アートインプレッション

株式会社アートインプレッションは、美術展の企画を主な業務としている会社です。

ブダペスト国立工芸美術館名品展 『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』 出品作品のご紹介⑳

2021-12-09 11:47:22 | ブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』出品作品

ブダペスト国立工芸美術館名品展

『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』

出展作品のご紹介⑳

 

ジョルナイ陶磁器製造所 《花瓶》成型デザイン:シャーンドル・アパーティ・アブト 1903年 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 

 

みなさまこんにちは

今回はブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』に出展している作品紹介の
第20回目

本日はジョルナイ陶磁器製造所の《花瓶》をご紹介いたします。


まず、これらの作品の形にご注目ください。何かに似ておりませんか?

胴部がくびれたスリムなデザイン…

そう!世界的にも有名な炭酸飲料、コカ・コーラのボトルを連想させませんか?

誰もが一度は目にしたことのある親しみのある形。なんだかそれだけで愛着を感じますね

 

ジョルナイ陶磁器製造所 《花瓶》成型デザイン:シャーンドル・アパーティ・アブト 1903年 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 

続いて、これらの作品の装飾に目を凝らすと、花や葉、つたなどの植物がとても繊細に描かれているのが分かり、
これはヨーロッパの工芸美術が、自然を尊重するという日本の美意識を受け入れたことを示しております

とりわけ胴部分の、立体的に浮き出ている葉の茎のデザインは、作品に躍動感を与えており、素敵ですよね

また、左の作品には蝶、右の作品には鳥の姿も見て取ることができ、まるで描かれている植物に
魅了されて飛んできたようにも思われます

植物や動物などの繰り返されるモチーフを規則的に、かつ正確に絵付けすることは、精緻を極める繊細な作業で
ありましたが、ジョルナイ陶磁器製造所は多彩な色調や着色ラスター彩を使用することで、並外れた品質の作品を
制作することに成功したのでした


本日の作品紹介はここまで。ぜひ会場で実際にご鑑賞いただけましたら幸いです


ブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』は、
パナソニック汐留美術館にて12月19日まで開催中です


*パナソニック汐留美術館では新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を実施中です。

ご来館の際は、下記予約サイトでの日時指定予約にご協力をお願いします。

https://www.e-tix.jp/shiodome_museum/

 

パナソニック汐留美術館

〒105-8301 
東京都港区東新橋1-5-1 
パナソニック東京汐留ビル4階
ハローダイヤル 050-5541-8600

https://panasonic.co.jp/ew/museum/ 


■会期 

2021年10月9日(土)~12月19日(日)

■休館日
水曜日 ただし11月3日は開館

■時間
午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで) ※11月5日(金)、12月3日(金)は夜間開館 午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)

■入場料

一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円、小学生以下:無料 
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。

■アクセス

下記URLよりご確認いただけます。

https://panasonic.co.jp/ew/museum/access/

 

 

 

 

 

 

 

 


ブダペスト国立工芸美術館名品展 『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』 出品作品のご紹介⑲

2021-12-06 17:24:10 | ブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』出品作品

ブダペスト国立工芸美術館名品展

『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』

出展作品のご紹介⑲

 


ミントン社 「セラドン釉皿 睡蓮に蜥蜴と貝図皿」1878年 ブダペスト国立工芸美術館蔵


ミントン社 「セラドン釉皿 蛙図皿」1878年 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 

皆様こんにちは

今回はブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』に出展している作品紹介の第19回目!

本日はミントン社によって制作された「セラドン釉皿」(アクアリウムと名付けられた食器セットの一部)をご紹介いたします!

 

ミントン社で制作された作品は作品紹介⑫でもご覧いただけます

ミントン社についてもご紹介していますので、よろしければご覧ください

→ブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』出展作品のご紹介⑫

 

一方のお皿には、2つの貝、その上に3匹の虫を狙うトカゲ、下部に咲き誇る睡蓮の花、

もう一方のお皿には、日差しを浴びて日向ぼっこをするカエル、黄色い花びらを付けた睡蓮、水底の情景が描かれています。

水面の情景と水底の情景が同時に見える構図がとても斬新ですね

魅力に富んだ皿の装飾は、日本の浮世絵の影響が表われていると言われています

本日の作品紹介はここまで。ぜひ会場で実際にご鑑賞いただけましたら幸いです

ブダペスト国立工芸美術館名品展ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへは、パナソニック汐留美術館にて12月19日まで開催中です

