アートインプレッション

株式会社アートインプレッションは、美術展の企画を主な業務としている会社です。

ヤマハ銀座店にてエリック・サティ特設コーナ設置中

2016-06-07 16:13:34 | サティ
ヤマハ銀座店にてエリック・サティ特設コーナ設置中



ヤマハ銀座店にて「サティの曲、発見!~生誕150年を記念して~」と題したエリック・サティの特設コーナーが設置されています

サティといえば、昨年「エリック・サティとその時代展」を開催し、多くの皆さまにご好評いただきました。
エリック・サティは、20 世紀への転換期に活躍したフランスの作曲家です。
ジャン・コクトーやパブロ・ピカソとも交流があり、第一次大戦中より舞台作品も手がけ、バレエ・リュスの公演《パラード》やフランシス・ピカビアとともに《本日休演》を成功させました。
また、彼はアンドレ・ドランやジョルジュ・ブラックといったダダイスト達にも大きな影響を与えています。

マン・レイに「目を持った唯一の音楽家」と評されたサティと刺激を与え合った同時代の芸術家たちの交流や作品を通して、作曲家エリック・サティの新たな側面をご覧頂きました。


コンスタンティン・ブランクーシ《エリック・サティの肖像》1922年
フランス現代出版史資料館 Fonds Erik Satie - Archives de France / Archives IMEC



今年、生誕150周年を迎えるサティ。
ヤマハ銀座店の特設コーナーでは、ピアノ譜を中心とした楽譜、CD、また書籍やグッズなどが100種類以上を集められており、
スタッフの方が選んだオススメの曲も、コメント付きで紹介されています。

      

「エリック・サティとその時代展」 図録


そして、このコーナーの限定商品として、2015年に開催された展覧会「エリック・サティとその時代展」の図録を特別に販売して頂いています
手稿譜をはじめ、当時のポスターや写真に至るまで、展覧会で展示された全作品が掲載されておりますので、サティと彼の生きた時代を感じることの出来る充実の1册になっています。
しかも図録には、サティの曲を収録したCDも付いていますので、目と耳の両方でサティの作品を楽しんでいただけます

  

プレイボタン(裏側で操作ができるようになっています


限定商品はそれだけではありません
展覧会のオリジナルグッズ「プレイボタン」も販売されています
4cm程のバッチのような形態のこのボタン。
実は、イヤホンを挿すと音楽プレイヤーとして音楽を聴くことができるんです
ボタンは、サティのトレードマークである山高帽とサティ直筆のサインをデザインしています。
サティのジムノペディやピカデリー、ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ、プーランク作曲即興曲15番など11曲の楽曲が入っており、いつでもどこでもサティやその時代に活躍した作曲家たちの音楽を楽しんで頂けます

期間限定の商品ですので、普段店頭には並んでおりません
特設コーナーは6/12(日)までの開催ですので、皆さまこの機会を是非お見逃しなく




ヤマハ銀座店
〒104-0061
東京都中央区銀座7-9-14

【アクセス】
地下鉄銀座駅 A3出口 徒歩5分

【定休日】
毎月第2火曜日(8月・12月は除く) / 決算日(3月末・9月末) / 年末年始(12/31~1/2)

詳細は、ヤマハ銀座店 イベント詳細ページをご覧下さい。
http://www.yamahamusic.jp/shop/ginza/event/satie-score-150years-anniversary.html

サティの生まれた街、オンフルール

2013-08-30 12:34:41 | サティ
エリック・サティ展
サティの生まれた街 オンフルール


現在企画中の展覧会、「エリック・サティ」展。

エリック・サティは、「ジュ・トゥ・ヴー(おまえが欲しい)」「エンパイア劇場のプリマドンナ」を始め、誰もが口ずさむことのできるシャンソンから、演奏者に840回もの繰り返しを要求する「ヴェクサシオン」、今や定番の「ジムノペディ」「グノシェンヌ」まで、世紀末パリにおいて音楽の新しいスタイルを考案しては、振り向きもせずに新しい実験に夢中になった作曲家です。

20歳でモンマルトルのカフェ=コンセールのピアノ弾きを始めて以降、既成の価値観にとらわれないサティの音楽はドビュッシーやラヴェルなど同世代の音楽家の感性と共鳴し、さらにはジョン・ケージやマン・レイなど、20世紀の芸術家にもその発想を紡いでいます。
サティ音楽の根底には、当時のカフェ=コンセールに溢れていたブラック・ユーモア、ボヘミアンな風潮が影響していますが、さらに遡ると、ノルマンディの港町オンフルールの情景に辿り着くことができます。


