7月3日の棋聖戦第3局で渡辺明名人を破り、棋聖位防衛に成功、史上最年少の九段昇段を決めた藤井聡太二冠ですが、6月29日30日の王位戦第1局では、苦手の豊島竜王に完敗、負けず嫌いの藤井二冠が、その夜、どれだけ悔しがったかは想像を超えるものだあったと思います。
しかし、あの負け方をみると、やはり豊島竜王の序盤の構想パターンをちゃんと掴み蹴れていないのは明らかで、かなりの重症だと思います。ここからの11連戦で、叡王奪取なんて、とても現実的ではなく、むしろ王位の防衛だって難しい。
プライドの高い藤井二冠は、練習相手の永瀬王座に対して「豊島竜王対策を是非一緒に研究して!」というお願いをすることもないでしょう。(ちなみに、羽生永世七冠は、一度も勝てなかった藤井聡太二冠対策を、練習相手の木村九段と一緒に研究して、初勝利を実現したのは有名な話であります)
7月6日にはB級1組の対局、10日には竜王戦 挑決トーナメントの対局と続いていますが、そのあとは13日14日の王位戦第2局に向けて、豊島竜王対策を、一人孤独に練るのでしょう。ここでの苦しみの時期は、天才藤井聡太にとって、まさに「臥薪嘗胆」の期間。
でもね、藤井さん。豊島竜王だって、孤高の棋士と言われた時代を超えて、他の棋士との研究会をやるようになって今の地位にいるのだから、一緒に研究を行う相手と対策を練るのは、けして卑怯な方法ではないのですよ。永瀬王座と組んで、豊島対策を行うことに、一日でも早く取り組んでみたらどうでしょう?
ちなみに、徳川家康だって、北条氏康との連携同盟によって、対武田信玄からの国防を図っていました。全然、卑怯な戦法ではありません。藤井二冠、家康を見習ってみてはいかがでしょうか?