 

*パナソニック汐留美術館では新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を実施中です。

ご来館の際は、下記予約サイトでの日時指定予約にご協力をお願いします。

https://www.e-tix.jp/shiodome_museum/

 

パナソニック汐留美術館

〒105-8301 
東京都港区東新橋1-5-1 
パナソニック東京汐留ビル4階
ハローダイヤル 050-5541-8600

https://panasonic.co.jp/ew/museum/ 


■会期 

2021年10月9日(土)~12月19日(日)

■休館日
水曜日 ただし11月3日は開館

■時間
午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで) ※11月5日(金)、12月3日(金)は夜間開館 午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)

■入場料

一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円、小学生以下:無料 
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。

■アクセス

下記URLよりご確認いただけます。

https://panasonic.co.jp/ew/museum/access/

 


ブダペスト国立工芸美術館名品展 『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』 出品作品のご紹介⑱

2021-12-01 13:45:50 | ブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』出品作品

ブダペスト国立工芸美術館名品展

『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』

出展作品のご紹介⑱

 

ジョルナイ陶磁器製造所「結晶釉花器」1902年 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 

皆様こんにちは

今回はブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』に出展している作品紹介の第18回目!

本日はジョルナイ陶磁器製造所「夕景図花器」をご紹介いたします!

 

ジョルナイ陶磁器製造所にて制作された作品は、作品紹介第3弾、4弾、9弾でもご紹介しています

4弾のブログでは作品紹介に加え、製造所について詳しく触れております!

よろしければご覧ください

 

→❸ジョルナイ陶磁器製造所「葡萄新芽文花器」

→❹シャーンドル・アパーティ・アブト ジョルナイ陶磁器製造所「狩りをする雌ライオン像」

→❾ブダペスト国立工芸美術館名品展 『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』 出展作品のご紹介⑨

 

鮮やかな瑠璃色の大きな結晶と緑がかった灰色の小さな結晶がとても美しいですね。

花器全体に散りばめられている深い青色をした点状の結晶の集まりや背景色との色合いが本当に素敵です

 

この黄色がかった薄い灰色をした基礎釉の上に浮かび上がっている結晶は、結晶釉という技法よって施されています。

 

■結晶釉

釉薬の中に亜鉛、チタン、マンガン、酸化バナジウムを過飽和状態 (溶解度に相当する量より多くの溶質を含む溶液の状態)まで入れ、一定の時間慎重に焼成した後、ゆっくりと長時間かけて徐冷作業を行い器表に結晶を析出する技法。基礎釉に着色酸化物を混ぜると、珍しい色合いの結晶が生じます。

 

縦方向に流れる結晶が蔓のようにも見えませんか

まるで作品全体を包み込んでいるかのようです

 

本日の作品紹介はここまで。ぜひ会場で実際にご鑑賞いただけましたら幸いです

ブダペスト国立工芸美術館名品展ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへは、パナソニック汐留美術館にて12月19日まで開催中です

*パナソニック汐留美術館では新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を実施中です。

ご来館の際は、下記予約サイトでの日時指定予約にご協力をお願いします。

https://www.e-tix.jp/shiodome_museum/

 

パナソニック汐留美術館

〒105-8301 
東京都港区東新橋1-5-1 
パナソニック東京汐留ビル4階
ハローダイヤル 050-5541-8600

https://panasonic.co.jp/ew/museum/ 


■会期 

2021年10月9日(土)~12月19日(日)

■休館日
水曜日 ただし11月3日は開館

■時間
午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで) ※11月5日(金)、12月3日(金)は夜間開館 午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)

■入場料

一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円、小学生以下:無料 
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。

■アクセス

下記URLよりご確認いただけます。

https://panasonic.co.jp/ew/museum/access/

 


ブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』出品作品のご紹介⑰

2021-10-28 12:58:24 | ブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』出品作品

ブダペスト国立工芸美術館名品展

『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』

出展作品のご紹介⑰

 

アンリ・ベルジェ「夕景図花器」1902年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 

皆様こんにちは

今回はブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』に出展している作品紹介の第17回目!

本日はアンリ・ベルジェと作品「夕景図花器」をご紹介いたします!

