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映画、読書などのメモ

リリィ、 はちみつ色の秘密

2017-07-25 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★リリィ、 はちみつ色の秘密
原題:The Secret Life of Bees(2008)
監督:ジーナ・プリンス=バイスウッド
2008/アメリカ

僕は毎朝、スプーン一杯のはちみつをいただきます。
はちみつファンです。

疲れている時は、はちみつのとろり甘さが効きます。国内産のはちみつは繊細なしっとりとした優しさを感じますが、外国産というか、欧米やオセアニア産は、濃厚な香りがして大地の優しさを感じさせます。はちみつ瓶の形やラベルもいろいろ個性的で癒し系デザインです。蜂蜜ショップはちょっとした癒し空間であり、街で出会うと、蜜に惹かれるように覗きます。

今回は「はちみつ色」というタイトルに惹かれて映画を観ました。 物語はアメリカ60年代初めの南部。有色人種の平等(ボクらアジア人も含みます)を求める公民権運動の激しい時代でした。 “「I have a dream.私には夢がある。いつか、過去の奴隷達の子孫と奴隷所有者の子孫が、一緒にすわる事ができるだろう。” これはキング牧師の有名な言葉ですが、当時は、一緒にレストランに入ったり、映画を観たりすることはできなかったという時代でした。映画の中でも、公民権を申請に行く黒人女性が暴力を受けたり、一緒に映画を観ただけで拘束されたりとちょっとびっくりするような場面があります。一瞬、キング牧師が写真で登場しました。(ありがとう!キング牧師)

映画の監督、脚本ジーナ・プリンスは黒人女性です。「公民権運動の時代」への共感を抱きながら、テーマは一人の少女の「自立」です。登場人物ひとりひとりの心情を丁寧にすくいあげていくきめ細やかな演出に心が洗われる想いでした。いつものことですが、女性監督、脚本の繊細さと母性愛表現の素晴らしさにはほとんど「ゆりかご」状態にさせられます。

物語のヒロインはもちろんリリィ役の14歳ダコダ・フャニングです。大きな黒い人たちに交じっても存在負けすることなく演技力で勝負できるのはすごいこと。表情はまだ幼さが残りますが、大女優の風格さへ漂っていました。

黒人ボートライト姉妹は「スマートさとキュートさ」ばかりか「気高さ」を感じました。オーガスト役のクィーン・ラティファの大らかさと威厳、ジューン役のアリシア・キーズのキュートな芸術性、メイ役のソフィ・オコネドーの繊細な表現力。三人の個性が際立っています。そしてメイド役のジェニフャー・ハドソンは強い意志力持つ女性。そんな彼女達がところどころでリズミカルな音楽センスをちらりと魅せてくれます。そこがこの映画の魅力の一つです。

濃厚なとろりとした大地の香りのするはちみつが恋しく想う映画でした。 みつばちが活躍するのは「花の季節」ですから、春から夏でしょうが、撮影が行われた季節は明らかに冬枯れの季節。花も緑もほとんどありません。森も枝ばかりの様子。冬の光が眩しいくらい注いでいましたが、映像は柔らかく感じ、いつかもう一度みたいなぁと思わせました。

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