本日から将棋の竜王戦第4局が、山口県宇部市の「ANAクラウンプラザホテル宇部」で行われます。ここまでは、挑戦者の藤井聡太三冠が3連勝で、竜王位奪取へ王手をかけている状況。
勢いは完全に藤井三冠にありますので、このまま一気に4連勝が濃厚と申し上げておきますが、この勝利の意味は、多くの報道機関が気にしている、単なる「最年少の四冠達成」などの小さな話ではありません。
まず、竜王と名人は、将棋界のタイトルの中でも、他のタイトルとは、一段異なる格に位置づけられるもの。例えば、現在の藤井聡太三冠のプロ棋士としての序列は第三位です。ちなみに、序列第一位は渡辺明名人で、これは保有しているタイトルが、名人+王将+棋王=名人+二冠、であるから。序列第二位は豊島竜王で、こちらは竜王一冠のみではありますが、主要タイトルを持っている豊島竜王の方が、三冠を保持している藤井三冠より上、という位置づけだから。
この序列が、今回の第4局の結果により、大きく変わる可能性があります。藤井三冠が竜王位を奪取すると、藤井三冠は、竜王+王位+叡王+棋聖=竜王+三冠となり、渡辺名人の、名人+二冠を上回ることとなって、藤井三冠が序列第一位、渡辺名人が序列第二位となります。
この段階で、将棋界では正式に「藤井聡太時代の幕開け」という評価をすることになると思います。名実ともに、藤井聡太棋士が将棋界の第一人者となるからです。今後は、藤井聡太という最強の棋士を、他の棋士たちがどうやって倒すか、という時代に入っていくことになります。
この週末は、将棋界にとって、まさに歴史的瞬間を迎えようとしている時、なのであります。