 

 ■アンリ・ベルジェ (1870–1937)

フランスのナンシーで活躍したグラフィックデザイナー、イラストレーター。

ドーム兄弟の工場で働いていました。

アール・ヌーヴォーやアール・デコ様式で広告や ポスター、装飾品、ステンドグラスをデザインしていた作家です。

 

さて、作品をみていきましょう

 

幻想的な夕暮を想起させる色合いをした作品

とても美しいですね

内側はバラ色に着色された半透明のガラスで、 その外側はオフホワイトの層で覆われています。

花器の首部のところから蔓葉植物が垂れ下がっているのがお分りになりますか

この装飾に合わせて、外側のガラス層は、下のガラス層まで、 繰り返し重ねて斑紋状に研磨し直されています。

その後、加熱されたガラスは緑や黄土色、赤紫を混ぜた混合酸化物によって着色され、最後にエッチングという表面加工が施されています。

 

■エッチングとは

光沢のある施釉陶器やガラス器の表面をフッ化水素と硫酸の混合液で腐食させ、艶消しにして文様などを表わす技法。使用する酸の腐食効果の度合いにより、表面に
光沢感を調節します。酸エッチングによく使用されるフッ化水素酸は、ガラスを熔解するため、それが高濃度であればあるほど表面に深く浸透することができます。

 

幻想的な色合いの本作品は印象派の絵画を見ているかのようですね

 

本日の作品紹介はここまで。ぜひ会場で実際にご鑑賞いただけましたら幸いです
ちなみに、パナソニック汐留美術館では、本展出品作品の解説が配信されます。

配信日は、
10月31日(日) 午後3時〜(約30分間)
11月2日(火)午後12時30分〜(約30分間)
11月4日(木)午後7時〜(約30分間)です。
(3日間とも同じ内容を配信)

気になる方は、ぜひ下記URLをご確認ください
https://panasonic.co.jp/ew/museum/exhibition/21/211009/index.html#exhibition-detail-event

ブダペスト国立工芸美術館名品展ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへは、パナソニック汐留美術館にて12月19日まで開催中です

 

 

*パナソニック汐留美術館では新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を実施中です。

ご来館の際は、下記予約サイトでの日時指定予約にご協力をお願いします。

https://www.e-tix.jp/shiodome_museum/

 

パナソニック汐留美術館

〒105-8301 
東京都港区東新橋1-5-1 
パナソニック東京汐留ビル4階
ハローダイヤル 050-5541-8600

https://panasonic.co.jp/ew/museum/ 


■会期 

2021年10月9日(土)~12月19日(日)

■休館日
水曜日 ただし11月3日は開館

■時間
午前10時~午後6時(ご入館は午後5時30分まで) ※11月5日(金)、12月3日(金)は夜間開館 午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)

■入場料

一般:1,000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円、小学生以下:無料 
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。

■アクセス

下記URLよりご確認いただけます。

https://panasonic.co.jp/ew/museum/access/

 


ブダペスト国立工芸美術館名品展 『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』 出品作品のご紹介⑯

2021-06-02 10:56:06 | ブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』出品作品

ブダペスト国立工芸美術館名品展

『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』

出展作品のご紹介⑯

 

ヴィンツェ・ヴァルタ「花器」1905–1910年 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 
皆様こんにちは!
 
 
本日はブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』作品紹介第16回目!
 
今回は、ヴィンツェ・ヴァルタと作品「花器」についてご紹介いたします
 
 
ヴィンツェ・ヴァルタ(1844–1914)

ハンガリーの化学者、ワイン醸造家、ブダペスト工科大学教授、学長。
ブダペストの高等工業専門学校を卒業後、チューリッヒとハイデルベルグの大学を修了。
多彩な才能に溢れ、多くの分野で功績を残しました。
研究分野は、石炭分析、工業用水と飲料水の検査、熱量の測定、ワイン醸造化学で、そのほか、写真技術の科学的応用にも取り組んでいました。
陶器分野での発見としては、金属ラスター彩の技術が挙げられます。
この技術はヴィルモシュ・ジョルナイによりペーチのジョルナイ陶磁器製造所で実際に応用されました。

■エオシン彩とは?

