人生アラカルト

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なにもない道路上での卒業式

2013-10-19 20:52:51 | 行ってみて

石巻で、震災の記録書ともいうべき新刊書を購入した。

うち1冊が三陸河北新報社発行の「津波からの生還」

であった。図書は石巻地方へ発行する日刊紙「石巻か

ほく」に「私の3・11」のタイトルで連載されたものを編

集したものだった。

 

いくつもある《体験》のなかで、「児童に山へ登れと叫

ぶ」を紹介しよう。

相川湾に面する相川小学校校では、津波が起こっ

た時の避難行動は、昔から高台のお宮さんに児童たち

避難させるように決まっていた。地震発生後、校長の片

倉誠之助先生は、子供たちをお宮さんへ逃がしたが、

津波は想像を超えるものだった。「山へ登れ!!」 と

片倉校長は叫んだ。必死に山を登る子供たち。

震災の5日後、10人の卒業式を行う。その時の状況は

次だった。

 

「卒業式は学校近くの道路で行われた。卒業証書はあ

 りませんでしたが、『卒業、おめでとう!』 お祝いの言

 葉を贈りました。涙を流す子どもたち。教師たちは声を

 振り絞り、校歌を歌いました。横断幕も、花もない殺風景な式典

でしたが、涙、涙の感動の卒業式になりました」

 

その光景が見えるようではないか。


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