金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【2024年 JRA顕彰馬投票】 投票権を持つ記者の皆さん、責任ある投票を‼ <再掲>

2024-06-04 01:08:29 | 競馬

 いよいよ投票です。

 しつこいようですが、当blogの2024年5月22日の記事を再掲いたします。

 投票権を持つ記者の皆さん、「責任ある投票」をお願いしますよ!

 

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 今年も日本ダービーが終わるとすぐに、JRA顕彰馬の投票が行われます。

 

 昨年の今頃も、相当厳しいことを申し上げましたが、昨年の『2023年 顕彰馬投票』は、ようやくアーモンドアイが選出されましたが、あと2年しかチャンスのないキングカメハメハは顕彰馬に選ばれませんでした

 原因は、明らかに「投票権を持つマスコミ関係者の中に、見識に乏しい人間が相当数混ざっているから」であります。

 

 昨年も申し上げましたが、もともとJRA顕彰馬制度が始まった当初は、その選定にあたっては有識者による「顕彰馬選考委員会」の審議によって決定されていました。さすがに、この頃の有識者は、知識も見識も高い方ばかりで構成されていたので、最初の10頭、次の5頭と、誰が見ても「なるほど‥」と思える選定結果になっておりました。

 それが、トウショウボーイが選定されて、テンポイントが選定されなかったタイミングの時、関西の競馬ファンの世論やマスコミが「異論」を唱えるようになり、もっと一般の競馬ファンの声が反映される形の選定方法へと、舵が切られることとなりました。結果として、2001年からは現在とほぼ同じ、マスコミによる投票方式となり、幾つかの細かな変遷を経て、現行の選定ルールは2015年に確定しました。

 投票権を持つのは『10年以上競馬報道に携わっているマスコミ・新聞記者』1名4頭までの連記式投票を行い、総投票者の3/4以上の得票が得られれば、顕彰馬へ選出されることになります。これはこれで、アメリカも同様の仕組みになっており、問題なさそうに思えますが、『10年以上競馬報道に携わっているマスコミ・新聞記者』というのが怪しい仕組みの元になっています。

 この中には、JRA馬事文化賞を受賞するような見識者もいれば、スポーツ全般を担当しているような競馬素人記者の方も混ざっています広く生産界から地方競馬の運営面まで心血を注ぐ見識者もいれば、単にTV視聴率あるいは自らのSNSのフォロワー数のみが関心事のマスコミ関係者も混ざっているということ。後者のタイプが増加傾向にあることに、強い不信感を抱くのはワタクシだけではないと思います。

 

 結果として、今の投票方式では、現役時代をなるべく長く活躍して、獲得したGⅠ数が多い馬ほど、早く選定されやすい状況になってしまっています。怪我や生産界の事情で早く引退したあと、種牡馬として、あるいは繁殖牝馬として大活躍した馬には、陽が当たりづらい仕組みになっているということ。

 その代表例が、キングカメハメハ。GⅠ獲得は、日本ダービーとNHKマイルCの2つだけではありますが、種牡馬としての成績は、2024年5月19日現在、産駒のJRA通算勝利数は2221勝、JRA通算重賞勝利数は140勝で、第1位サンデーサイレンス、第2位ディープインパクトに次ぐ、堂々の第3位。日本の競馬界へ残した功績は、過去の表彰馬たちと較べても、遜色ないどころか、頭一つも二つも抜けた存在となっています。しかし、このキングカメハメハが、まだ顕彰馬に選定されていません登録抹消から20年以上経過すると、選定されるリストから外れてしまうので、2004年に引退したキングカメハメハにはもう今年しかチャンスがありません

 

 

 今年は、無敗の三冠馬コントレイルに票が集まることは予想できますが、20年前に引退したキングカメハメハにも、忘れずに票が集まるかどうか心配になります。また、産駒が3頭も人気種牡馬となっている名牝シーザリオもあと3年で資格を失いますが、この名牝に票を投じる記者が毎年少ないのが実情。種牡馬時代や繁殖牝馬時代の実績にはほとんど興味がない、素人同然のマスコミ関係者が多過ぎるのです。

 ワタクシも、もうグタグタ言うのは止めにして、投票権を持つマスコミ関係者の方々に対しては、「4票持っている投票権のうち、キングカメハメハとコントレイルとシーザリオの3票については、黙ってそう書いてくれ!」と言いたいところですが、ぜひ「責任感を持って投票を!」と申し上げておきたいと思います。

 

 もし、今回もキングカメハメハが顕彰馬に選定されないこととなったらば、私は今の選定方法を止めて、元の有識者による「顕彰馬選定委員会」の復活を提唱したいと思います。

 

 ワタクシは民主主義の信奉者ではありますが、今の顕彰馬投票は、明らかに「ポピュリズム=愚民主義」に陥っていると思います。

 もし「ポピュリズム=愚民主義」に陥ったら、一度元に戻してやり直す方が、民主主義の基盤を守ることに繋がると信じております。

 


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