ハンガリーの化学者、ワイン醸造家、ブダペスト工科大学教授、学長であったヴィンツェ・ヴァルタとハンガリーの陶芸における第一人者ヴィルモシュ・ジョルナイによって開発された技法。

二人が実験によって生み出した銅ラスター彩が、金属光沢のある赤色で暁の太陽の色に似ていたことから、ギリシア神話の曙の女神エオス(Eos、ローマ神話ではアウロラ)にちなんで命名されました。

★「ラスター彩」...陶器の表面を金属的な光沢で輝かせる上絵付による装飾技法。

 

それでは作品を観ていきましょう

花器の形が日本の茶入れを思わせますね。

器表には、酸化鉄を用いた赤味を帯びた茶色の釉薬が縦方向に流れ落ち、その中に、きらきらと輝く金色の斑点がたくさんありますね

この斑点はアベンチュリンによって表現されています。

 

アベンチュリンとは?

別名砂金石ともいい、石英系の鉱物に属する結晶化しやすい鉱物のことです。

鉱物が包有している結晶の内部反射によりキラキラと輝いてみえます。

陶器では、銅を入れて過飽和させた釉薬を還元焼成すると銅アヴェンチュリン彩を作ることができます。

 

輝く器表は石の結晶によるものだということを知ると、やはり自然が生み出した素材は素晴らしいものなんだなと感じます

次のブログもお楽しみに

山口県立萩美術館・浦上記念館

〒758-0074
山口県萩市平安古町586-1
山口県立萩美術館・浦上記念館
Tel:0838-24-2400 Fax:0838-24-2401

■会期 

4月24日(土)~6月20日(日)

■休館日
月曜日
(5月3日、6月7日は開館)

■時間
9:00~17:00(入場は16:30まで)

■入場料

一般 1,500円(1,300円)

学生 1,300円(1,100円)

70歳以上の方 1,200円(1,000円)

*(  )内は前売り、20名以上の団体料金です。
*18歳以下の方、高等学校、中等教育学校、特別支援学校の生徒は無料。
*身体障害者手帳、戦傷病者手帳、精神障害者保健福祉手帳の提示者とその介護者(1名)は無料
*前入り券はローソンチケット(Lコード62371)、セブンチケットでお求めになれます。
*割引券は県内角プレイ街と及道の駅、旅館等観光施設に設置しています。

■アクセス

下記URLよりご確認いただけます。

https://www.hum.pref.yamaguchi.lg.jp/access/index.html

その他の展覧会情報につきましては、アートインプレッションHPにて随時更新しております

 


ブダペスト国立工芸美術館名品展 『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』 出品作品のご紹介⑮

2020-06-03 08:10:58 | ブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』出品作品

ブダペスト国立工芸美術館名品展

『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』

出展作品のご紹介⑮

 


ドーム兄弟「水辺風景図花器」1910年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 

皆様こんにちは!
 
 
本日はブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』作品紹介第15回目!
 
今回は、ドーム兄弟と作品「水辺風景図花器」についてご紹介いたします
 
ドーム兄弟
19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍したフランスのガラス工芸家、
オーギュスト・ドームとジャアントナン・ドームの2人。
ドーム兄弟は父のジャン・ドームが 1878 年にナンシーで興したクリスタルガラス製造所を継ぎました。また、ガラス工場にはドーム兄弟という名称がつきました。

 

ドーム兄弟の作品は作品紹介第6回目でもご紹介しています

まだご覧になられていない方は、こちらの作品紹介ブログもよろしければご覧ください

→ドーム兄弟「多層間金箔封入小鉢」

 

さて、作品の紹介に入ります!

 

器表一面に湖畔の風景が広がっていますね

対岸に見える遠くの風景は、水面に映る木々や低木の影と共に、淡く薄く研削されており、

繊細な表現が施されています。

 そして淡いオレンジ色に染まった夕焼け空が本当に美しいですね。

全体的に印象派の絵画を彷彿とさせる作品だと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか

濃緑色で描かれた草木と背景のオレンジ色の組み合わせもとても素敵ですよね

 

次のブログもお楽しみに

 

本展覧会は今後石川、山口、東京に巡回する予定です

その他の展覧会情報につきましては、アートインプレッションHPにて随時更新しております


ブダペスト国立工芸美術館名品展 『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』 出品作品のご紹介⑭

2020-05-01 15:27:22 | ブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』出品作品

ブダペスト国立工芸美術館名品展

『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』

出展作品のご紹介⑭

 


ハーマン・アウグスト・ケーラー「花器」1900年 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 

皆様こんにちは!
 
 
本日はブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』作品紹介第14回目!
 
