アートインプレッション

株式会社アートインプレッションは、美術展の企画を主な業務としている会社です。

八王子大音楽祭2017 「上野星矢 音の万華鏡 フルートで語るフランス絵画」体験レポート!

2017-05-29 09:50:57 | カッサンドル
八王子大音楽祭2017
「上野星矢 音の万華鏡 フルートで語るフランス絵画」
体験レポート!


先日、「上野星矢 音の万華鏡 フルートで語るフランス絵画」に参加して参りました
カッサンドルと同時代の作曲家の音楽を世界的フルート奏者の上野星矢さんの演奏で楽しむことのできる
贅沢な演奏会
身も心も癒される素敵なひとときを過ごしました


上野星矢さんは第8回ジャン=ピエール・ランパル国際フルートコンクールで優勝しています


特に印象に残っているのが、エリック・サティ(1866-1925)の<グノシエンヌ>という楽曲。
ご参考までにYouTube「サティ:グノシエンヌ 第一番」https://www.youtube.com/watch?v=CiuIap2BJJ8

どこか悩ましげで妖艶…
サティの音楽とカッサンドルの作品に見られる独特の世界観には、共通した部分があるのではないかと感じました。
皆さんはどうお感じになりますか

タイトルの『グノシエンヌ』とは「知る」というギリシア語の動詞の語幹をもとに作られたサティの造語です。
1889年のパリ万博で耳にしたルーマニアの舞踏音楽にインスピレーションを得て、作曲したといわれています。
エリック・サティについて詳しく知りたいという方は、2016年に弊社企画の展覧会
「エリックサティとその時代」展が開催されておりますので
HP、および過去のブログをご覧下さい
・HP <エリックサティとその時代>
http://www.artimpression.co.jp/exhibition-31.html

・Blog<生誕150年/没後90年記念 エリック・サティ展 >
http://blog.goo.ne.jp/artimpression/e/c06763e7967547e080da448379d59db9

カッサンドルは、サティのレコードのジャケット等のデザインも手掛けており、本展覧会ではピアノ作品集が展示されています
サティの肖像画と「ペーニョ体」と呼ばれるカッサンドルが作成したタイポグラフィ(活字体)がレイアウトされています。
シンプルながら洗練されたタイポグラフィは、サティの音楽を想起させる斬新でスタイリッシュなデザインであるように感じました。


街中にもポスターが!
(撮影:弊社スタッフ 林)


美術史家・美術評論家である岡部昌幸先生によるカッサンドルの講義については
また後日、ブログにてご報告いたします
八王子市夢美術館では、今後もギャラリートークが開催される予定ですので、
皆さま是非、足をお運び下さい
国内ではおよそ20年ぶりとなる回顧展ですので、この機会を是非お見逃し無く

ギャラリートーク
6/9(金)
講師:岡部昌幸氏(群馬県立近代美術館長、帝京大学教授) 15:00〜(約1時間)


申込、費用は不要です(ただし、観覧料が必要になります
ふるってご参加下さい


八王子市夢美術館
〒192-0071
東京都八王子市八日町8−1 ビュータワー八王子2F

■会期
 2017年4月7日(金)〜6月25日(日)

■開館時間
 10:00〜19:00 (入館は閉館30分前まで)

■休館日
 月曜日

■観覧料
 一般700(560)円、学生[小学生以上]・60歳以上350(280)円 ( )内は15名以上の団体 
 未就学児無料 土曜日と5月5日 小・中学生無料

■アクセス
 JR線「JR八王子駅」下車北口より徒歩15分
 京王線「京王八王子駅」下車 徒歩18分
 駅よりバスでご来館のお客様は、バス停「八日町一丁目」で下車して下さい。
 高尾・陣馬方面よりご来館のお客様は、バス停「八日町四丁目」で下車して下さい。
 JR八王子駅北口からは⑥〜⑩番乗り場、京王八王子駅からは②③番乗り場をご利用下さい。
 車でご来館のお客様は、地下駐車場「八日町夢街道パーキング(有料・割引あり)」が最寄りです