オンフルールの旧港。現在はこの景色と一緒にムール貝とシードルを楽しむレストランが沢山あります


19世紀末にはウジェーヌ・ブーダンやモネなど、印象派の画家たちに愛されたオンフルールですが、21世紀の現代においてもなお、風光明媚な港町として多くの人を魅了しています。
サティが音楽を習い始めたのはこの街の教会でした。聖カトリーヌ教会のオルガン奏者の指導のもと、グレゴリオ聖歌はじめ、ノスタルジックなこの街で、サティは次第に中世教会音楽の世界に引き込まれていきます。

サティの生家も、現在はサティ・ワールドを堪能出来る観光名所となっていて、その人柄を思わせるユーモラスなインスタレーションが見どころとなっています。
内容とはあまり関係ありませんが、個人的には自動演奏ピアノをメインとした最後の部屋で、YAMAHAを使用していたことに親しみを覚えました。
(おそらく同じ親しみを覚えた方がYoutubeに動画をアップしています。http://www.youtube.com/watch?v=y8XYo_UZOuw


サティの家より。


まだ始まったばかりのサティ企画。
これからも少しずつご紹介していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。





生誕150年/没後90年記念 エリック・サティ展 1

2013-08-13 17:45:13 | サティ
生誕150年/没後90年記念 エリック・サティ展


前回に引き続き、現在企画中の展覧会をご紹介


ボナ「サティ」1990年
黒服に山高帽子という独特の装いが有名だったとか・・・


「20世紀音楽のルーツ」と言われるサティの音楽

皆さんも、ジムノペディや先日NHKのEテレ「らららクラシック」で特集されていた
「あなたが欲しい」等は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
NHKEテレ「らららクラシック」のサティ特集頁はこちら
http://www.nhk.or.jp/lalala/archive130713.html


華やかで情熱的な愛を語る音楽を作っていた彼は、一方で、「音楽会の変わり者」と称されています。
ご存知でしたか?

そんな興味深いエリック・サティにまつわる資料、絵画、ポスター、雑誌、映像、楽譜のほか、
音楽も演出として使った、目と耳の両方からサティと当時の芸術文化をご紹介するのが
今、企画中の展覧会です

エリック・サティが活躍していた19世紀末から20世紀初頭のパリは、
様々な芸術家達がカフェ=コンセールに集まって、交流し、
新たな芸術を生み出す為に試行錯誤を重ねていました。

カフェ=コンセールとはいわゆる音楽喫茶
この頃は大きな戦争もなく、パリの待ちが最も華やかだった時代。
だからこそ芸術も娯楽も発展した時代と言えます。

有名なカフェ=コンセールには、弊社が展覧会を行ったのでご存知かもしれませんね。
展覧会の内容はここをクリック

スタンランのポスターが有名な「シャ・ノワール」だったり・・・

テオフィル=アレクサンドル・スタンラン
《「シャ・ノワール」新装開店》1896年 個人蔵

見たことありますよね?この黒猫。
あと、ロートレックのポスターでしられるディヴァン・ジャポネもそうですし、


アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《ディヴァン・ジャポネ》1893年


ダンスホールだったムーランルージュが隆盛したのもこの時代。
サティもそんな場所で生活費を稼ぐ為にピアニストとして活動し始めるのです。

勿論、当時はアカデミーとは一線を画した活動をする芸術家達も多く、個性はぞろい。
しかし、サティはそのなかでもひときわ”変人”と言われただけあって、
なかなか世の中に理解してもらえない。

分かりやすくいうと、今で言うオカルト集団といえる「薔薇十字教団」のメンバーになったり、
(2年程で辞めたそうですが・・・)
自分を教祖とする信者のいない教団を次々作っては解散したり・・・

やはりどう見ても変わってますよね~

でも、そんなサティも、人との交わり、理解を求めようと、
流行歌であるシャンソンを手がけるのです

次回は、このシャンソンを手がけたのち、舞台用音楽を手がけるようになるまでを
当時の芸術家達との交流を含めてご紹介しますね

ん~サティ、本当~に奥深くて、とても1回では書ききれません