今回は、ハーマン・アウグスト・ケーラーと作品の花器についてご紹介いたします

 

ハーマン・アウグスト・ケーラー

デンマークの作陶家。装飾陶器、日用陶器に加えて壁のカバータイルやフリーズもデザインしていました。

ベルリンとチューリッヒで働いた後、1872年にデンマークのネストベズにある父親の製陶所を引き継ぎます。その後、1889年のパリ万博にてラスター彩の陶器を出品したり、1893年のシカゴ万博で数多くの賞を受賞するなどして活躍の場を広げました。彼の芸術は、デンマークの陶芸界に豊かな影響を与えたと言われています。

*「ラスター彩」...陶器の表面を金属的な光沢で輝かせる上絵付による装飾技法。

 

器のメインカラーである深紅のラスター彩に、細長く流れ落ちる淡いピンク色の流し釉が印象的な作品。

流し釉には粘性のある密度の濃いものを用いており、中国や日本の陶磁器から影響を受けた作品であると言われています。

成形と釉薬使いを見事に調和させた本作は、日本の民芸のバランスの取れた端正な世界を感じさせますね。

次のブログもお楽しみに

 

福島県立美術館にて開催中のブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月19日(日)〜5月6日(水)の間、休止いたします。日程は変更になる可能性がございます。最新の情報は福島県立美術館の公式ホームページをご確認ください。

 

 

福島県立美術館

〒960-8003
福島市森合字西養山1番地
Tel.024-531-5511

開館時間

9:30-17:00(最終入館は16 : 30まで)

休館日

月曜日(ただし5/4(月)は開館)

観覧料 

 <一般>

1,300円(当日) /1,100円(前売り・20名以上の団体)

<大学生・専門学校生>

1,100円(当日) /900円(前売り・20名以上の団体)

<小中高生>

650円(当日) /500円(前売り・20名以上の団体)

交通アクセス (JR福島駅東口より)

●電車
福島交通飯坂線→「美術館図書館前駅」下車(徒歩2分)

●バス

9番バス乗り場より、福島交通ももりん2コース→「県立美術館入口」下車(徒歩3分)

詳しくは福島交通ホームページをご覧ください(外部ページへリンクします)


●タクシー
約5分

本展覧会は今後石川、山口、東京に巡回する予定です

展覧会詳細HPはこちらをチェック→

その他の展覧会情報につきましては、アートインプレッションHPにて随時更新しております


ブダペスト国立工芸美術館名品展 『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』 出品作品のご紹介⑬

2020-04-30 10:28:09 | ブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』出品作品

ブダペスト国立工芸美術館名品展

『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』

出展作品のご紹介⑬

 

エミール・ガレ「菊花文花器」1896年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 

みなさまこんにちは!
いかがお過ごしでしょうか。
 
 
本日はブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』作品紹介第13回目!
 
今回は、エミール・ガレと「菊花文花器」についてご紹介いたします

「エミール・ガレ」のガラス工芸は、日本でも強い人気がありますよね。

彼の作品を鑑賞したことがある方も多いのではないでしょうか?

 

 

 

■エミール・ガレ

フランスの家具、ガラス器デザイナー、工場経営者。

アール・ヌーヴォーの創始者のひとりで、当時、最も影響力のあった芸術家です。

ナンシー派という、とりわけ植物文様をモチーフにした自然主義的な表現に特色を持っているグループの

設立者でもありました。

優美で軽やかな家具に加え、ガラス器を制作していた作家です。

 

エミール・ガレの作品は作品紹介第2弾でもご紹介しています

まだご覧になられていない方は、こちらの作品紹介ブログもよろしければご覧ください

→エミール・ガレ「洋蘭文花器」

 

琥珀色のガラス素地に描かれた様々な形をした咲き誇る菊の花と霧や霞の帯のコントラストが

神秘的な美しさを放っていますね。

この花々はエナメル彩と言う色ガラスの粉末を油などで溶いた顔料で器面にモチーフを描き、焼成する方法によって表現されています。

豪華な装飾が施された花器は、所々厚みを帯びたガラス層と器表の作用によって、

光が当たると一味違った印象を感じられるのです

 


エミール・ガレ「菊花文花器」1896年頃 ブダペスト国立工芸美術館蔵

福島県立美術館 展示室写真

(撮影:弊社スタッフ森本)

 