展覧会内容の詳細は下記URLをご覧下さい
http://www.yumebi.com


カッサンドラとカッサンドル

2017-05-25 10:36:03 | カッサンドル
カッサンドラとカッサンドル



カッサンドル展 ポスター 八王子市夢美術館より


グラフィックデザイナー 「カッサンドル」として知られる彼の名前、実はペンネームだということをご存知ですか?
彼の本名は「アドルフ・ジャン=マリー・ムーロン」といいます。
ウクライナの裕福な家庭の5人兄弟の末っ子として、1901年に生まれた彼の愛称はドーラ。
ドーラ少年は兄弟たちと共にパリで学校教育を受け、休暇になるとウクライナに戻り家族の住む大邸宅ですごしていましたが、
1917年にロシア革命が勃発すると一家は二度とウクライナには戻らずパリに定住することになりました。

やがてドーラは画家の道を志し、リシュアン・シモンのアトリエやアカデミー・ジュリアンで絵画を学びました。
彼がまだアカデミー・ジュリアンに在籍していた頃、タイヤ製造会社ミシュランが主催したポスター・コンクールで第3位に入賞し、
それをきっかけにポスター作家としての活動をはじめる事となりました

彼の父はドーラが経済的な心配をせず画家として活動出来るよう準備していましたが、
ドーラはそれを潔しとせずポスター作家として経済的な自立をはかり、
やがては十分な技術と知性の成熟をもって本来の絵画制作にたどり着く日を夢見ていました。
ペンネームで活動すると決めたのは、本名で画家として活動する可能性の余地を残していたのでしょう
 
このカッサンドルという名前は、ギリシャ神話の女神 予言者カッサンドラに由来します。
トロイアの王女カッサンドラは大変美しく太陽神アポロンの求愛を受け、贈り物として未来を予知する力を与えられましたが、
予言の力を授かった瞬間アポロンの愛がさめ自分からはなれていく未来が見えてしまい、彼を拒絶してしまいました。
怒ったアポロンはカッサンドラの予言を誰も信じない呪いをかけるのです
悲劇的な結末が現実になるのをを阻止しようとカッサンドラは必死に警告するも信じてもらえず、
自分の辛い未来まで見えていながら、どうする事もできないまま散った悲劇の予言者カッサンドラ。

ドーラはなぜ、カッサンドルと名乗ったのでしょうか。
ポスター作家として活動することは彼にとって正しい選択であっても、
もしかしたら周りの画家たちはポスター作家に批判的で彼もカッサンドラと同じような孤独を感じていたのかもしれません。
また、時代の最先端を走り、グラフィックデザイン界に革命をもたらす天才のゆえの苦悩があったのかもしれませんね…。
みなさんはどう思われますか?



カッサンドルの展覧会は、八王子市夢美術館にて開催中です


八王子市夢美術館
〒192-0071
東京都八王子市八日町8−1 ビュータワー八王子2F

■会期
 2017年4月7日(金)〜6月25日(日)

■開館時間
 10:00〜19:00 (入館は閉館30分前まで)

■休館日
 月曜日

■観覧料
 一般700(560)円、学生[小学生以上]・60歳以上350(280)円 ( )内は15名以上の団体 
 未就学児無料 土曜日と5月5日 小・中学生無料

■アクセス
 JR線「JR八王子駅」下車北口より徒歩15分
 京王線「京王八王子駅」下車 徒歩18分
 駅よりバスでご来館のお客様は、バス停「八日町一丁目」で下車して下さい。
 高尾・陣馬方面よりご来館のお客様は、バス停「八日町四丁目」で下車して下さい。
 JR八王子駅北口からは⑥〜⑩番乗り場、京王八王子駅からは②③番乗り場をご利用下さい。
 車でご来館のお客様は、地下駐車場「八日町夢街道パーキング(有料・割引あり)」が最寄りです

展覧会内容の詳細は下記URLをご覧下さい
http://www.yumebi.com

川原慶賀の植物図譜 埼玉会場 閉幕まであと3日!

2017-05-19 09:24:32 | 川原慶賀
川原慶賀の植物図譜
埼玉会場 閉幕まであと3日!



