今週初めのニュースで、キャベツの値段が高騰していると報じられました。
兵庫県尼崎市のスーパーでは、5日に1玉1090円の値札が付いたとのこと。東京のスーパーでも500円以上の値札が付いているところが続出しているそうですから、12月から続いている「天候不順=雨が降らない」状態が影を落としているようです。関東地方も6日は久しぶりに雨が降りましたが、農林水産省によると、当面はこうした野菜の高騰が続くとのこと。
ところで、キャベツ1玉が500円だ、1000円だといっている時に、同じスーパーで「キャベツのカット野菜」が100円位で売られているのはなぜ? と疑問に思う方はいらっしゃると思います。
かつてワタクシが銀行員だった頃、都心を中心に展開している食料品スーパーを担当していたので、その食料品スーパーの副社長さんに事情をお聞きしたことがあります。その理由は、
「『生鮮野菜』はその時々の時価で売ることが基本でありますが、『カット野菜』は工業製品の位置付けであるため、売値価格を簡単には変更できないのです」ということらしい。
すなわち、『カット野菜』は、ソース・ケチャップや御菓子類と同様に、原材料価格がその時々で上下したとしても、売値価格は簡単には変えられないということ。これは、製造元・卸売元も、販売するスーパーも同じルールで縛られている。だから、上昇下落が激しい生鮮野菜市場の状況によっては、『カット野菜』は儲からないどころか、赤字の原因にもなり得る商品とのこと。
今のような状況下、製造元は『カット野菜』の生産量で調整するしかない。全く商品を出さない訳にはいきませんが、それでも出荷量を減らすことで赤字幅を縮小させるということ。
スーパーに行った時に、ぜひ『カット野菜』コーナーをご覧ください。今でも商品が並んでいるとは思いますが、常時よりも並んでいる量が圧倒的に少ないはずです。
それでも、1玉1000円のキャベツを買うことに較べれば、『カット野菜』が残っていれば、これを100円で買うことが出来るので、消費者にとっては非常に有難い存在。
天候不順の現環境下、『カット野菜』も活用いたしましょう。
午前中ならばまず、残っておりますよ!