光によって様々な表情を魅せる花器についつい見惚れてしまいます

 

次のブログもお楽しみに

 

福島県立美術館にて開催中のブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月19日(日)〜5月6日(水)の間、休止いたします。日程は変更になる可能性がございます。最新の情報は福島県立美術館の公式ホームページをご確認ください。

 

 

福島県立美術館

〒960-8003
福島市森合字西養山1番地
Tel.024-531-5511

開館時間

9:30-17:00(最終入館は16 : 30まで)

休館日

月曜日(ただし5/4(月)は開館)

観覧料 

 <一般>

1,300円(当日) /1,100円(前売り・20名以上の団体)

<大学生・専門学校生>

1,100円(当日) /900円(前売り・20名以上の団体)

<小中高生>

650円(当日) /500円(前売り・20名以上の団体)

交通アクセス (JR福島駅東口より)

●電車
福島交通飯坂線→「美術館図書館前駅」下車(徒歩2分)

●バス

9番バス乗り場より、福島交通ももりん2コース→「県立美術館入口」下車(徒歩3分)

詳しくは福島交通ホームページをご覧ください(外部ページへリンクします)


●タクシー
約5分

本展覧会は今後石川、山口、東京に巡回する予定です

展覧会詳細HPはこちらをチェック→

その他の展覧会情報につきましては、アートインプレッションHPにて随時更新しております


ブダペスト国立工芸美術館名品展 『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』 出品作品ご紹介⑫

2020-04-28 10:23:28 | ブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』出品作品

ブダペスト国立工芸美術館名品展

『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』

出展作品のご紹介

ミントン社「濃紫地金彩昆虫文蓋付飾壺」1872年 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 

 

こんにちは

今回はブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』に出展している作品紹介の第12回目!

 

本日はミントン社の「濃紫地金彩昆虫文蓋付飾壺」をご紹介いたします

 

深い赤色の器表に様式化されたテントウムシやミツバチ、カミキリムシ、蝶などの昆虫が
金彩で絵付けされている作品。

それぞれのモチーフ光り輝いていて本当に美しいですね

日本の象嵌が施された漆芸品にも似ている部分がありますね。

 

この作品を制作したミントン社のティーカップやプレートを持っていらっしゃる方は多いのではないでしょうか

芸術的な作品だけでなく日常的にも楽しむことができる製品を数々生み出したミントン社について下記にご紹介いたします

 

*ミントン社

1793年、トーマス・ミントンによってスタッフォードシャーのストーク=オン=トレントに創業されたイギリスを代表する陶磁器メーカー。

19 世紀半ばから後半にかけてハーバート・ミントンとコリン・ミントン=キャンベルらに
よって技術的革新性や芸術的造形性が導入され、飛躍的な発展を遂げ、業界屈指の工場となりました。

製品は、陶磁器産業のどの分野においても芸術的にも技術的にも高いレベルに達するものばかり。

金彩をふんだんに施した手の込んだテーブルウェアや、リーズナブルな値段の転写絵付けの食器セット、装飾器や小像などを生産した他、建築用の装飾セラミックや庭園用の花器などを主に製造しました。

 

次のブログでも素敵な作品をご紹介いたします!

お楽しみに

福島県立美術館にて開催中のブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月19日(日)〜5月6日(水)の間、休止いたします。日程は変更になる可能性がございます。最新の情報は福島県立美術館の公式ホームページをご確認ください。

 

福島県立美術館

〒960-8003
福島市森合字西養山1番地
Tel.024-531-5511

開館時間

9:30-17:00(最終入館は16 : 30まで)

休館日

月曜日(ただし5/4(月)は開館)

観覧料 

 <一般>

1,300円(当日) /1,100円(前売り・20名以上の団体)

<大学生・専門学校生>

1,100円(当日) /900円(前売り・20名以上の団体)

<小中高生>

650円(当日) /500円(前売り・20名以上の団体)

交通アクセス (JR福島駅東口より)

●電車
福島交通飯坂線→「美術館図書館前駅」下車(徒歩2分)

●バス

9番バス乗り場より、福島交通ももりん2コース→「県立美術館入口」下車(徒歩3分)

詳しくは福島交通ホームページをご覧ください(外部ページへリンクします)


●タクシー
約5分

本展覧会は今後石川、山口、東京に巡回する予定です

展覧会詳細HPはこちらをチェック→

その他の展覧会情報につきましては、アートインプレッションHPにて随時更新しております


ブダペスト国立工芸美術館名品展 『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』 出品作品のご紹介⑪

