展覧会の振り返り2:リサ・ラーソンと信楽がコラボレーションした特別な作品
「生命の樹」とマティアス・ラーソンさん 2015年撮影
(撮影;弊社代表市川)
みなさまこんにちは。
すっかり春らしい季節になりましたね
本日は、2015年3月7日〜6月7日に滋賀県立陶芸の森 陶芸館で開催されたリサ・ラーソン展のために制作された
モニュメント「生命の樹」とグッズとして販売を行った「しんじるたぬき」についてご紹介いたします
みなさまもご存知のように、滋賀県・信楽町は陶磁器の信楽焼でとても有名な町です。
陶芸の町にある滋賀県立陶芸の森 陶芸館での展覧会は、リサ・ラーソンさんにとって大変喜ばしく、貴重な機会となりました
リサ・ラーソンさんは、1950年代以来日本の芸術や美学にとても親近感を抱いており、
特に日本の陶磁器には特別な憧れと尊敬の念を抱いています。
リサ・ラーソンさんの中に、これまで制作におけるインスピレーションを受けてきた日本への感謝の思いを
届けたいといった思いが芽生え、日本への感謝の思いが込められた花束型のモニュメント「生命の樹」と
展覧会のために作られた商品「しんじるたぬき」が生まれたのです
ところで、「生命の樹」はなぜ樹がモチーフなのだろう・・・と思った方も多いのでは?
樹は北欧神話や菩提樹の下で悟りを開いたというブッダの話など、様々な言い伝えや概念において創造の象徴とされることが多くあります。
リサ・ラーソンさんにって樹は「成長し豊かな果実をつけ、生み出してゆく創造者」であり、
モニュメントには、「異なる文化をつなぐ 取り組みが世界に届き、永遠なる創造を願う」彼女の想いが込められています。
ちなみにこの作品は、もともと1970年代グスタフスベリ社の実験室にて試作が繰り返されていた
生命や美、想像に対する賛美をテーマにした木の作品が元になっています。
実は、数多くある試作品の中のうちの一点「ファンタジー・ツリー」が、
2020年〜2021年にかけて開催した「リサ・ラーソン展 創作と出会いをめぐる旅にて出品されていました!
リサ・ラーソン 「ファンタジー・ツリー(ユニークピース)」 1970年頃
[リサ・ラーソン展 創作と出会いをめぐる旅(2019-2021開催)に出品された作品]
©Lisa Larson / Alvaro Campo
リサ・ラーソン(デザイン)/絵付=青木寿美子 モニュメント「生命の樹」 2015年 滋賀県立陶芸の森陶芸館所蔵
屋外にて展示されている様子(撮影:弊社スタッフ)
「ファンタジーツリー」と「生命の樹」を比較してみると、共通点が多くありますね
ちなみに「ファンタジーツリー」は高さが46cmなのですが、なんと「生命の樹」は2mを超えるとても大きな作品!
この作品は、リサ・ラーソンさんから送られてきたデザイン画を元に、複数のパーツ、工程を経て滋賀陶芸の森のスタッフの方々や信楽の作家さんたちによって制作が行われ、最終的にはリサ・ラーソンさんのご子息でありアーティストのマティアス・ラーソンさんが遥々スウェーデンより来日し、モニュメントの完成に立ち会いました。
今もなお滋賀陶芸の森陶芸館の屋外に展示されており、観賞いただくことができる作品なのですよ
このモニュメントの他、滋賀県立陶芸の森 陶芸館では、「しんじるたぬき」という可愛いたぬきのオブジェ(リサ・ラーソンさんのジャパンシリーズとして信楽の窯元とコラボレーションして制作されたもの)の販売も行いました。
信楽焼といえば、タヌキの置物を思い出す方も多いのではないでしょうか?
日本で縁起がいいとされているタヌキをモチーフに作られたのは「信楽焼といえば、タヌキ」とったイメージだけではなく
きっと日本の幸福や今まで持ち続けてくださっていた日本への愛がたぬきの形に込められたのではないかなと思います
*しんじるたぬきの画像は、下記TONKACHIのサイトよりご覧いただけます。

リサ・ラーソン新作陶器 信楽焼「しんじるたぬき」先行発売中!!
陶芸の森美術館(滋賀県甲賀市信楽町)で開催中の「リサ・ラーソン展」にて新商品が先行発売となります。信楽(しがらき)と言えば、もちろん「たぬき...
信楽焼「しんじるたぬき」
日本には信楽の他にも陶芸の地がたくさんございますが、
また日本のどこか陶芸の地でリサ・ラーソン展が開催できたら・・・
と思っています