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あの青い空のように

限りなく澄んだ青空は、憧れそのものです。

まどみちお詩集より

2011-04-03 20:27:38 | インポート

       空

            まど みちお

 子どもたちが 石をなげます

 空へ むけて

 なんどでも なんどでも

   空は 受けとってはくれませんが

   空が 受けとらないはずはありません

   夜ごと きらめいている星たちは

   あれは みんな石です

     この世のはじめから 今までに

     なん億回にか 一どずつ

     なん兆回にか 一どずつ

     とどいたのを

     空が 受けとっては光らせた…

       子どもたちが 石をなげます

       空へ むけて

       空に とどくまで

         あんなに空が 息をとめて

         今か今かと 待っているものですから

         ほんとに 石がとどくのを…

今回の震災で,たくさんの子どもたちが亡くなっています。

そんな子どもたちの 未来に託した夢や 憧れの思いを 空が 理解できないはずは ありません。

空は 息をとめ 今か今かと待ちながら 一人一人の子どもたちが 想い描いた 夢や憧れを しっかりと受けとっては 光らせているはずです。

その光を通して 今 生きている子どもたちは,その子の果たせなかった夢を知り その子の分まで生きていくことの大切さを 感じとるはずです。 

子どもたちは 子どもたちどうしで 空を通して つながっているのだと思います。

子どもたちの なげる石を 空と同じように 息をとめ 今か今かと待つ 大人でありたいものです。

空と同じように 受けとった石を 光らせる 大人でありたいものです。 

復興の主体となるのは,今の子どもたちなのですから。

 

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