アートインプレッション

株式会社アートインプレッションは、美術展の企画を主な業務としている会社です。

モンマルトルのシンボル、サクレクール寺院

2011-02-23 18:50:41 | 陶酔のパリ・モンマルトル
サクレ・クール寺院



弊社代表市川飛砂 写真提供

今日は「陶酔のパリ・モンマルトル1880-1910」展の舞台、モンマルトルの丘のシンボルでもあるサクレ・クール寺院のご紹介をいたします。
日々大勢の観光客で賑わうサクレ・クール寺院ですが、完成したのは1914年、一般公開されたのが1919年と比較的新しく、普仏戦争とそれに続くパリ・コミューンで犠牲となったパリ市民を弔うために約40年かけて建てられました。
着工当時はエッフェル塔も完成したばかり。どちらも来たるべき20世紀への期待感と先の戦争で受けた傷の両方を包み込むような存在だったのではないでしょうか。

一方、サクレ・クール寺院の建設が進む中、モンマルトルではキャバレーやカフェ・コンセールといった娯楽施設が次々とオープンし、イヴェット・ギルヴェールやアリスティド・ブリュアンなど、当時の一流スターが活動の場を求める歓楽街として世紀末パリを彩りました。下の3つのポスターからも、当時の様子が偲ばれます。

  
左 :カフェ・コンセール「ジャルダン・ド・パリ」のポスター  
   ジュール・シェレ 北海道立帯広美術館所蔵
中央:モンマルトルの劇場初演  
   アンドレ・ドゥヴァンベ 個人蔵
右 :「ディヴァン・ジャポネのポスター」  
   アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレック 北海道立帯広美術館所蔵


今回展覧会でご紹介する芸術家たちが活躍したのもまさにこの時期。サクレ・クール寺院が出来上がっていく様子を眺めつつ、毎晩こうしたカフェ・コンセールで「はちゃめちゃな」催し物を企画して、当時の前衛芸術を形作っていったのでした。
上記以外にもまだまだ沢山のエピソード、作品がありますので、展覧会のオープンまで楽しみにお待ち下さい!

ジョルジュ・メリエスとは?

2011-02-21 19:38:29 | 陶酔のパリ・モンマルトル
映画「月世界旅行」1902年を作ったジョルジュ・メリエスって?


今日は先日ご紹介した映画「月世界旅行」を作った、ジョルジュ・メリエスについてご紹介します。



マリー=ジョルジュ=ジャン・メリエス
Maries-Georges-Jean Méliès

1861年11月8日~フランス・パリにて製靴業を営む父母の元に3男として生まれる。
1882-1883年 ~画家になろうとして美術学校に入るが、靴屋を継がせようとする父の
         反対にあう。
1884年    ~ロンドンで英語を学びながらいくつかの店で販売員として修行する。
         この頃、当初英語が分からなかったメリエスは言葉がわからなくても楽しめる
         エジプシャン・ホール(手品や幻想的な舞台作品を上演)に頻繁に通う。
         これがメリエスが奇術・魔術に関心を頂くきっかけになったともいえる。
1888年    ~父親が引退し、兄二人は靴屋を継ぐが、ジョルジュはその相続分を現金でもらい、
         ロベール=ウーダン劇場を買う。
         劇場で1896年まで数々の奇術や幻灯を見せる。
1895年    ~パリのグラン・カフェの地下でシネマトグラフの一般公開に参加。
1896年    ~ロンドンから入手した撮影機を改良して、80本の短編作品を制作。
         このときの最初のトリック映画に出演したジュアンヌ・ダルシーは世界最初の女優
18970年   ~54本制作。自分の敷地内に世界最初のスタジオを作る。
        
         その後も意欲的に製作を続け、「シンデレラ」「ジャンヌダルク」といった作品を撮影。

1902年   ~22本制作。その内の1本が「月世界旅行」。その後、文学作品に題をとった作品を発表。
        ニューヨーク支社も作る。

         奇術師組合を作って会長となったり、アメリカの映画会社へ作品提供。
         国際映画製作社連盟の議長を務めてもいたが、全く映画が売れなくなってしまう。

1923年   ~スタジオを劇場に改築し、家族で公演を行うもうまく行かず破産。
        その後モンパルナス駅の売店でお菓子やおもちゃを売る。
1931年    ~ルイ・リュミエールの推薦でレジオン・ドヌール勲章を受ける。
1938年    ~癌のため76歳で死去

ご覧頂くと分かるように、本当に「映画」というものに没頭してその魅力に取り付かれたまま亡くなってしまったという感じですよね。
「映画の発明者」と言われているエジソンや、リュミエール兄弟のように華々しい名声を得た訳ではなかったけれども、
夢を追いかけ続けた姿には、何とも引きつけられるものがあります。

それに、なんといってもSF映画や舞台芸術、ファンタジー、ドキュメンタリーといった映画の様々な面で先駆者とも言えます。
影絵芝居を始めたリヴィエール、幻想的な舞台を作り上げたロイ・フラー。
今回展覧会でも取り上げている芸術家達とも交流があったのでしょうね。
そんな時代の活気はどんなものだったのでしょうか?

是非、展覧会で作品をご覧頂いて味わって頂ければと思います。
「月世界旅行」も会場内で上映されますので、是非ご覧になってくださいね。

*写真はWikipediaより


ジョルジュ・メリエス「月世界旅行」

2011-02-08 17:36:27 | 陶酔のパリ・モンマルトル
ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」を会場にて上映!