葉っぱに植物の名前が書かれています!
ユーモアがありますね
川原慶賀「タラヨウ」ロシア科学アカデミー図書館所蔵


「川原慶賀の植物図譜」展 埼玉会場も残すところあと3日となりました
皆さまご覧頂けましたでしょうか
慶賀の作品は、どれも細密描写が美しく見惚れてしまいますよね。
植物図譜をはじめ、長崎の風景や人々の暮らしを描いた作品も数多く展示されていますが、
どの作品からも、慶賀の鋭い観察眼と見たものを生き生きと写し取る高い技量を窺い知ることができます。
美術館の受付では、虫眼鏡を借りることができるそうなので、じっくりとご覧になってお楽しみ下さい
さらに作品をひとつひとつ、細かいところまで見たいという方にオススメの図録なのですが...
なんと埼玉会場では、図録が完売いたしました
図録をご覧になりたい方は、8/5から巡回する下関市立美術館にてお求め下さい

ちなみに…
下記URLは、「川原慶賀の植物図譜」の展覧会紹介映像です
弊社の名前も入っています
展示作品の一部を見ることができますので、こちらも要チェックです
You Tubehttp://www.youtube.com/watch?v=04_YUMToZe0

どうか本展覧会、お見逃しのないよう

埼玉県立近代美術館
〒330-0061埼玉県さいたま市浦和区常盤9丁目30-1

■会期
 2017年4月8日(日) ~ 5月21日(土)

■開館時間
 10時00分 ~ 17時30分 (入場は17:00まで)

■休館日
 月曜日(5月1日は開館)

■アクセス
・JRをご利用の場合
 JR京浜東北線北浦和駅西口より徒歩3分(北浦和公園内)
 JR東京駅、新宿駅から北浦和駅まで、それぞれ約35分

・バスをご利用の場合
 国際興業バス、西武バスとも北浦和駅西口前下車徒歩3分

・お車でお越しの方へ
 当館に専用駐車場はありませんが、提携駐車場「三井のリパーク 埼玉県立近代美術館東」では
 駐車料金の割引があります。(企画展観覧で300円引き、MOMASコレクション観覧で100円引き)

展覧会内容の詳細は下記URLをご覧下さい
http://www.pref.spec.ed.jp/momas/?page_id=358


巡回情報
■下関市立美術館
2017年8月5日(土)〜2017年9月24日(日)
■長崎歴史文化博物館
2017年10月7日(土)〜2017年11月26日(日)

川原慶賀の植物図譜 講演会レポート!

2017-05-08 09:00:00 | 川原慶賀
「ロシア科学アカデミー図書館所蔵 川原慶賀と植物図譜」
講演会レポート!



(撮影:弊社スタッフ)


4月23日(日)は東京大学名誉教授 大場秀章先生の講演会がありました。
たくさんの方に来場頂き、会場の椅子を追加する場面も...
多くの方に足を運んで頂けましたこと、心より御礼申しあげます。

講演会では、植物学者である大場先生が川原慶賀の植物図譜についてお話し下さいました。
その中で私が面白いなあと思ったことを少しご紹介しますね。

川原慶賀の描いた植物図譜は細部まで描き分けられ、その植物の特徴を捉えています。
つまり植物学的であると同時に芸術的であり、類似種から区別する特徴を明確に描き分けているのです。
ただ、慶賀はシーボルトに出会う以前から植物学的に正確な絵を描くことに長けていたのではなく、
長崎でシーボルトや画業の心得のあるシーボルトの助手ドゥ・ヴィルヌーヴ(de Villeneuve*)に出会い、腕を磨いていきました。
ドゥ・ヴィルヌーヴは植物画の優れた技量を持ち合わせていましたが、慶賀にヨーロッパ的な植物画の技法を強要するのではなく、
むしろその画力を認めて、慶賀の描いた作品の余白に慶賀が描かなかった果実や花の解剖図などを描き足すことで植物画としての完成度を高めました。



川原慶賀「 ビワ」
ロシア科学アカデミー図書館所蔵


このビワの果実、とても立体的だとは思いませんか?
日本的な表現とヨーロッパの技法が一枚の絵の中に存在しています。
125点ある植物図譜は全て違う植物が描かれていますが、
日本的な色や配置、遊び心を感じるものから、光を描き込んだ立体的でヨーロッパ的なものまで様々な表現をみることが出来ます。

シーボルトは画業の心得のあるヴィルヌーヴに描かせるのではなく、慶賀に描かせました。
ドゥ・ヴィルヌーヴもヨーロッパ的技法を慶賀に教えるのではなく余白に描きいれました。
きっとシーボルトもドゥ・ヴィルヌーヴも慶賀の絵に魅力を感じ、残したいと感じたのではないでしょうか。
美しい色彩で葉脈の一筋まで精密に描かれた慶賀の植物図譜を見ているとついそんな風に想像してしまいます。
みなさまはどう思われますか?

