最後まで、大激戦が続いていた2021年のJRA2歳リーディングサイヤー争いですが、以下のとおり、最終ランキングが決定いたしました。
第1位 ディープインパクト 勝利数34勝 AEI 2.59 賞金4億54百万円
第2位 エピファネイア 勝利数25勝 AEI 1.59 賞金3億96百万円
第3位 ドゥラメンテ 勝利数30勝 AEI 1.20 賞金3億85百万円
第4位 ロードカナロア 勝利数27勝 AEI 1.35 賞金3億73百万円
第5位 ドレフォン 勝利数30勝 AEI 1.46 賞金3億49百万円
第6位 ハーツクライ 勝利数16勝 AEI 1.67 賞金2億92百万円
第7位 ダイワメジャー 勝利数17勝 AEI 1.89 賞金2億86百万円
第8位 モーリス 勝利数21勝 AEI 1.04 賞金2億61百万円
第9位 シルバーステート 勝利数17勝 AEI 1.50 賞金2億47百万円
第10位 キズナ 勝利数21勝 AEI 1.52 賞金2億38百万円
第11位 ハービンジャー 勝利数20勝 AEI 1.04 賞金2億33百万円
第12位 リオンディーズ 勝利数14勝 AEI 1.33 賞金2億04百万円
第13位 イスラボニータ 勝利数16勝 AEI 1.24 賞金1億94百万円
第14位 ヘニーヒューズ 勝利数17勝 AEI 1.26 賞金1億91百万円
第15位 ミッキーアイル 勝利数08勝 AEI 1.43 賞金1億74百万円
第16位 キタサンブラック 勝利数13勝 AEI 1.42 賞金1億70百万円
第1位に輝いたのは、ラストのホープフルSでキラーアビリティが勝ち、またジャスティンパレスも2着となって、産駒が上位を占めたディープインパクト。阪神JFで、産駒サークルオブライフが勝利してトップの地位に居たエピファネイアを大逆転でうっちゃった感じ。2021年の2歳世代は実質的なラストクロップで、頭数がかなり減ってきている中にあって、さすがの結果と言わざるをえません。AEIも唯一2.59と大台が唯一異なっており、種牡馬レベルが段違いであることを示しております。
第2位のエピファネイアは、第1世代のデアリングタクト、第2世代のエフフォーリアに続いて、第3世代でも、サークルオブライフというGⅠ馬を出しました。スーパーホース2頭に続いて、この世代でも大スターを生み出すのでしょうか。この勢いは止まりそうにもありません。
第5位のドレフォンは、今年の新種牡馬。新種牡馬にして勝利数30勝、3億円超の賞金は素晴らしいの一言。ダートでも芝でも、トップホースを出す力があって、2022年がますます楽しみな存在です。
第6位のハーツクライは、朝日杯FSで産駒のドウデュースが勝利。またホープフルSでも4着5着を出して、急上昇するあたりはさすが。
一方で、第8位モーリスと第10位キズナは、昨年の勢いがありません。モーリス産駒は2勝目に時間がかかっていること、キズナ産駒はAEIは優秀ですが、出走頭数と出走回数が少ないことが低迷の原因。
今年の新種牡馬は、前述のドレフォンの他、第9位にシルバーステート、第13位にイスラボニータ、第16位にキタサンブラックが入っており、想定以上に産駒の活躍が目立っています。特にシルバーステートは、阪神JF3着のウォーターナビレラや野路菊Sを勝ったロン、またキタサンブラックは、東京スポーツ杯2歳Sを勝ったイクイノックスや新馬戦の勝利が鮮やかだったラスールなどの産駒を出しており、来年のクラシック路線を賑わしそうな楽しみな産駒を複数出しています。
以上のように、ポスト・ディープインパクトのトップサイヤー争いは、エピファネイアが一歩リードした形となっていますが、2021年の新種牡馬陣を含め、まだまだ新しい勢力図は固まってはおりません。このあたりは、2022年に入っても、『2019年生まれの世代別サイヤーランキング』に引き継ぎながら、趨勢を見極めて参りたいと思います。
【補足】このBlogでは、いわゆるサイヤーランキングでの種牡馬成績は追いかけていません。ディープ・キンカメ亡きあとのトップサイヤーを見極めるためには、何世代も積上げたサイヤーランキングでは、その趨勢が見えてきません。すなわち、ベテラン種牡馬の産駒は何世代もいますが、新種牡馬は1世代しかいませんので、それを単純比較をしても意味がありません。
最新の1世代を比較するのが、『2歳サイヤーランキング』であり、『20××年生まれ世代別サイヤーランキング』。これであれば、ベテラン種牡馬でも、新種牡馬でも、基本的には同じ土俵で比較することができます。これによって、新たなトップサイヤーがどの種牡馬になるのかを、素早くかつ、ジックリ見極めて参ります。