今回は、「陶酔のパリ・モンマルトル 1880-1910」展の会場内で資料映像として上映される、ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」
(1902年)をご紹介します。



これ と~ってもインパクトのある画像ですよね?
「月世界旅行」に出てくるワンシーンなんです。
地球を飛び立った宇宙船が月に突き刺さった・・、いや到着したシーンです。

映画のあらすじは・・・
「海底二万マイル」でも有名なフランスの作家ジュール・ヴェルヌの「月世界旅行」を元に作られた作品。
天文学会の会長が月世界への探検計画を発表。
巨大な砲弾型ロケットを建造し、大砲で打ち出されるロケット。
無事に月へ到着し喜んだのもつかの間、そこには原住民がいてあっけなく捕らえられてしまう。
彼らの隙をついて脱出するも、地球の海に落下。
なんとか無事に帰還し、群衆の大歓迎を受ける。

1902年というと、まだ写真や印刷物ばかりの時代で、ようやくリュミエール兄弟によって「映像」というものが出てきた頃。
そんな頃に既にこんな宇宙旅行を映像にするなんて、メリエスはどれだけ進んだ人だったのか驚きです
もちろん映画史的側面から見ても、「史上初めて劇的構成を持った映画」として高く評価されています。

私も観たのですが、CGもなにもない時代なので、ちょっとした手作り感はあるものの、
100年以上昔に、どうやって撮ったのだろう?という驚きと、ストーリーのおもしろさは現代の作品にも負けてない気がします。
そして、個人的には10分程度の作品ではありますが、そこにはメリエス達作り手の、
宇宙というまだ未知の世界と、新しい「映像」という技術を手にした彼らのロマンがぎっしり詰まっているような気がして、
感動しました。

是非、会場にいらして頂いてご覧になってください。
(会場ではこちらのDVDも販売予定です。)

次回は、この作品を作った ジョルジュ・メリエス を少しご紹介しますね。

ジョルジュ・メリエス「月世界旅行」1902年
Copyright(C)2011 WHD-JAPAN&FORWORD JAPAN, ALL Rihgts Reserved.
制作ーWHDジャパンサイト:http://whd.dip.jp
                   

「美術の窓」に「陶酔のパリ・モンマルトル1880-1910」展掲載!その見所は?

2011-02-03 10:45:41 | 陶酔のパリ・モンマルトル
「美術の窓」に「陶酔のパリ・モンマルトル1880-1910」展掲載
見所を紹介!


引き続き生活の友社「美術の窓」2月号に掲載された企画展「陶酔のパリ・モンマルトル1880-1910」展。
その中身をこっそりご紹介しつつ、見所もいくつかご紹介します。



ベルエポックの時代、芸術家達の活動拠点となっていたキャバレー「黒猫(シャ・ノワール)」を中心に、
そのキャバレー文化に関連する絵画、ポスター、写真、本などをご紹介!
(「美術の窓」にも掲載されいているスタンランの黒猫は皆さんもどこかで見た事のある絵では?)

特に、シャ・ノワールで上演されていた”影絵芝居”の再現は一番の見所!
  リュミエール兄弟によって始まった”映画”に先駆けた総合芸術ともいえる影絵芝居。
  当時の作家、画家、音楽家といった色んなジャンルの名だたる芸術家達が集まって作られていた事が
  残された資料によってわかります。
  今回の展覧会では、東京藝術大学のご協力を得て、影絵芝居の再現映像を作っています。
 
  このプロジェクトに関しては、その制作の模様もお伝えしていきたいと思っていますので、どうぞお楽しみに。

まずは、生活の友社「美術の窓」掲載ページをチェックしてくださいね


生活の友社「美術の窓ねっと」HP ←ここをクリック
2011年2月号のご案内も、また、こちらのサイトからご購入も頂けるようです。

「美術の窓」に「皇帝の愛したガラス」展掲載! その見所は?

2011-02-01 19:03:00 | 皇帝の愛したガラス
「美術の窓」に「皇帝の愛したガラス」展掲載 見所を紹介!


生活の友社「美術の窓」にアートインプレッション企画の展覧会を2つ取り上げて頂けた事は、先日ご紹介しましたが、
今回は、その中身をこっそりご紹介。

まずは、「皇帝の愛したガラス」展。
なんと丸まる1P使って掲載して頂いています


そこで、肝心の見所をいくつかご紹介

エルミタージュ美術館のコレクションの中でも、世界有数と言われているガラス・コレクション。
 その全貌を見る事が出来る!

歴代皇帝や皇后、貴族が世界各国から集めた出自が明らかな名品の数々を出品!

日本で初めて紹介される ロシア・ガラス
 エカテリーナ大帝によって設立されたガラス工場で、王室や貴族のためだけに作られた
 きらびやかなガラス製品を出品!

15世紀から20世紀に至るヨーロッパとロシアのガラス芸術をこれまでにない質と規模で
  堪能して頂けます!

本当はまだまだお伝えしたい事はあるのですが、それは、またこれから少しずつご紹介しますね。
もちろん、出品作品の画像もご覧頂けるようにします!

でも、まずは「美術の窓」をお手に取って頂くという事で。
お近くの書店でどうぞ。

生活の友社「美術の窓ねっと」HP ←ここをクリック
2011年2月号のご案内も、また、こちらのサイトからご購入も頂けるようです。