先週の金曜日にお話したファクターXシリーズの続きです。
京都大学IPS研究所の山中教授は、「日本の新型コロナ感染率や致死率が、欧米と比べて著しく低い事実には何か理由があるはず。そのファクターXを解明すべし」と強く主張しておられます。
この週末に、新しい仮説が報じられていましたが、今回のコロナウイルスは、武漢で流行したK型と、その後、重毒化して欧米で流行したG型の2種類があります。実は、日本では1月から2月の観光シーズンに中国から150万人の観光客が押し寄せており、この時期にK型が潜在的に蔓延していたという仮説。というのは、このK型は弱毒性ウイルスであり、殆どの感染者が、自らの感染に気がつかず、集団免疫を獲得していたため、その後3月後半から流行した欧米経由のG型に対しても、大きな被害に繋がらなかったというストーリーです。
このストーリーだと、日本の対応速度がトロトロと遅かったことが、かえってK型流行という幸運を呼んで、その後のG型への抵抗力を得ていたということなので、国内外の専門家たちからも「納得がいく仮説」として評価されているとのこと。
いずれにしても、大規模な抗体検査が行われれば、この仮説が正しいのかどうかも分かるので、抗体検査体制の早期の構築が待たれるところです。
もしこの仮説が正しいとすると、弱毒性のK型でワクチンを作れば、弱毒性のため副作用も少なく、しかもG型にも有効だということなので、次の対応のスピードアップにも繋がる大発見になります。期待を持ちたいと思います。