アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

夜行普通列車「はやたま」

2018-09-26 08:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

引き続き普通客車列車で繋げてみたい。

国鉄時代には、普通客車列車であるのに、列車名の付いたものが存在した。天王寺発着で紀伊半島をぐるっと回り運転された「はやたま」。京都発着の「山陰」と札幌発着の「からまつ」。いずれも夜行列車で運転され、編成に10系寝台客車が数両連結されていた。当時アントンKは、周遊券などを利用して撮影に出かけていたが、宿代をケチってこういった夜行列車を乗り継ぎ、夜明かししたことは数知れず。特に今回掲載の「はやたま」という列車には思い出が多い。利用客が多く、多客時には臨時列車も運転されたと記憶している。走行音のみが響く車内から、窓の外を眺め、ただ無の境地に浸る。もうこんな思いは出来ないだろう。今にして思えば、この何気ない時間が情感となって、限りない思い出となっている。

そんな訳で、その夜行列車「はやたま」を掲載。暮も押し迫ったとても寒い夜、何人かでホームに降り立ち、バルブ撮影を敢行する。ゴハチの前面の連結器付近から、暖房の蒸気が大量に吹き上がり、辺り一面が霧のように煙ってしまった。おかげで機関車の番号も読み取れなくなったが、今にして思えば、こういった光景もどこか風情に感じ趣を感じてしまう。

1983-12-30    921ㇾ  EF58139    「はやたま」   紀勢本線:新宮にて