アメリカで酷評されたことで、あまりに悪名高くなったミュージカル映画「CATS」を観て参りました。アメリカであまりに酷評されたので、そのままの悪評をネットで繰り返す日本人も多いのですが、いや、何のなんの、これはよく出来た映画でした。
舞台ミュージカル「CATS」を愛する人からすると、よくぞ、舞台の良さを損なわずに、映画に仕立てました!というところ。しかも一番の魅力であるアンドリュー・ロイド・ウェバーの名曲の数々を、舞台以上の音響効果を施して、観るものに舞台以上の感動を呼び起こす内容。さらに付け加えれば、映画用に新たにウェバーが用意した「Beautiful Ghosts」という曲が素晴らしく、エンディングでも、この曲の余韻が残るくらい。
アメリカで厳しい批判を浴びたのは、猫顔のメイクが滑稽だの、ネズミやゴキブリのCGがグロテスクだの、という類でしたが、舞台のCATSを観た人間からすれば、舞台の世界をリスペクトの上、出来るだけそれを再現しようとしているだけだと瞬間で理解できるので、全く気になりませんでした。おそらく、舞台のCATSを知らない人が、初めて映画で観たために、前時代的なCG表現の意味が判らず、トンチンカンな批判を繰り広げてしまったのだと思います。
あと、蛇足を覚悟で、もう一言。舞台でも映画でも、CATSのメイクや演技の細かい動作の根底には、猫に対するリスペクトが溢れています。これを酷評したアメリカ人は、間違いなく犬派の人間で、猫そのものを理解していない人達なんだと思います。