まだご覧になってない方はぜひ美術館に足を運んでみて下さい。
埼玉県立近代美術館で5月21日(日)まで開催しています

*de Villeneuveの日本語表記については諸説あり、ドゥ・ヴィルヌーヴあるいはデ・フェレニューフェと表記される場合があります。

埼玉県立近代美術館
〒330-0061埼玉県さいたま市浦和区常盤9丁目30-1

■会期
 2017年4月8日(日) ~ 5月21日(土)

■開館時間
 10時00分 ~ 17時30分 (入場は17:00まで)

■休館日
 月曜日(5月1日は開館)

■アクセス
・JRをご利用の場合
 JR京浜東北線北浦和駅西口より徒歩3分(北浦和公園内)
 JR東京駅、新宿駅から北浦和駅まで、それぞれ約35分

・バスをご利用の場合
 国際興業バス、西武バスとも北浦和駅西口前下車徒歩3分

・お車でお越しの方へ
 当館に専用駐車場はありませんが、提携駐車場「三井のリパーク 埼玉県立近代美術館東」では
 駐車料金の割引があります。(企画展観覧で300円引き、MOMASコレクション観覧で100円引き)

展覧会内容の詳細は下記URLをご覧下さい
http://www.pref.spec.ed.jp/momas/?page_id=358

巡回情報
■下関市立美術館
2017年8月5日(土)〜2017年9月24日(日)
■長崎歴史文化博物館
2017年10月7日(土)〜2017年11月26日(日)

ヘレンド展 雑誌 BonChicに掲載♪

2017-05-01 10:37:50 | ヘレンド展
ヘレンド展 
雑誌 BonChic に掲載



BonChic 掲載! (Vol.15)
主婦の友社


毎日過ごしやすい日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか
自分の生活スタイルを持っている「暮らし上手」な読者へ向けた、
インテリアとライフスタイルの情報雑誌「BonChic」(Vol.15)にて、ヘレンド展が紹介されています

本号では、美しいデザインの家具や食器を紹介しているようです
Informationのページでは、現在大阪市東洋陶磁美術館にて開催中のヘレンド展が紹介されており、
色絵金彩「皇帝」文コーヒーセットが掲載されています


色絵金彩「皇帝」文コーヒーセット 1860年頃 ブダペスト国立工芸美術館


ヘレンド磁器の優雅で荘厳な雰囲気は、やはり目を惹くものがありますね。
この作品はシノワズリーシリーズの中でも大変手の込んだ、最高クラスの作品だそうです。




色絵金彩「皇帝」文コーヒーセット カップ
ネコがこちらをちらり


コーヒーセットに描かれている庭の様子をよーく見ると、鳥やネコ、男の子が描かれていることが分かります
どこかユーモアのある作品が多いのも、ヘレンドの魅力ですね。
こちらのカップは、ホットチョコレートを飲むためのカップだそうです
ヘレンドのコーヒーセットを使ってティータイムを楽しむ…これ以上の贅沢は無いかもしれません
他にも、ヘレンドのティーセットはたくさんありますので、興味を持たれた方は過去の弊社ブログをご覧下さい
アートインプレッションブログ ヘレンド展 ティーセットセレクション

ゴールデンウィークも間近に迫ってきましたね
皆さまご予定はもうお決まりですか
まだ予定が決まっていない方はぜひ、弊社ブログをご参考に
美術館散策に出かけてみてはいかがでしょうか


大阪市立東洋陶磁美術館
〒530-0005 大阪市北区中野島1-1-26

■会期
 4月8日(土)〜7月30日(日)

■開館時間
 9:30〜17:00(入場は16:30まで)

■休館日
 月曜日(5月1日、7月17日は会館)、7月18日(水)

■アクセス
 京阪中之島線「なにわ橋」駅下車すぐ
 地下鉄御堂筋線・京阪本線「淀屋橋」、
 地下鉄堺筋線・京阪本線「北浜」各駅から約400m、大阪市中央公会堂東側

展覧会内容の詳細は下記URLをご覧下さい
http://www.moco.or.jp/exhibition/upcoming/?e=399



以下、会場を巡回致します
茨城県陶磁美術館2017年9月23日-12月3日
パナソニック汐留ミュージアム 2018年1月13日- 3月21日