えることで、さらに運用効率がアップするというわけか?いかにも現代的な発想だが、さらに画一化が進み、ますます趣味性は薄れていってしまう。そう感じる昨今なのだ。
長年親しんだ国鉄型電車、185系が少しずつ減少しているという。また最近見かけなくなったジョイフルトレインの欧風電車485系「ゆう」も帰らぬ旅へ出発すると聞く。彼らの後継車は把握してはいないが、昭和そして平成の時代までもが遠く感じる時が、もうすぐそこまで来ている。
掲載写真は、アントンKが大好きだった10系寝台客車の廃車回送列車。思い出の1コマ。夜行急行列車全盛時代、必ず編成に組み込まれ、そこに繋がっているだけで華やかで豪華に感じた客車たちの廃車回送だ。東海道の創臨でもオール寝台の編成は見られたが、それには間に合わず撮影はできていない。今にしてみれば、随分と横がちに撮影しているが、やはり編成重視で型番がわかるよう撮りたかったのかもしれない。
1982-11-28 回8401ㇾ EF58122 ロネx2+ハネx8 東北本線:栗橋-古河