金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【竜王戦 第3局を振り返って】 豊島竜王へ贈る言葉‥

2021-11-02 07:18:02 | 将棋

 将棋の竜王戦第3局は、10月30日(土)31日(日)に福島県いわき市の「雨情の宿 新つた」で行われて、先手番の藤井聡太三冠が93手で快勝。これで3連勝となり、竜王位獲得まであと1勝となりました。

 戦型は、角換わりの相早繰り銀となりました。この両者は、ここのところ、相掛かりが続いていましたが、過去2回しかない角換わりに。先に仕掛けたのは、豊島竜王。早繰り銀への対応に研究手を繰り出し、これに藤井三冠も引かずに応じる。2日目の昼食に入る前までは、形勢は全くの互角。しかし、昼食休憩後から、藤井三冠が意表を突くように、踏み込んだ手を連続で指したことから形勢が傾き始め、そのまま最後まで、スキのない手順で押し切る快勝譜となりました。

 

 ところで、ここで思い出すのが2008年の竜王戦渡辺明竜王(当時)と羽生善治名人(当時)との七番勝負。第1局から第3局まで羽生名人が3連勝となり、渡辺竜王は全く、自分らしさを見せることが出来ないまま、追い詰められてしまいました。特に、第3局では、傷心のあまり、終局後の深夜に宿を去って、夜行列車で会場から逃げるように帰京する始末

 この様子に、渡辺竜王の奥さま、漫画家の伊奈めぐみさんが、ご自身のBlog内で、そんな夫に対して贈った画像と言葉がこれ!

 

 漫画「スラムダンク」での有名なシーン、安西先生の「あきらめたら、そこで試合終了ですよ‥」という言葉。

 これをきっかけに、渡辺竜王は3連敗後の4連勝を遂げて、見事、初代永世竜王に輝きました。特に、カド番の第4局は、羽生名人の勝利がほぼ確定的だった終盤、そのまま羽生名人が勝ち筋を進めていくと、何と最後の最後に「打ち歩詰め」となり、渡辺竜王による土壇場の大逆転劇が起こりました。まさに、最後の最後まで、「絶対に諦めない!」という渡辺竜王の強い意志が引き寄せた勝利でした。

 

 今の豊島竜王には、この安西先生の言葉を、そっくりそのまま、贈りたいと思います。


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