国鉄時代には、全国各地にスロ81系のお座敷客車が配置され、機関車との色々な組み合わせを楽しんだもの。しかしそれも晩年には、グリーン帯が消されていき撮影意欲が半減とは前記事で書いた。当時の世の中、好景気を反映してか、団体用の特別な車両たちがこぞってデビューすることになるが、国鉄時代に活躍していたスロ81系の更新編成として、同81系でも白い細いラインの入った客車が生まれた。いわゆるファンの間では、シナ座、ミハ座と呼ばれてきた客車たち。しかしアントンKには、どうも同じスロ81系でも物足りず、地味に思えて今までのような意欲が出なかったことを思い出している。ゴハチけん引の機会が多かったが、この外観が好みではなかったのだ。
この客車たちも、晩年統廃合されて水戸局へと転配され、最後の活躍をすることになったが、この時の外観がアントンKにはとても魅力的に映り、再び撮影意欲が沸いた。茶色の車体にはなったが、昔の外観のように太いグリーン帯が入り、スペシャル感が倍増していた。ちょうど国鉄時代のお座敷列車のようないで立ちで懐かしく思ったもの。最後は静かに消えていったが、やはり今でも好みの客車に変わらない。
掲載写真は、その水戸局のお座敷編成「ふれあい」(通称ミト座)を牽くEF8194。秋晴れの東北路を爽快に駆け抜けた。
1989-10-22 EF8194 スロ81 ミト座 JR東日本/東北本線:久田野付近