2020-04-27 13:43:16 | ブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』出品作品

ブダペスト国立工芸美術館名品展

『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』

出展作品のご紹介⑪

 

チャールズ・ジョン・ノーク
ロイヤルドルトン社
「スコッチテリア像」1904–1910年 ブダペスト国立工芸美術館蔵

 

皆様こんにちは

今回は福島県立美術館にて開催中のブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』に出展している作品紹介の第11回目

 

本日はロイヤルドルトン社の美術監督、チャールズ・ジョン・ノークによってデザインされた「スコッチテリア像」です

作品紹介の前にロイヤルドルトン社とチャールズ・ジョン・ノークとについてご紹介いたします

 

*ロイヤルドルトン社

1800 年に創業したクリームウエア工場。

主に家庭用陶器、実験器具、衛生陶器を製造していました。

1891年、衛生用品と建築セラミックの分野で世界最大の企業となり成功を収めました。

 

 ☆クリームウエアとは?(フランス語ではファイアンスフィーヌと言います。)

⇨白、クリーム色あるいは象牙色の多孔質の素地(細孔が非常に多く空いている材料)に透明で光沢のある釉薬を掛け、上絵付け、下絵付け、あるいは転写技法による絵付けを施した陶器のこと。

1760年頃、イギリスの陶芸家であった ジョサイア・ウェッジウッド(イギリス最大の陶器メーカー「ウェッジウッド」の創設者)が既存の陶器の素地に白色粘土とフリントを混入し、鉛釉をかけて焼成してクリームウエアを作り出しました。

廉価で製造工程を機械化することができたため、ヨーロッパ中に広まりました。

 

*チャールズ・ジョン・ノーク (1858–1941)

イギリスの彫刻家、陶器デザイナー。

1873 年からウスター・デザイン・スクールで学び、その後、同地で型師として16年間働きます。

(型師⇨鋳物を鋳造するときに、溶かした金属を注ぎ入れる型をつくる人)

1899 年にロイヤルドルトン社のデザイナーとなり、のちに美術監督に就任します。

工場の製造工程も監督してデザインと製造に革新的な変革をもたらし、ロイヤルドルトン社をイギリス屈指の陶磁器製造所に成長させました。

 

さて、作品を観ていきましょう

 

真っ赤な色をした「スコッチテリア像」

がっしりした細長い身体に短い脚、ぴんと立った耳が特徴的で今にも動き出しそうですね

この赤い色は、中国の「牛血釉」という釉薬からインスピレーションを得ているそうです。

(牛血とは、牛の血のような赤色を表してします。)

スコッチテリアは、今日ペットとして飼われるようになりましたが、元々はスコットランドのハイランド地方で有害な野生動物を駆除するために飼育されてきた勇敢で頑強な狩猟犬でした。

牛血釉を使うことで強さを表現したのかもしれません

 

次のブログでも素敵な作品をご紹介いたします

どうぞお楽しみに

福島県立美術館にて開催中のブダペスト国立工芸美術館名品展『ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへ』は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月19日(日)〜5月6日(水)の間、休止いたします。日程は変更になる可能性がございます。最新の情報は福島県立美術館の公式ホームページをご確認ください。

 

福島県立美術館

〒960-8003
福島市森合字西養山1番地
Tel.024-531-5511

開館時間

9:30-17:00(最終入館は16 : 30まで)

休館日

月曜日(ただし5/4(月)は開館)

観覧料 

 <一般>

1,300円(当日) /1,100円(前売り・20名以上の団体)

<大学生・専門学校生>

1,100円(当日) /900円(前売り・20名以上の団体)

<小中高生>

650円(当日) /500円(前売り・20名以上の団体)

交通アクセス (JR福島駅東口より)

●電車
福島交通飯坂線→「美術館図書館前駅」下車(徒歩2分)

●バス

9番バス乗り場より、福島交通ももりん2コース→「県立美術館入口」下車(徒歩3分)

詳しくは福島交通ホームページをご覧ください(外部ページへリンクします)


●タクシー
約5分

本展覧会は今後石川、山口、東京に巡回する予定です

展覧会詳細HPはこちらをチェック→

その他の展覧会情報につきましては、アートインプレッションHPにて随時更新しております