金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【競馬】 欧州調教馬のディープ産駒が「凱旋門賞 神話」をぶち壊す!

2021-06-12 07:41:47 | 競馬

 サンデーサイレンスが日本競馬を世界レベルへ引き上げ、その子 ディープインパクトの産駒が、世界各地のGⅠを制覇しているところですが、故 和田共弘オーナーと故 野平祐二調教師によって創られた「凱旋門賞 神話」が、未だに日本競馬界を縛り続けています。

 すなわち、「凱旋門賞こそが世界最高峰のレースであり、このレースを制してこそ、日本競馬の発展を証明することに他ならない」という神話、というか、呪いが、まだまだ日本の競馬サークルに蔓延しております。

 

 ディープインパクト自身、その呪いに縛られて、4歳秋には欧州遠征を経験しています。結果はご存知のとおり、違反薬物使用(日本では使用可、仏では使用不可の風邪薬)で失格の憂き目にあっています。その子のディープブリランテキズナマカヒキハープスターは、3歳の段階で、この厳しい欧州遠征を強いられ、また、サトノダイヤモンドフィエールマンは、古馬になってからの遠征でしたが、酷い不良馬場でのレースを強いられて、その実力の片鱗すら見せることは出来ませんでした。これらの馬はみな、この「凱旋門賞 神話」の犠牲者だったと言えると思います。

 世界のGⅠレースは、それぞれ特徴が異なっており、日本の競走馬にとっても、馬の個性によって、どの環境が合っているのかは異なります香港の芝レースは、日本に近い、軽い芝の馬場ですが、集まるメンバーは欧州・豪州・日本・地元香港の一流馬ばかりであり、世界的評価も高く、短距離レースは世界一と言われています。豪州のGⅠレースは、短距離から3000mを超える長距離まで幅広く、ときどき世界的な名馬が誕生する豪華な環境です。また、ドバイ・ワールドカップデーに行われる各GⅠは、欧州・米国・豪州・日本など、世界中の競馬先進国から名馬が集まる、真の世界一決定戦となっています。その勝ち馬を見れば、いかに、各国の競馬から見ても公平性を保ったレースであるかが一目瞭然です。

 これらに対して、凱旋門賞はどうでしょうか? 第一次大戦後の1920年に創設された国際レースであるにも関わらず、この100年間、欧州調教馬以外で勝った馬はいません欧州の中でも、ドイツ調教馬は1頭だけ、ほとんどが、英国・仏国・愛国調教馬となっている、非常に偏ったレースです。そのため、米国からの遠征組は、とうの昔から実績がなくなっていますし、豪州からの遠征馬も聞いたことがありません。環境が、外国馬にとってあまりに不公平で、現地の競馬サークルも遠征馬に対して不親切であることが理由と言われています。

 ディープインパクトが遠征した時は、史上初めて、欧州調教馬以外の勝利か?と騒ぎになりましたが、現地の競馬サークルはディープインパクト陣営に冷たく、結果として、風邪薬程度の助言すら受けられませんでした。競馬の伝統国なんて、そんなもんなのだと思います。

 

 だからこそ、欧州調教馬でディープインパクト産駒の英オークス馬 スノーフォールには頑張ってほしい。このまま、凱旋門賞を圧勝してもらって、「凱旋門賞 神話」を破壊してもらいたい。ちなみに、スノーフォールは欧州調教馬ではありますが、日本のノーザンファーム生産馬であります。これを持って、凱旋門賞の呪いから解放されて、日本の馬には、個々の個性に合った海外遠征が企画される時代になることを、切に願っております

 

【追加】ちなみに、スノーフォールの下には、「ニューファンドランド」という同じディープインパクト産駒の2歳牡馬が、A.オブライアン厩舎にいるそうです。万一の場合は、この全弟にも期待致しましょう。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする